映画『閃光のハサウェイ』のストーリーの続きは、いったいどうなっていくのでしょう?
小説『機動戦士ガンダム・閃光のハサウェイ』(下)よりあらすじをご紹介します。
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/マフティーの電波ジャック
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/アデレートの防衛
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/クェスの悪夢とギギ
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/出撃の朝
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/アデレード攻撃
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/XIガンダムの猛攻撃
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/ブライト・ノアの到着
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/捕虜の解放
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/再度のアデレート攻撃
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/罠にかかったXIガンダム
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/吹き荒れる嵐
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/その日の前に
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/処刑
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/その後
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/伝説
- 『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/まとめ
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/マフティーの電波ジャック
オーストラリア・アデレートは植民地時代のイギリス風の街並みとスマートなビルの対比が美しい場所です。
連邦政府の貸し切りのようになったこの街をケネス・スレッグ大佐のキルケー部隊が中心になって警備しています。
ケネスは准将に昇格しています。
ケネスはギギがマフティーに拉致されたという報告を聞き、勝利の女神を失ったような気分になりました。
しかしケネスは、ブライト・ノア率いる第十三独立艦隊の増援を知り、これでマフティーを掃討できる、とにんまりするのでした。
その日の午後、マフティーによる電波ジャックがあり、多くの人がその映像を見ました。
「自分がマフティー・ナビーユ・エリンです。これまでも地球に降りて来た連邦政府の閣僚たちを粛正してきましたが、明日から、ここアデレートでさらに地球を汚染する法案を成立させようとしています」
ケネス・スレッグ准将には、このマフティーを名乗る男がハサウェイ・ノアだとわかってしまいました。
そしてケネスは電波の発信場所の逆探知と、閣議のスケジュールの裏をとる作業を命じます。
スケジュールはマフティーがいったとおりであり、それは誰かがマフティーに情報を売っていることを意味しています。
「特権階級の数万の人々が地球にもどったら、まだまだ汚染されたままの地球は救い難い状況になるでしょう。
それが、ここアデレートで行われる会議の真相なのです。
関係者以外は2時間以内にアデレートから退避してください、」と宣言しました。
中央議会の議長から、ケネスに直々にアデレートの防衛体制の説明をせよと、呼び出しの電話がかかってきました。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/アデレートの防衛
議会に呼び出されたケネスは、予想される攻撃への対応、バリアー設営の進捗等を聞かれ、ケネスは早々に「任務のために退席する」と宣言して逃れ出てきました。
そこへ、正体不明のモビルスーツの爆発らしきものの報告が入ってきました。
出口で待ち受けていた法務省の役人に根掘り葉掘り聞かれ、「君たち官僚のトップの中に、マフティーの黒幕クワック・サルヴァーがいるから探し出せ」と言えば「バリアーって何です?」と切り返され、ケネスはほとほと連法政府の閣僚たちが嫌になってしまいました。
ハサウェイがいったいどう考えて動いてくるか?それを考えていると若返った気分になってきたケネスなのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/クェスの悪夢とギギ
ハサウェイはクェス・パラヤの悪夢にうなされています。
夢から覚めると自分の手首にギギ・アンダルシアの手が絡みついています。
ギギは寝袋から出ると、テントの中で精神安定剤と水を探して与えてくれます。
ギギは、マフティーを演じることが、若いハサウェイには重荷なのではないか、とも、理屈はどうあれテロには感心しない、とも思っています。
お互いに好意を持っていても、この二人はうまくはいかないようです。
ギギは透徹した思考でハサウェイを批判するし、ハサウェイはそんなギギに、ギギと自分に、いら立ってしまうのです。
「ギギ、朝になったら僕の前から消えろ」とハサウェイは言いました。
ちょっと待った-!ハサウェイ、おまえがギギちゃんを捕虜にしたんだぞ?忘れたのか?
確かにギギの言うことは気に障るんだよ
ギギは本当にテントを出て、歩哨をしていたチャング・ヘイによって、レイモンドのところに送られました。
レイモンドはなぜか、エメラルダと一緒にいましたが、今のギギにはその事に気づく余裕はありませんでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/出撃の朝
午前7時、フリーウェイ沿いの公衆電話ボックスで、呼び出し音が4回鳴って切れました。
それを聞いていた青年は、ガソリン・エンジンのバイクに乗って、波打ち際に降りていきます。
「コールは4回!」と叫ぶ青年に、数人の男女が飛び出してきて口々に叫びます。
「クワック・サルヴァーが閣僚会議は定刻通り、と言ってきたぞ」
「マフティー、予定通りの総攻撃だ!」
青年は、ハサウェイです。
マフティーのメンバーは朝食をとり、ハサウェイの計画を聞きます。
攻撃目標はフェスティバルセンター。
会議の開催から30分以内に攻撃する。
たった一つの不安要素は「バリアー」である。
そして、離れた部隊にも電話をかけ、全員同時に「時間合わせ」を行います。
キンバレー・ヘイマン大佐、ギギ・アンダルシア他計4名の捕虜はレイモンドの1ギャルセゾンに乗せられました。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/アデレード攻撃
アデレートへ向かうのはメッサーを2機ずつ積んだギャルセゾン6機。
それにXI(クスィー)ガンダム。
距離は約400㎞、30分ほどで到着の予定です。
ハサウェイはガウマンと回線をつなげて友人らしい話をすることができ、心が落ち着くのを感じられました。
思い返せば、電波ジャックも、自信過剰だったのではないか?あの時のギギの反応は冷たすぎなかったか?と迷うことばかりでした。
信頼できる仲間に囲まれていることをようやく再確認でき、XIガンダムは音速を超えて飛び始めます!
アデレートでは、中央議会が始まって10分。
バリアーの設置は終わっていません。
アデレートの四方にミノフスキー粒子が散布されたと報告があり、直後にXIガンダムが攻撃してきました!
ビルのガラスが割れ、大型ディスプレイが消え、倉庫群は直撃で燃え上がります!!
ケネスは自分の失敗を悟りつつ、廊下を駆け抜けていくのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/XIガンダムの猛攻撃
レーン・エイムは攻撃を受けて1分と経たずにペーネロペーに乗り込みましたが、運悪く、武器庫の爆発に煽られ、機体が倒れてしまっていました。
レーン・エイムは電波ジャックのマフティーに反感を持っていました。
(軍のような組織での苦労を知らない民間人が、偉そうに。)
しかし、レーンは、先刻見かけたXIガンダムの動きが、ビーム・バリアーを使って音速を超えているように見えたのが気にかかります。
こちらではまだ完璧でないものを完成させている。
まさか、ギギが敵の手に渡ったから、運がなくなったのか?
その時、敵のモビルスーツがフェスティバルセンターを爆撃し始めるのが見えました。
レーンはそれに気づき、他のグスタフ・カールに伝えようとしても、ミノフスキー粒子が邪魔をして、レーンの声は仲間には届きません。
続いてマフティーの第2波。
そして再び現れたXIガンダムは、ミサイルを使いきったペーネロペーに惑わされずに、僚機を救うために地味にグスタフ・カールを攻撃しています。
それを見ているレーンは悔しさに震えるのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/ブライト・ノアの到着
ケネス准将はレーン・エイムを「殊勝になった」と褒めてくれました。
刑事警察機構長官のハンドリー・ヨクサンがやってきて、怪我の手当てを受けています。
ケネスはハンドリー・ヨクサンに、さんざん嫌味を言われます。
そのころ、第十三独立艦隊のラー・カイラムほか3隻の艦艇が地球突入のコースに入っていました。
ブライト・ノアは、ラー・カイラムのブリッジでハサウェイのことを、
「ま、風邪よりは女の心配でもした方がいいのかな?」などと考えているのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/捕虜の解放
ハサウェイたちはアデレートから50㎞ほどのところに集結していました。
被害はギャルセゾン2機とメッサー6機。エメラルダのメッサーも含まれています。
ハサウェイは、協力してくれたファビオたちがトレーラーで脱出できるよう、もう一度アデレートを叩かなければなりません。
そのまえにここで、捕虜を解放することにします。キンバレー・ヘイマンたちとギギです。
仲間の死を悼むのはここから生きて帰ってから。
ハサウェイたちは最後の攻撃に向かいます。
一方ギギは、後ろ手に手錠をかけられた軍人たちに泣きつかれています。
「手錠の鍵を持っているんだろう?」
ギギがレイモンドから預かった革袋を開けてみると、やはりそこには5本の鍵が入っていました。
でもギギは、「連中を助けてやれば得することもあるんじゃないか」と言われたのが気に入らないのです。
「鍵はここよ」と林の中に鍵束を投げ入れ、自分一人でアデレートに向かうつもりでいるのです。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/再度のアデレート攻撃
刑事警察機構調査局のゲイス・ヒューゲスト部長がハンドリー・ヨクサン長官を迎えに来ました。
ケネスはそれを見送り、司令センターに行くと、統合本部のメジナウム・グッゲンハイム大将と、リチャード・クレッシェンド大将がそこにいました。
防衛戦の実戦を観戦するつもりのようです。
モニターにはちょうどレーン・エイムが入ってきました。
レーンは状況説明を聞いて「一度ぐらい、ガンダムとはちゃんとやり合ってみたい」といい、ケネスはレーンの成長を感じます。
ケネスの作戦は、アデレードの防衛でわざと隙を見せて、おびき寄せたガンダムをペーネロペーと出力を2倍にあげたバリアーで叩く、というものです。
飛び立って行ったレーンのペーネロペーの近くに、さっそくガンダムがあらわれました!
連邦軍のグスタフ・カールが次々とマフティー軍に撃墜されています!
戦況はほんの一手で逆転する。
そのことを知り抜いているケネス・スレッグ准将は司令センターで声を張り上げ続けるのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/罠にかかったXIガンダム
トレーラーが現地を離脱する時間を稼ぐーーそれだけのはずだったアデレート再攻撃は、集合時間の遅延によって、より深い攻撃を成功させなければならなくなりました。
ハサウェイのXIガンダムは首尾よく3機のグスタフ・カールを撃墜しました。
そこで出てきたのがレーン・エイムのペーネロペーです。
XIガンダムと互角の動きを見せて白兵戦を演じます!
ガンダムがペーネロペーの装甲を焼いたと思うと、メッサーがケッサリアの攻撃を受けて撃墜されてしまいます!
核融合炉が爆発して、海が沸騰します。
僚機をやられたフェンサー機は、ミサイルを叩きこんでから帰投しようとして、グスタフ・カールの餌食になってしまいました!
市街地のビルの根元で起こった核融合エンジンの爆発は、アデレートの町の半分を焼き尽くすものでした。
ケッサリアに報復の攻撃をしたゴルフ機もまた、攻撃を受けて、市街地での二度目の核融合炉の爆発を起こしてしまいます。
司令センターのケネスは場所もわきまえぬ味方の攻撃に怒り狂いますが、XIガンダムの所在をとらえると、ようやくバリアーの発動を命じます。
ペーネロペーを追い詰めつつあったXIガンダムでしたが、ついに地上のビーム・バリアーがガンダムの機体を包み、ハサウェイは意識を失ってしまいます!!
コックピットを確認に来たレーン・エイムは見知った顔をそこに発見し、暗澹とした気持ちになりました。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/吹き荒れる嵐
ハサウェイは連邦軍の病院のベッドで気がつきました。
意識がもうろうとしたままでケネスとギギの声を聞いてまた眠りに落ちていったり、を何度も繰り返し、ようやく覚醒した時にはケネス准将が目の前にいました。
XIガンダムのやられた時と今の様子を聞き、ギギを含む捕虜の話を聞きました。
部屋から出て来たケネスは憂欝な気持ちです。
マフティーは明日朝、軍事裁判もなしに、さっそく処刑されるのです。
マフティーの正体を知らないブライトとの会話も苦痛でしたし、連邦政府の姑息なやり方も不快きわまるものでした。
ケネスは退役を申し出ましたが、後任のブライト・ノア大佐に引き継ぐ前に、マフティーの処刑を行わなければなりません。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/その日の前に
ケネスはメジナウム・グッゲンハイム大将に、マフティーの正体と、彼がブライト・ノアの息子であることを伝えます。
ケネスとギギには、連法政府発行の地球居住許可証が発行されました。
ブライト・ノア大佐は、自分は退官届を出しているのに、アデレートに着任しなければならないのか、確認しています。
クレッシェンド大将は3ヶ月のだけのことだからとブライトを納得させ、やむなく引き受けたブライトは、収容されたXIガンダムの機体を見に行きます。
歴代のガンダムは、連邦軍にいても、いつも反骨の精神をもった者が乗っていたな。
反骨精神はガンダムがなくなったあとでも、健在だったものだ。『機動戦士ガンダム・閃光のハサウェイ(下)』ブライト・ノア
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/処刑
ハサウェイは病院のベッドで翌朝の処刑を知らされました。
ハサウェイにとっては覚悟していた事なので、動揺はありませんでした。
むしろ、こうなることを意識して、ケリアにも、ギギにも、冷たい態度をとっていたと思い至りました。
看護婦長が、遺書を書くためのワープロや、何か必要なものを用意してくれるというので、黄色いリンゴを頼みました。
夕食後には看護婦長に頼んで立つ練習をしてみました。
ハサウェイの全身が痛みます。
林檎を一口食べさせてもらい、一人になったハサウェイは
夢だったな……夢を見ていたみたいだ……ずっと……
『機動戦士ガンダム・閃光のハサウェイ(下)』ハサウェイ・ノア
そう感じるのでした。
ギギは翌朝、早い時間に、処刑が行われるはずの屋敷の近くに行ってみます。
そこで目にしたのは、ハサウェイと生き写しの、ブライト・ノアの姿です。
責任感の強いブライトは、この場所に足を運ぶことが必要と考えたのです。
混乱したギギは、そこへやってきたケネスに追い返され、泣きながら走り去ります。
庭に立てられた柱に縛られたハサウェイは、痛みと戦いながら牧師への懺悔を済ませます。
次に、黒い目隠しを手にしたケネスが現れ、耳元で
「ハサ、好きだぜ。いつまでも友達だと思っている。忘れないぜ」といいます。
苦痛に絶叫しそうなハサウェイを知ってか、ケネスは早急に合図をするのでした。
その銃声は、ギギの耳には届きませんでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/その後
ハサウェイの柩の蓋が閉められたことを確認して、ケネスはブライト・ノアを待たせていた屋敷に入っていきました。
何も知らないブライトに、マフティーの最期はどうだったかと聞かれ、ケネスは「潔い。堂々としていました」と答えます。
そして、その場にいる執行官たちに、遺体は軍の墓地に手厚く埋葬するよう、また、ブライトからもそれを確認するよう申し送ります。
簡単な申し送りを済ませて、ケネスはアデレートのキルケー部隊に挨拶に行き、レーン・エイムに全員から、とプレゼントを贈られます。
その後はギギと共にダバオへ。
ホテルの部屋で一人になったケネスは、ようやく、声を上げて泣き出しました。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/伝説
翌朝、ダバオのホテルの部屋のドアを叩く音でケネスは目覚めました。
ギギが持ってきた新聞には「マフティー処刑さる。正体は地球連邦軍士官の息子」「父親ブライト・ノア大佐の手でマフティーは処刑された」と書いてあります。
グッゲンハイム大将の汚いやり方に、ケネスは一刻も早く、ダバオから一番遠い場所に飛ぶ便を予約します。
飛行機の行き先はニッポンのキュウシュウ。
ギギはケネスに、ニッポンはハサウェイの母親の出身地だから、友だちの国に行けるのは嬉しい。と言います。
ケネスは次のマフティー、シャアヤアムロが活躍するような組織を作ろうか、と言ってみます。
その前に、メイス・フラゥワーに若い女に騙されてごめん、と詫びを入れて。
ギギは、マフティー・ナビーユ・エリンという名は伝説として、ずっと語り継がれていくのだろうと、想像してみるのでした。
『閃光のハサウェイ』(下)あらすじ/まとめ
長いストーリーでした。
迫力あふれるモビルスーツ戦を映画で楽しみ、その背後のストーリーもなんとなくわかる気分になっていました。
しかし、原作の三部作には、格差社会の腐敗、人間の身勝手な環境破壊、組織の中の立身出世のために恥を忘れる人間たちの姿も描かれ、ふと、これは架空の物語ではないことに気づきます。
人間のエゴと欲望の行きつく果てを示しているのではないでしょうか。
そんな中で散っていくテロリストたちの命のきらめきが、美化されるだけでなく緻密に描かれていきます。
名前も開かせず、遺言もかけずに死んでいくハサウェイが最後に望んだものは、一つの黄色い林檎であったように。
野心家だったケネスがギギと落ちのびていく先が、偶然に九州であったように。
人間にとって、自分にとって、本当に必要なものは何なのか。
多くのことを考えさせられるスペースオペラでした!
『閃光のハサウェイ』 上巻あらすじ 原作小説は堂々の3部作!
『閃光のハサウェイ』 中巻あらすじ 2部のタイトルはサン・オブ・ブライト!
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