『君の名前で僕を呼んで』はティモシー・シャラメ、アーミー・ハマー主演のラブストーリー。
イタリアの田舎町で美しい夏の風景の中繰り広げられる男性同士のピュアな恋。
この作品の監督・ジェームズ・アイヴォリーの過去作品が『眺めのいい部屋』『日の名残り』『ハワーズエンド』といったら、文学的で格調高いこの作品の匂いが伝わるでしょうか・・・?
最初から最後まで、美しいの一言しか出てこないこの映画のあらすじをご紹介します。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・オープニング
映画『君の名前で僕を呼んで』のオープニングはギリシャ彫刻や壺、タイプライターの写真がたくさん。
これは主人公のお父さんの研究対象であるとともに、ギリシャ彫刻のように美しい男性の物語であることを暗示しているかのようです。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・オリヴァーの到着
時代設定は1983年。
北イタリアの田舎町で家族と共に暮らしているエリオ・パールマン(ティモシー・シャラメ)は17歳。
エリオの父・パールマン教授は考古学を研究している大学教授。
今年も夏の6週間、いつものように学生がエリオの部屋に泊まります。
今年の学生はアメリカから来た24歳のオリヴァー(アーミー・ハマー)です。
オリヴァーは背が高くて、ガタイがいいんだよね。
アーミー・ハマーの身長は194.3cm!やっぱデカイ!
エリオがずいぶん小さく見えるけど、
ティモシー・シャラメの身長だって、182㎝もあるんだよ。
エリオは自分の部屋にオリヴァーを案内し、自分はバスルームでつながった隣の小部屋に移ります。
エリオの趣味は編曲。ソニーのウォークマンで、カセットテープの音楽を聴きながら手書きで楽譜を書いています。ピアノやギターも上手に弾ける、ご両親の自慢の息子です。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・魅惑の朝食のテーブル
明るい陽射しの戸外にしつらえた、朝食のテーブルは魅惑的です。
目の前に広がる果樹園ではアプリコットやザクロ、桃、サクランボが実ります。
青いチェックのクロスをかけたテーブルには山盛りのフルーツ、エッグスタントのゆで卵、フルーツジュースの大きなジャー、パン、エスプレッソ、そして家族とオリヴァーです。
豊かさを感じる風景なんだよね~
オリヴァーがエッグスタンドのゆで卵をスプーンで食べるだけで、魅惑的な感じがするんだ!
家の中もとても素敵。
大きな絵画が飾られ、ロココ調の鏡にカメオのような壁飾りも素敵です。
家政婦のマファルダが食事を知らせるのは階段ホールの古い鐘!
この家は母親のアネラが相続した家。
冬の間家族は町で暮らし、クリスマスだけこの家で過ごすようです。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・自転車に乗って町へ行く二人
二人は自転車に乗って町まで行きます。
石畳の道や草原の中を走る二人が美しいこと!
オリヴァーはエリオがユダヤ系なのかと聞きますが、エリオは米国、イタリア、フランスも混ざっていると答えます。
エリオは朝食の席でオリヴァーのペンダントを見て、ユダヤ人であることに気づいています。
のちにエリオもオリヴァーのとおそろいのペンダントを着けるところが可愛いです!
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・郊外の暮らしの楽しさ!
夏の日差しを全身で楽しむかのように、川で泳いで、バレーボール、ガーデンパーティを楽しみます。涼しい水辺で読書をしたり、ギターを爪弾いてみたり。
この地の人々は、羨ましくなるほどに夏を満喫するのです。
誰もが短パンにエスパドリーユ、半そでシャツ。
開放的で若さの輝きにあふれているよ!
オリヴァーは、町のバーではいつの間にか地元の連中と混じってカードに興じています。
気取らず気さくなオリヴァーは誰からも好かれます。オリヴァーは背が高くイケメンなので、ダンスパーティでは女子たちの注目の的です!
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・オリヴァーのことが気になるエリオ
オリヴァーはエリオをマッサージしてくれたり、話しかけてくれたり。
エリオはオリヴァーのことが気になります。夕食の前には鏡の前で丹念にひげを剃っています。
ほんとに美しいんだけど…「オリヴァーにきちんとして見られたい」と思っているのか、男っぽさを消し去ろうとしているのか?
エリオは家族と、大きな樹の下でランプの灯りの夕食です。
オリヴァーはどこに行ったのか?気になるエリオです。
心乱れる夜を過ごすと、そこへ朝帰りのオリヴァーがやって来て、川へ行こうと誘ってくれます!
共同のバスルームに二人の水着がかかっているのが、心ときめく眺めだよ!
庭でギターを弾くエリオ。自分の編曲なのでしょう。
オリヴァーがもう一回弾いてと頼むと、家に入って古いグランドピアノで弾きます。
様々な音楽のスタイルで弾いてみせるエリオですが……オリヴァーへのピュアな憧れが音色に現れています。
オリヴァーはハイデガーの書物から一部を読んで聞かせます。
潜在的隠蔽は自己との関連性においてだけではなく存在としての他者との関係において重要だ
教養高すぎで、何が言いたいのかわかりづらいけど…
君は自分でも認めてはいないんだろう、僕に対する気持ちを?みたいな感じかな?
一貫して格調高い空気を保っていることが、この作品を安心して楽しめる上品なものにしているのかもね。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・湖の彫像
翌日「ガルダ湖から石像の腕が見つかった」という知らせがあり、教授、オリヴァー、エリオたちは遺跡研究のため湖にドライブします。
オリヴァーとエリオは湖から引き揚げられた石像の腕で握手。
ボートに乗って湖上へ移動すると、レキ伯爵から歌手アデライデに贈られたという、プラクシテレスの彫像の腕以外の本体が水の中からゆっくりと引き上げらてきます!
紀元前4世紀の人だよ!わくわくするー
湖でひと泳ぎして家に帰るとすっかり遅くなり、エリオはマルシアとのデートのすっぽかしてしまっていました。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・ヘラクレイトス『断片』
マファルダがエリオとオリヴァーの洗濯物をそれぞれのベッドに置いていきます。
エリオはオリヴァーの短パンを頭からかぶってみたりするのですが、ふと窓から外を見るとオリヴァーがどこかへ出かける所です。
一体どこへ行くのか……外では雨が降り出し、だんだん強くなってきます。
両親の座っているソファーに甘えて寝そべるエリオに、お母さんが本を読んで聞かせてくれます。
ドイツ語版のヘラクレイトス『断片』から、美しい王女を愛する騎士が、親しいために一層告白しづらくなってしまう部分です。
「話すべきか、命を絶つか」お母さんがこの部分を読むと突然部屋が真っ暗に。停電です。
エリオが「そんな勇気はない」とつぶやくと、お父さんは「いつでも私たちに話すといい」と。
なんでもわかっていて、なんでも受け入れてくれるご両親なのです。
エリオはオリヴァーに『断片』の話をすると、オリヴァーはエリオの思いに気づいたようで、いっしょに町に行こう、と誘ってくれます。
町で用事を済ませながら、オリヴァーはエリオの告白にたいして「すべきでない」と拒絶します。
自転車で競走して、小川で水遊びして、子犬のようにじゃれつくエリオを再びオリヴァーは「いけない」と止めますが、草地で日光浴をする頃には、「やめよう」と言うオリヴァーの方も、気持ちを隠せなくなってきます。
ユダヤ教のペンダントをつけるようになったエリオに、母親は「オリヴァーを好きなんでしょ。オリヴァーもエリオを好きよ」と教えます。
いやいや、オープンなお母さんだなあ!びっくりだよ
でも、オリヴァーはフラリとどこかへ行ってしまい、エリオは、オリヴァーが不在の時間、ずっと彼のことを考えてしまいます。
しかしオリヴァーがかまってくれないので、マルシアをデートに誘い、それはそれでうまくいくのですが……
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・君の名前で僕を呼んで
オリヴァーから「真夜中に会おう」というメモを貰ったエリオは、真夜中が待ち遠しくて仕方ありません。
エリオのワクワクする姿が、本当に可愛いんだ!
マルシアと会っていても、お客さんのカップルにピアノを弾いて聴かせていても、気がそぞろなのです。
ようやく真夜中。
お互いの思いを確かめ合った後、オリヴァーはエリオに「君の名前で僕を呼んで、僕の名前で君を呼ぶ」と告げるのです。
汗まみれの身体を拭くのはオリヴァーのシャツです(笑)
エリオは、それが初めて会った日に着ていたものと気づき「出発する日に貰える?」と可愛いおねだりをします。
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『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・幸せな日々
朝を迎えた二人は川に泳ぎに行きます。
朝食後、町に行ったオリヴァーを追って自転車で街を探すエリオ。
エリオのひたむきさがいじらしいよ!
エリオを見つけたオリヴァーの笑顔は今までよりもっと甘く優しいものでした。
オリヴァーはどんどん魅力を増していくようだ!
一足先に帰宅したエリオは、庭先で実るアプリコットをもいで、その果実にすらオリヴァーを想うのです。
翌日から2日、オリヴァーは大学のリサーチのためベルガモへ行き、そこからミラノ経由でアメリカに帰国することに。
エリオの両親が、エリオも一緒に行けるよう取り計らってくれます。
なんて理解のある親なんだろう?
ベルガモへ向かうバスは山道をたどり、人気のない山の中、自分の名前を叫んで相手を呼びあう二人だけの時間が流れます。
宿に着いた後、夕食で外に出たのでしょうか?広場に車を停めてカーステレオの音楽で踊っている人達がいます。
酔っぱらったオリヴァーは妙なダンスを披露し笑わせてくれます(笑)
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・別れの時
最後の夜、安らかに眠るエリオの隣で、初めてオリヴァーは寂しそうな顔を見せるのです。
翌日はクルゾーネ駅からオリヴァーはミラノへ、エリオは家へ。
シャツは自宅を出る前に貰ったので、これでしばしのお別れです。
列車で去るオリヴァーを見送ったエリオは、家へ電話して、ママに車でお迎えに来てもらいます。
ママは車を運転しながら、涙を流す息子を優しくいたわるのでした。
町へ戻ると、偶然マルシアに会います。
突然マルシアを捨てるような行動をとったエリオに対して、怒っていないし、ずっと友だちだから、と握手を求めます。
湖での石像の腕の握手を思い出すね!
エリオのパパはオリヴァーとエリオの「特別な絆」を理解してくれていました。
二人はとても善良だと。「私がついている」と言ってくれます。
「お前たちは美しい友情を得た。
人は早く立ち直ろうと自分の心を削り取り、30歳までにすり減ってしまう。
感情を無視することはあまりに惜しい。
感じた喜びも忘れずに」
エリオのパパは自分が特別な友情を経験するチャンスを逃してしまったと感じているため、息子のために一度しかないこの時間を大切に覚えていられるように、ケアしてくれたのです。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・冬
クリスマスの時期、ユダヤ教ではハヌカを祝います。
雪が降り積もる夏のヴィラにエリオたち家族は来ています。
そこへオリヴァーからの電話。来年の春に結婚する予定なのだそうです。
「エリオ、エリオエリオ」と電話に向かってささやくエリオ。
しばらく置いてから「…オリヴァー」と恋人たちの秘密の呼び名が返ってきました。
電話を切った後、暖炉の前でとめどもなく涙を流すエリオが、ただただいじらしいです。
『君の名前で僕を呼んで』あらすじ・まとめ
映画『君の名前で僕を呼んで』では、純粋に人を愛する気持ち、どうしようもなく恋してしまう気持ちを美しく描きあげています。
突然の失恋に、エリオは暖炉の前で涙を流すだけです。
その長い時間に、観ている人の記憶も蘇って、思いはまばゆい夏の日に飛んでいきます。
なんといっても、理解のある家族でエリオは幸せですね。
泣いているその背景には、食事の支度をしてくれる家族が立ち働いているのですから。
こんな素晴らしい家族に守られて、エリオは美しい心を美しいままに生きていくことができるでしょう。
この映画の続編を作る動きもあるようですね。続きはエリオとマルシアのストーリーになるのでしょうか?
続報が楽しみです。
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