ティモシー・シャラメとアーミー・ハマー、そして北イタリアの自然が美しい映画『君の名前で僕を呼んで』。
この映画の中で「君の名前で僕を呼んで」のセリフが出て来てから、なぜ君の名前で僕を呼んで欲しいのか?が気になっていました。
皆さんはどう考えましたか?
『君の名前で僕を呼んで』原作はこちら
『君の名前で僕を呼んで』作者のアンドレ・アシマンはこの映画にも登場します。
男性同士のカップルで食事に現れるお客さんの一人で、もう一人はこの映画のプロデューサー、ピーター・スピアーズです。
物語はエリオの視点から描かれ、繊細な心の動きを綴ります。
ティモシー・シャラメの演技が、これを余すことなく伝えていることにも驚きます。
17歳の少年と24歳の青年が恋に落ちる物語
17歳の美少年エリオを演じるのはティモシー・シャラメ。
彼が恋するのはアメリカから来た24歳のオリヴァー。
北イタリアのパールマン教授の家では、毎年夏に6週間の間学生を受け入れ、その間エリオの部屋を提供します。エリオはバスルームで繋がった隣室へ。
この距離感が絶妙なんですね。
オリヴァーの不在を感じる距離。留守の間に彼の部屋に忍び込んでも、自分の部屋なので罪悪感もないでしょう。
二人を引き寄せていく小道具たち
お互い会った瞬間から魅かれているのですが、恋を加速させていくものはいくつかありました。
宗教と民族
二人はユダヤ人。オリヴァーが堂々とつけているユダヤ教のペンダントを、エリオも着けるようになります。
音楽
エリオはクラシック音楽に造詣が深く、ピアノやギターを弾きこなします。
ピアノもギターも吹き替えなしでティモシー・シャラメ君が演奏しているんだ!すごいよね
趣味は編曲。エリオはソニーのウォークマンでカセットテープを聴いたり、AMラジオで音楽を聴いたりしています。1983年と言う時代を感じさせますね。
オリヴァーはこの音楽を聴く耳と素養を持っていて、エリオの奏でる音楽を理解していることを伝えていきます。
もちろんエリオの演奏には、オリヴァーに惹かれているという心が表現されていて、これが伝わったことにエリオは深い満足を覚えています。
教養
大学教授の父と語学に堪能な母の家には書物がたくさん。
英語、イタリア語、フランス語を操るエリオは教養を身につけていますが、父と議論を戦わせるオリヴァーの知性に尊敬の念を抱きます。
エリオは近くに住む女の子マルシアとも仲良くなりますが、プレゼントは詩集の本です。
両親の教育と環境に恵まれたエリオは、知識だけでなく感情も美しく、優しく、謙虚さを持った少年に育ち、オリヴァーを惹きつけます。
母が停電の夜に膝枕で読んでくれる本はエリオの心に優しく沁みとおっていきます。
北イタリアの夏
明るい陽光と美しい自然に恵まれた北イタリアの夏、若者たちは水着で長い時間を過ごします。
女子も男子も美しいスタイルを惜しげもなく夏の日差しにさらしています。
エリオの父のパールマン教授は、オリヴァーに研究対象のギリシャ彫刻のスライドを見せながら、官能的な筋肉の美しさを語ります。オリヴァーはこの間、もちろんエリオの美しさを想っていたことでしょう。
「君の名前で僕を呼んで」の二つの理由
タイトルの「君の名前で僕を呼んで」は、オリヴァーがエリオに提案します。
大自然の中、自分の名前を叫ぶ恋人たち。
別れの電話では涙を流しながら自分の名前を呼ぶのです。
これにはどんな意味が込められているのでしょうか?
君は僕で僕は君だから
愛する人と自分を同じ名前で呼んで、「君は僕であり、僕は君である」という甘美な一体感を表現しているのでしょうか。
恋をした相手の名前で自分を呼んでもらえる、自分の名前で相手を呼べる、というのは二人で共有する秘密であり、それがより一層甘い気持ちをかきたてるのかもしれません。
オリヴァーはいつも自分の名前で相手の少年を呼んでいたとしたら
まさかそんなことはないと思いますが。
うっかり相手の名前を呼び間違えたり、寝言で口走ったり、という地獄絵図を避けるために、オリヴァーはいつも自分の名前で相手を呼ぶことにしていたとしたら?
相手の少年は何一つ疑わず、彼の名前で自分を呼ぶでしょう。
そして、自分と彼との一体感に酔いしれるでしょう。
数年後。すっかり男性を好きになってしまったエリオが出会った相手が「君の名前で僕を呼んで」と言ったとしたら?
「…オリヴァーを知っているの?」なんてことになったりして。
そこから始まるのはコメディーでしょうか、ホラーでしょうか?
『君の名前で僕を呼んで』なぜ君の名前で僕を呼ぶのか?ネタバレ考察まとめ
映画『君の名前で僕を呼んで』の中で主人公たちが呼び合う名前は、なぜ自分の名前で相手を呼ぶのか?について考察しました。
一つは、相手と自分の一体感を共有するため。
もう一つは、名前を間違えたり無意識でつぶやいたりする事故を防ぐため。
というのが筆者の想像です。
最初から最後の場面までひたすら美しいこの映画、もう一度見てしまいそうです。
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