映画『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』はウェス・アンダーソン監督の最新作であり、第10作目にあたります。
期待の新作のあらすじ・出演者をウェス・アンダーソン監督独特の映像の一部をお借りしてご紹介します!
ウェス・アンダーソン監督は、この映画について「短編のオムニバス映画を撮ることが長年の夢でした。”ニューヨーカー”と、出版界で著名な記者に触発された映画です。」と語っています。
『フレンチ・ディスパッチ』あらすじ
長いタイトル『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』は雑誌の名前です。
アメリカ・カンザス州リバティの新聞『カンザス・イヴニング・サン』のオーナーの息子は、ヨーロッパ放浪の旅の果てに、フランスのアンニュイ・シュール・ブラゼという街で、父の新聞社の支社を作ります。
そこで『カンザス・イヴニング・サン』の別冊としてアーサー・ハウイッツァー・Jr(ビル・マーレイ)が編集長を務める雑誌が『フレンチ・ディスパッチ』です。
しかし、編集長は急死し、彼の遺言により(!)『フレンチ・ディスパッチ』誌の廃刊が決まってしまいます。
ベレンセン、サゼラック、クレメンツ、ローバック・ライトという花形記者が執筆する編集長追悼号にして最終号は、1つのレポートと3つのストーリーから成っています。
自転車レポーター篇
編集長お気に入りの無鉄砲な記者・エルブラン・サゼラックは自転車に乗ってアンニュイ・シュール・ブラゼの街の今と昔をレポートします。
「学生時代は相部屋で、彼はいつも “ニューヨーカー”を熟読していました」と証言しています。
『フレンチ・ディスパッチ』は “ニューヨーカー”愛にあふれた作品なんです!
ブラゼ川が流れ古い大聖堂が歴史を感じさせる町ですが、サゼラックは職人の町や物騒な通りを突撃レポートし、ついに取材中に自転車で道路標識に衝突してしまいます。
上の場面は、壊れた自転車を修理しているところ。
編集長は「花屋を加えては?」「美しいところとか?」と提案そますが、サゼラックはバッサリ「イヤだ」と言い切ります(笑)
「全員が同じところに寝泊まりしますから、食事も一緒だし、隣の部屋の編集の様子も覗けます。2階にいる監督にも会えます。少し歩くだけで撮影の経過を見ることができるのです。
誰もが近くにいるので、ヘアー、メイク、衣装にもあまり手間がかかりません。朝起きて、みんながいる場所に顔を出せば、そこですべてが片付きます。」
めっちゃ楽しそうですね!映画を撮る間にファミリーが形成されているんですね!
ストーリー#1<確固たる名作>
ベレンセンは美術界の表も裏も知り尽くした批評家です。
彼女が報じるニュースは、刑務所で服役中のモーゼス・ローゼンタイラーの描いた絵『裸のシモーヌ』を買いたいという客が現れ、なぜか刑務所は上を下への大騒ぎに!というもの。
ベレンセン記者を演じるのがティルダ・スウィントン。
服役中のモーゼス・ローゼンタイラー役でベニチオ・デル・トロ登場!
画商が「絵を買いたい」と交渉に訪れると「タバコ75箱」で手を打とうとする欲のない男です。
そして、『裸のシモーヌ』のモデルがレア・セドゥ!数奇な過去を持つ看守でもあります。
脱ぎっぷりがいいのと、看守の制服姿とのギャップ萌えです!
指を鳴らして囚人に命令する様子もドSっぽくてイイんです。
ウェス・アンダーソンの炸裂するレア・セドゥ愛には本気で驚かされます。「レアには大きな役が必要だった」。ティモシー・シャラメについても「ティモシー以外には考えられなかった」。二人は当て書き。役者さんへのラブレター。『フレンチ・ディスパッチ』には当て書きによる多幸感が溢れています。 pic.twitter.com/Zu9KjKdMPx
— maplecat_eve (@maplecat_eve) January 28, 2022
ウェス・アンダーソン監督の『グランド・ブダペスト・ホテル』では小間使い役で出演していました。
エイドリアン・ブロディが商売上手だが画家に振り回される美術商・ジュリアン・カダージオを演じます。
カダージオが看守の買収に使うのはマロングラッセ!
フランスっぽくて可愛いです。
ベニチオ・デル・トロが「手付の一部に」と手に入れたマロングラッセの紙包みを開けて、太い指でレア・セドゥの口に入れてやるシーンが最高。
レア・セドゥがマロングラッセをもぐもぐ食べる様子はずっと見ていたいほどキュートです。
ストーリー#2<宣誓書の改訂>
クレメンツ記者による報道は、若者による共和制への抵抗と自由を求める運動です。
クレメンツは高潔なジャーナリストですが、私生活には秘密があります。
ルシンダ・クレメンツ記者を演じるのはフランシス・マクドーマンド。
ウェス・アンダーソン監督作品の常連です。
ベッドの中で、トレーにタイプライターを載せて記事を書くところがいかにもフランスっぽい(イメージ)。
カリスマ性を放つが女子には弱い学生運動のリーダーとしてティモシー・シャラメ。
体制側とチェス対決をするのが、『クイーンズ・ギャンビット』や『ハリー・ポッター』を思わせます。
顔が綺麗なだけでなく、人なつこさ、可愛らしさがあって目を奪われっぱなしです!
インタビューでは「大勢の俳優さんと寝食を共にして、彼らの快活さ、親しみやすさ、監督との絆を実感できたことはかけがえのない財産です」と語っています。
学生運動グループの気の強い会計係にリナ・クードリ。
ストーリー#3<警察署長の食事室>
ローバック・ライトは、祖国を追われた孤独な記者、そして食を愛する人間です。
ピンクの壁に花柄のカーテンも、彼の好みでしょう。
ローバック・ライト記者を演じるのは、ジェフリー・ライト。
007シリーズでおなじみの名優さんです!
警察署長の息子を誘拐した、という一本の電話で大混乱に陥る警察署。
シングルファーザーの警察署長で美食家。マチュー・アマルリック。
スペイン生まれのイラストレーター、ハビ・アスナレスが、劇中出てくる『フレンチ・ディスパッチ』の表紙25種類とともに担当しています。
この25種類をまとめて見られるだけでも、パンフレットは買う価値アリです。
署長お抱えの伝説の “警察料理シェフ”をスティーブン・パークが演じます。
『フレンチ・ディスパッチ』出演者
その他の出演者は以下の面々です!
アンジェリカ・ヒューストンは今回ナレーションで登場です。
ウェス・アンダーソン監督作品の常連さんの顔が、どこで出てくるか、目を離せませんよ!
登場人物の若いころ、ショーガール、「見つけた!」瞬間嬉しくなります。
こんな豪華なメンバーどうやって集めるの?と思いますが、俳優さんのほうでも、ウェス監督の作品なら喜んで出演したいのでしょうね!
『フレンチ・ディスパッチ』あらすじ・出演者紹介!まとめ
『カンザス・イブニング・サン』のフランス支局発行の雑誌『フレンチ・ディスパッチ』。
その最終号は1つのレポートと3つの記事で構成されています。
強烈な個性の4人の編集者が送る、笑えるのに何か感動してしまう4つのストーリー。
アンニュイ・シュール・ブラゼは架空の町ですが、間違いなくフランスのにおいがプンプンしています!
ウェス・アンダーソン監督の独特の映像でじっくり楽しみましょう!
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