『キングダム』に出て来る武将たちの礼。
かっこいいけど、何か決まりはあるの?
特定の意味があったりするの?
中国の礼、『抱拳礼(ほうけんれい)』について調べてみました。
『キングダム』の抱拳礼、右手と左手で意味が違う!
左の拳を右手で包む:目上の人が下の者に行う礼
秦の大王、政はつねに左の拳を右手で包んでいます。
蛇甘平原で歩兵隊に檄を飛ばす壁。
千人将が部下に示す礼なので、左の拳を右手で包んでいます。
右の拳を左の掌で包む:目上の人に対する礼
王騎将軍であっても、相手が大王なら右の拳を包みます。
武器を持つ手、右手(武)を左手(文)で封じるという説があります。これは覚えやすい。
『キングダム』立って行う礼の型
相手に敬意を表す中国の「拱手」には、いくつかの型があります。
長揖 | 長揖(ちょうゆう)は、立場の低い人が高貴な人に向けて行う礼であり、拝礼に次いで丁寧な礼である。敬礼するときは直立し、手のひらを内側に向けて両手で拳を握り、額の高さまで掲げ、90度以上、地面に到達するまでお辞儀をする。 |
天揖 | 天揖は上揖ともいう。冠婚葬祭などの際に、新郎新婦や喪主や祭主が、長老などに向けて行う礼である。敬礼するときは直立し、手のひらを内側に向けて両手で拳を握り、約60度のお辞儀をする。お辞儀をするときに手を額より少し高く上げ、身体を起こすときに自然に手を下ろしたり、手を袖に隠した状態にする。 |
時揖 | 時揖(じゆう)は中揖(ちゅうゆう)ともいい、同輩が日常的に顔を合わせたり別れる際に用いる礼である。お辞儀をするときは直立し、両手は拳にして手のひらを下に向け、胸の位置から前に向けて水平に押し出し、約30度のお辞儀をする。身体を起こすときに自然に手を下ろしたり、手を袖に隠した状態にする。 |
土揖 | 土揖または下揖と称し、目上の者が目下の者に対し返礼する際に使用する。これを行う際には直立し、手のひらを内側に向けた状態で両手で拳を抱え、30度程度のお辞儀をし、手のひらを少し下げ、身体を起こす際には自然に手を垂らしたり、手を袖に隠した状態にする。 |
文武拳 | 中国武術に関する場合や、武人が試合前に行う拱手は、礼をする際に左足を一歩前に出し、右足は踵だけを床につける。外側になる手指は親指以外まっすぐに伸ばし、親指は少し曲げておく。これは「文」を表す。内側の手は握ってこぶしとし、これは「武」を表す。まっすぐ伸びた外側の手のひらを、握っている内側の拳の表面に密着させる。手のひらを外側に押し出し、その後自然に両手を下す。 |
拱手(きょうしゅ)wikipediaより
それぞれ丁寧さの段階が違うようですね。
お辞儀の深さで判断できそうですが、掌の向きまで意味ありげで、興味深いです。
『キングダム』に登場する様々な『礼』
『キングダム』には『抱拳礼』のほかにも様々な『礼』が出てきます。
『キングダム』に出て来る礼:叩頭(こうとう)
王宮に連れていかれた漂が大王・政と初めて対面する場面。
頭を地面につくまで下げています。
『キングダム』に出て来る礼:ひざまずく礼
昌文君と配下が大王に対して見せた礼。
右手を包み、腕を頭の高さにあげています。
『キングダム』に出て来る礼:カッコイイ礼
王宮刺客事件ののち、呂氏陣営が大王に謁見に来た時の礼。
むしろカッコよさ重視と見ましたがどうなんでしょう。
『キングダム』に出て来る礼:手を袖の中に隠す
山陽戦が終わり、論功行賞の場。
銅鑼が鳴らされ、「皆の者拝礼!」と声がかかり、大王が登場します。
呂不韋らは袖口の中に手を隠しています。
おや?右手が見えている人がいますが…
そういえば蒙驁将軍は、廉頗との戦いで左手を失ってしまっているのでしたね。
大王の伽をつとめる向も、両手を衣の袖の中に隠していました。
萌え袖か?と思っていましたが、どうやら礼節の意味だったんですねー
『キングダム』こぶしを握る礼の意味は?『抱拳礼(ほうけんれい)』早わかり
中国のさまざまな礼について調べてみましたが、思ったより奥深いです。
このあと『キングダム』で「礼」のシーンを見つけるのが楽しみになってきました!
「女性は逆」「弔時は逆」との記載もたびたび見られます。
今回は割愛しましたが、今後このようなシーンを発見次第、記事内容を見直していきます。
『キングダム』はやっぱり面白いですね!
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