ティモシー・シャラメ主演の映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』はウディ・アレン監督の ”イイネ!” がたっぷり詰まった素敵な映画!
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を彩る音楽、ジャズの名曲の数々を、ティモシー・シャラメの弾き語り曲とともにご紹介します。
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』はこんな映画
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』始まりは『I Got Lucky In The Rain』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』に出てくる曲『The Best Things in Life are Free』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Will You Still Be Mine?』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『I’ve Got A World On A String』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Everything Happens to Me』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Undecided』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』最も印象的な曲は『Misty』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』カーライルのバーのピアノで奏でる『They Say It’s Wonderful』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』隠れた名曲『Night And Day』
- 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』音楽全曲考察!ティモシー・シャラメの弾き語りも!まとめ
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』はこんな映画
ウディ・アレン監督のもと2017年に制作されたこの作品は、ティモシー・シャラメ、エル・ファニング、セリーナ・ゴメスなど豪華キャストが集められ、話題を呼びました。
しかし、アメリカ合衆国では公開中止。
理由は映画プロデューサーによるハラスメント行為を発端に高まったMeToo(ミートゥー)運動によるもので、この映画の主演者も軒並み「ギャラ全額を寄付」という行動に出ています。
大学の構内新聞の取材のため、映画監督に会いに行く女子学生が、主人公の彼女です。
映画監督、脚本家、俳優といった面々が次から次へとアリゾナ出身の女子大生に言い寄って来て、お酒を飲まされた彼女がもう一歩のところまで足を踏み入れてしまうのですから、まあ、ストーリー的にも問題をはらんでいますね(笑)
とはいえ、すばらしい演技も、映画の舞台となったNYの名所の数々も、見どころ満載です。
特に作中で使われたNYにぴったりの名曲をご紹介していきます。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』始まりは『I Got Lucky In The Rain』
映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』のオープニングはビング・クロスビーの歌う『アイ・ガット・ラッキー・イン・ザ・レイン』です。
この映画のストーリーをネタバレするかのように(笑)1時間の暇つぶしのために雨の中をブラついていたら、素敵な恋と出会ってしまったと歌っています。
NYの街並みと同様、古き良き時代の匂いを伝える曲ですね!
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』に出てくる曲『The Best Things in Life are Free』
ギャツビー(ティモシー・シャラメ)とアシュリー(エル・ファニング)が、大学のキャンパスで映画監督への取材のためニューヨークに行くことになります。
この時の音楽は『ザ・ベスト・シングス・イン・ライフ・アー・フリー』。
ウディ・アレン監督が映画『メリンダとメリンダ』でも使用していたこの曲、監督のお気に入りなんでしょうねえ!
散歩をして爽やかな風を感じること、夕日を眺めること、大切な人とともに時間を過ごすこと…
「人生の中で一番素晴らしいものには、お金などかからないもの」というのがこのタイトルの意味なのですが、この映画では「雨の中を歩くこと」も人生の最良の瞬間に含まれそうです(笑)
ジョー・スタッフォードの歌では月や星、春の花やコマドリの歌、輝く太陽そして愛は誰にでも訪れる素晴らしいもの、という歌詞を聴くことができます。
「カーライルに泊まろう、ピアニストが名曲を弾き語りするバーがあるんだ」
NYセレブの育ちの主人公・ギャツビーは彼女にそう言います。
羨ましい!カーライルはセレブ・王室御用達の高級ホテル。
「5歳の時からここに通っている」とは、恐れ入ります。
このカーライルホテルの常連客やスタッフ、ホテルの中の様子、もちろんそのバーの内装や雰囲気まで見せてくれるのが、映画「カーライル ニューヨークが恋したホテル」。
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『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Will You Still Be Mine?』
郊外の大学からNYへ、バスに乗って向かう二人のウキウキする気持ちに軽快なピアノが良く似合います。
演奏はエロール・ガーナーでしょうか。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『I’ve Got A World On A String』
ギャツビーはアシュリーが取材に行っている間、街をブラつくことに。
このときのBGMで、この曲のピアノバージョンが流れます。
「僕は操り人形の糸(string)でこの世界を操っているんだ」という意味のこのタイトル。
恋をしているときは世界を征服したような気分だけど、それは「この恋を失ったら惨めな自分になってしまう」という恐れと裏表なのです。
この曲は、アシュリーがフラフラと糸の切れた凧のようにN.Y.の街をさまよう間、待ちぼうけを食わされて不安な気持ちに悩まされる主人公・ギャツビーの気持ちに寄り添っているんですね。
彼女のアシュリーはブロンド美人だけど、ちょっとオツムが弱そう。
待たされている間に出会うのが、元カノの妹、チャン(セリーナ・ゴメス)です。
友人の映画製作に協力するため、急遽チャンとのキスシーンを撮影することに。
ここで雨が降って来るというのが『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』らしいところです!
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Everything Happens to Me』
アシュリーにすっぽかされて、せっかくのデートプランが台無し。がっかりするギャツビーにはこの曲、『エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー』がぴったり。
ティモシー・シャラメの歌がここで聴けます!
たまたまタクシーに乗り合わせることにしたチャンの家(五番街の豪邸!)に寄り、彼女が着替える間、ピアノを弾いて歌を口ずさむのです♪
【歌詞一部和訳】
デートでゴルフの予定をたてれば雨が降る
パーティを開けば上の階から「うるさい」って苦情が来る
いつもそうさ、ここぞと言うときに風邪をひいたり、電車に乗り遅れたり
必ず何かしら起こるのさ。
歌詞の和訳は映画の字幕で全文が読めますので、お楽しみに!
ラストのギャツビーとチャンのキスシーンからエンドロールまで流れるのも、この曲『Everything Happens to Me』です。
2ビートのアレンジが素敵ですね!
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』使用曲『Undecided』
作曲はトランペット奏者のチャーリー・シェイバース。
1938年の録音の際に、曲名は?と聞かれて「Undecided(まだ決まっていない)」と答えたのがそのままタイトルになったという冗談みたいなタイトルです。
映画のなかで、主人公ギャツビーは自分のアイデンティティを見つけられず、将来についても「まだ決まっていない」し、映画のストーリーの直後も、どうするのかは「まだ決まっていない」んですよね。
挿入する曲まで考え抜かれていることも、ウディ・アレン監督のこだわりなのでしょう。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』最も印象的な曲は『Misty』
ギャツビーは兄の代わりにポーカーのメンバーに入ることに。
本当なら、アシュリーとカーライルのバーで最高の時間を過ごしていたはずなのに、とメランコリックな気分になっているのですが、天才的ギャンブラーでもあるギャツビーはここでも大勝ちしてしまいます(笑)
このシーンで流れるのが、ピアニストのエロール・ガーナーが作曲した曲、『ミスティ』です。
Mistyとは、霧が深い、霞がかかったという意味ですが、歌詞を読んでいくと、これが深いんです。
Misty
Look at me…
【歌詞意訳】
私を見て
登った木から降りられなくなった子猫みたいに無力で
まるで雲にしがみついてるみたいな気分
自分でもわからない
あなたの手を握るだけで 涙がにじんでくるのはなぜか
道を歩けば
何千ものヴァイオリンが妙なる調べを奏でるようだけど
それはあなたがハローと言ってくれただけかも
あなたがそばにいるだけで 頭がぼうっと霞がかかったようになる
あなたは私を誘ってる
それが私の願いでもある
私がどんなに迷子になってるかわかる?
だからあなたについて行くの
私はひとりで
この不思議の国をさまよいつづけるの?
自分の右足と左足、帽子と手袋もわからなくなって
霧に包まれているみたい
あなたを愛しすぎて
そして映画の終盤、セントラルパークの時計の下で、ギャツビーがチャンを待つときの曲も『ミスティ』です。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』カーライルのバーのピアノで奏でる『They Say It’s Wonderful』
たった一人ホテルカーライルのバーで飲むギャツビー。
このベーメルマンス・バーは、ウディ・アレンがクラリネット奏者として出演しているようです(!)
このバーの壁画を描いたのが、絵本『マドレーヌ』シリーズで世界的に有名なルードヴィヒ・ベーメルマンス。
そしてもう一度!このベーメルマンス・バーでティモシー・シャラメはピアノを弾きます。
それがこの曲、『ゼイ・セイ・イッツ・ワンダフル』です。
「皆が素晴らしいと口をそろえて言うもの、それは恋に落ちること」という曲ですが、徐々に元カノの妹、チャンに惹かれているギャツビーの心を暗示しているようですね。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』隠れた名曲『Night And Day』
この曲は演奏されませんが、映画の中に登場します。
それは、一夜が明けた朝、アシュリーの希望でセントラルパークで馬車に乗るシーンです。
「昨夜は消防車の音で眠れなかった」というアシュリーに、ギャツビーが
「行き交う往来の中でも 部屋の静寂の中でも(Roarin’ traffic’s boom, silence of my lonely room)」と返します。
アシュリーは「知ってる!シェイクスピアね」というのですが、ギャツビーは否定も肯定もしません。
これはコール・ポーターの曲「ナイト・アンド・デイ」の歌詞だったんですね。
この記事を書くにあたって、「シェイクスピアだったらどうしよう?」とリサーチしたのですが、海外サイトでもツッコミが入っていたので、間違いないでしょう。
無言で流す、という対応に「終わり」を感じます。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』音楽全曲考察!ティモシー・シャラメの弾き語りも!まとめ
ウディ・アレン監督の映画『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』にでてくる音楽を、曲目を特定してご紹介しました。
単なるBGMではなく、使われている曲の歌詞が映画のストーリーと重なったり、その場面とマッチしているところが面白いですね。
歌詞だけ登場して演奏されない曲も漏らさずご紹介しました。
『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』をさらに楽しむためのヒントになれば幸いです!
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