『ライフ・アクアティック』はウェス・アンダーソン監督の『アンソニーのハッピー・モーテル』『 天才マックスの世界』『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』に続く4作目。
この映画のあらすじ・キャスト・感想をご紹介します。
映画『ライフ・アクアティック』あらすじ
ヒットに恵まれない映画監督スティーブ・ズィスー
映画監督スティーブ・ズィスーの新作映画『ライフ・アクアティック(水中の生活)』がイタリアの映画祭でプレミア上映されます。
チーフ・ダイバーのエステバンがジャガーザメに食われたドキュメンタリーでしたが、評判が良くありません。
スティーブはもう9年もヒット作を出せていないのです。
しかしスティーブはジャガーザメへの復讐を宣言し、10日後に出航することに。
その夜のパーティーで前妻の子、そして自分の子であるネッドに会います。
動揺したスティーブが、電飾に彩られた自分の船の舳先に佇み、一服する”間”がいいんだよねー
タキシードに赤いニットキャップなのもイイね
ネッドは11歳からの自分のファンで、今はケンタッキー航空の副操縦士をしていると言います。
マネージャーのオセアリーが資金繰りのためのスポンサーを探して奔走しているようです。
べラフォンテ号の紹介
このべラフォンテ号が、いかにもウェス監督らしいポップなカワイさに満ちています。
夢のようなこの船の乗組員になって、海の冒険に出かけたくなります!
サウナ、研究室、キッチン、図書室、丸窓から外を覗ける『観察室』!
偵察隊は白イルカです。
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ズィスーの島ペセスパダ島
スティーブ・ズィスーは自分が所有するペセスパダ島にネッドを連れていきます。
この島も、前作2作の映画も、妻エレノアの富豪の両親が出資していることがわかりますが、ライバルであるヘネシーの元妻・エレノアとの夫婦仲は今一つ。
電気クラゲが大量に打ち上げられた夜に、記者のジェーンが取材のために到着します。
いかにもウェス監督らしいこのシーンも美しいよ!
ジェーンとネッドは惹かれあっていきます。
ジェーンの取材にキレるスティーブ・ズィスー
しかしスティーブはジェシーの不躾な取材にキレてしまいます。
とはいっても、背景ではシャチが泳いでいるので、ほのぼのしちゃうぜ(笑)
資金調達に成功・チーム・ズィスー始動
オセアリーから出資がキャンセルになったと連絡がありますが、そこでネッドが自分が受け取った遺産を資金に充てるよう提案してくれます。
残額を融資会社で調達することで、撮影が可能になりましたが、3つの条件を付けられます。
- 全員の薬物検査の結果を提出すること
- 融資会社の監視員を同行させること
- ジャガーザメに遭遇しても、生物を●さないこと
監視員ビル・ユーベルが合流し、ついに撮影が始まります。
おそろいの水色のパンツ、赤いキャップで浜辺ではしゃぐ(ようにしか見えない)彼らがカワイイ!
作品の中の『前作シリーズ』がまるでタンタンの漫画の実写版!
ウェス作品はタンタン・オマージュなのか??
撮影前にネッドが溺れたことから、撮影中止を宣言したエレノアですが、スティーブに聞き入れられず去っていきます。
すでに心が離れていたから?
自分が権限を握る出資者でないのが気に入らない?
スティーブはちょっと辛そうだったね
べラフォンテ号出航1日目
出航したべラフォンテ号は、サメを捜索するため、『仲間の』所有する施設へと向かいます。
船上ではジェーンがスティーブを持ち上げる記事を提案したことで、スティーブは機嫌を直し、ジェーンに好感を示し始めます。
スティーブとネッドは空白を埋めるかのように会話を始めます。
べラフォンテ号出航5日目
たどり着いたヘネシー海中研究所は鍵がかけられていましたが、スティーブはかまわず侵入します。
サメの位置を確認したスティーブはめぼしい機器を持ち出し、自分の船に積み込むのです。
盗んでる?
べラフォンテ号出航6日目
朝6時、ヘネシーの機材が示したポイントに潜水。
墜落した飛行機のブラックボックスを発見します。
スティーブがジェーンに気があることに気づきながら、ネッドとジェーンは距離を縮めていきます。
べラフォンテ号出航9日目
べラフォンテ号は警備水域外を航行中。
ペレがDavid BowieのSpace Oddityを歌う中、海賊に襲われてしまいます。
それというのも見張り当番のネッドがジェーンの部屋へ忍んでいたため…
映画の製作費が入った金庫は奪われ、ネッドとビルが人質に取られ、さらに乗組員は全員目隠しをされて手首を縛られ、膝まづいています。
その時!手首の縄を緩めて外したスティーブが反撃に転じます!
海賊を海に放り投げ、拳銃を手に一人また一人と海賊を倒すスティーブ!すごいぞスティーブ!
しかし海賊の●体が船に残され、ネッドは頭に負傷してしまいました。
べラフォンテ号出航14日目・反乱
海賊の水葬を始めたとき、救難信号を受信した船がやってきます。
よりによってヘネシーの船です!
ヘネシーは高額な救助費を請求してきたうえ、エレノアとの復縁を匂わせ、スティーブをムカつかせます。
アン=マリーと実習生たちはスティーブのせいで危険な目にあったと、船を離れることに。
記者のジェーンも船を下ります。
べラフォンテ号出航20日目・ポート・オ・パトワへ曳航されて
エレノアに会いに来たスティーブはお金を工面してほしいと頼みます。
エレノアは豪邸で蘭の花に囲まれ、エキゾティックな若者を出入りさせているよう。
さすがアンジェリカ・ヒューストン!
ウェス映画の常連だけあって、こういう場面は彼女なしには成立しないよ!
それを言うならジェーン役のケイト・ブランシェットもね。
船に戻り、ジェーンがネッドと一緒にいるのを見て、スティーブは怒りネッドと喧嘩になります。
その時船にやってきたのがエレノアです。
べラフォンテ号出航21日目
エレノアは、誘拐された監視員ビルからの留守電メッセージを持ってきたのです。
居場所をピン諸島ではないかと分析した彼女をチームのブレインに据えなおし、全速力で救出に向かいます。
べラフォンテ号出航27日目
島の近くでヘネシーの船が壊されているの見つけたスティーブ。
映画の撮影も進めつつ、ビルの救出のため『ホテル・シトロエン』の廃墟に乗りこむチーム・ズィスー。
あきらめかけたところで、ビルを発見!
そしてヘネシーが海賊一味とポーカーをしているところを押さえたのです。
その場で銃撃戦が始まり、ダイナマイトを投げ込んで逃げ出すチーム・ズィスー。
撃たれたヘネシーも助け出しています。
エレノアが迎えに来て、全員無事にべラフォンテ号に戻ることができました…犬を除いて。
喧嘩ばかりしていたクラウスとネッドでしたが、ネッドがデザインした船の旗にクラウスのイニシャルも入れてくれたことでお互いに感謝を示し和解することができました。
正午 ジャガーザメ
海賊から取り戻した金庫が空なのを見て意気消沈するスティーブに、ネッドが上空からのジャガーザメ探しを提案します。
二人は船に搭載した小型機で上空へ。ところが機体が故障し、二人は海中へ投げ出されてしまうのです!
この事故でネッドは命を落としてしまいます。
スティーブはヘネシーと許しあい、ジェシーとも認め合うことができますが、そこへジャガーザメの情報が!
皆でジャガーザメを見に潜水艇で「ドライブに」でかけます。
このチャチでポップな模型がいいんだ!
ついに姿を見せたジャガーザメはヒョウ柄の巨大なサメでした!!
エレノアは「美しいわ」と呟き、スティーブは「私を覚えてるかな」と涙をこらえます。
みんながそっとスティーブの方に触れ、悲しみを癒そうとしているようです。
完成した映画のお披露目
観客の大きな拍手や多くの取材陣に囲まれても、スティーブの表情は冴えません。
しかし、少年を肩車してレッドカーペットを退場すると、一人また一人とチーム・ズィスーのメンバーが現れます。
ラストシーンで突然、あのへんてこりんな水色のユニフォームとオレンジ色の帽子は海と空と夕日の色だったのかと気づき、訳もなく感動してしまいます。
映画『ライフ・アクアティック』キャスト
役名 | 画像 | キャスト |
スティーヴ・ズィスー (映画監督) |
ビル・マーレイ | |
エレノア・ズィスー (ズィスー監督の妻) |
アンジェリカ・ヒューストン | |
ネッド・プリンプトン (前妻の子) |
オーウェン・ウィルソン | |
ジェーン・ウィンスレット=リチャードソン (雑誌記者) |
ケイト・ブランシェット | |
オセアリー・ドラクリアス (マネージャー) |
マイケル・ガンボン | |
アリステア・ヘネシー (ライバルの船長) |
ジェフ・ゴールドブラム | |
エステバン・デュ・プランティエ(チーフ・ダイバー) | シーモア・カッセル | |
クラウス・ダイムラー(技師) | ウィレム・デフォー | |
ヴィクラム・レイ (撮影担当) |
ワリス・アルワリア | |
ボビー・オガタ(潜水員) | ニールズ・コイズミ | |
レンゾ・ピエトロ (編集・音響担当) |
パヴェウ・ヴドフチャク | |
ウラジミール・ウォロダルスキー (物理学者・作曲担当) |
ノア・テイラー | |
アン=マリー・サコヴィッツ (記録係) | ロビン・コーエン | |
ペレ・ドス・サントス (保安担当)ギターと歌! |
セウ・ジョルジ | |
ビル・ユーベル (融資会社の監視員) |
バッド・コート | |
インターン1号/ニコ | マシュー・グレイ・ギュブラー |
ウェス・アンダーソン監督の常連さんがたくさん!
その中でもこの作品ではビル・マーレイとオーウェン・ウィルソン、ウィレム・デフォーとアンジェリカ・ヒューストン、ケイト・ブランシェットの存在感が大きかったです。
また、全編を通してアコースティックギターを抱えて歌うセウ・ジョルジは、ギターと歌のアーティストとして活動する俳優さん。ギター1本と声で完結するシンプルな音楽の良さを感じさせてくれました。
映画『ライフ・アクアティック』について
ウェス・アンダーソン監督が、海洋学者のジャック=イヴ・クストーに子供の頃から憧れていた為に、彼へのオマージュとして製作された映画です。
ウェス・アンダーソンは「この作品は僕が14年も温めてきた作品。ビルを海洋学者に据えて映画を撮ると決めていた」と語っています。(DVD特典映像より)
海の世界の美しさ、不思議さと怖さ。
人々が織りなす人間模様の機微をとぼけたユーモアを交えて暖かく描いたこの作品、一度見たら、きっとお気に入りの一つになってしまうのでは。
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