『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の第2話で、『仮面のCEO』の名前がレディ・プロスペラであることがわかりました。
そのため「元ネタはシェイクスピアの『テンペスト』!」とネットで話題になっています。
『テンペスト』のあらすじをご紹介するとともに、『水星の魔女』と『テンペスト』それぞれの登場人物を比べてみましょう。
『機動戦士ガンダム水星の魔女』元ネタはウィリアム・シェイクスピアの『テンペスト』と言われ始めた理由
『水星の魔女』第2話の放送で、登場していた仮面の女性(水星のシン・セー開発公社CEO)の名前が『プロスペラ』であることが明かされました。
ウィリアム・シェイクスピアが1611年に書いた戯曲『テンペスト(嵐)』の主人公がプロスペロウ、妖精の名前がエアリアルであること、またテンペストはプロスペロウの復讐の物語であることから、元ネタであることが確実視されるようになりました。
プロスペラ=スレッタの母であることが暗示されていることと、原作小説『ゆりかごの星』でスレッタの母は復讐を企てていることが明らかになっているからです。
トーマス・フランシス・ディックシー(イギリス、1819〜1895)『ミランダ』(1895年)
ミランダはシェイクスピアの喜劇『テンペスト(あらし)』に登場するヒロイン。父プロスペローと共に絶海の孤島へと流されるが、最後にはナポリの王子と結ばれる。風に舞うヴェールが印象的な一作。 pic.twitter.com/vX5RXr5HBM— 耽美なる絵画とモノ (@Estetism_jp) October 10, 2022
『機動戦士ガンダム水星の魔女』元ネタ:シェイクスピアの『テンペスト』とは?
『テンペスト(嵐)』はウィリアム・シェイクスピアが1611年に上演し1623年に出版した戯曲です。
日本でも映画や戯曲で親しまれている作品です。
2010年、アメリカで映画化された時に主人公が『プロスペラ』という名前の女性に置き換えられました。
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』元ネタ:シェイクスピアの『テンペスト』あらすじ
ミラノの公爵だったプロスペロウのたった一人の跡継ぎはミランダという娘でした。
ミランダが3歳になる前のこと。
実務より研究を好むプロスペロウを疎ましく思った弟アントニオは、ナポリ王の力を借りてプロスペロウとミランダを小舟に乗せて海に流してしまいました。
ところが、親切なゴンザーロウという貴族が小舟に水や食料や大切な本を積み込み、無事に逃がしてくれたのです。
プロスペロウとミランダが流れ着いたとある小島。
この島にかけられた魔女シコラックスの呪いを、プロスペロウは魔術の知識で解き、善良な精霊たちを解放しました。
その中に陽気な小妖精エアリアルがいたのです。
プロスペロウはエアリアルの力を使って嵐を起こし、ナポリ王と弟アントニオをこの島に呼び寄せます。
島に流されてから12年後のことでした。
エアリアルはナポリ王の息子ファーディアンドをプロスペロウとミランダの前に連れてきます。
ファーディナンドとミランダは一目で恋に落ち、プロスペロウの試練を乗り越えます。
一方、エアリアルに見せられた不思議な光景から、ナポリ王と弟アントニオは12年前の出来事を心から悔やむようになりました。
再会したプロスペロウ、ナポリ王、アントニオ、そして12年前にプロスペロウを助けてくれたゴンザーロウは、はお互い心から許し合い、ファーディナンドが美しいミランダを妃として迎えることを喜び合います。
プロスペロウはエアリアルを自由にし、魔法の杖や書物も地中深く埋め、皆でナポリに帰って行くのでした。
復讐の話なのにえらくハッピーなんだね!
ハッピーエンドだからこそ、終わりが来るんじゃないかな?
傷つけあっても誰も満足することはないんだから
『水星の魔女』もみんなで幸せになる方法を考えて欲しいねー
『機動戦士ガンダム 水星の魔女』元ネタ:シェイクスピアの『テンペスト』との一致
- 主人公が攻撃を受け、島流しになってから復讐を始めるのが12年後であること。
- 『魔法』を使う主人公が『プロスペロウ/プロスペラ』という名前であること。
- 『プロスペロウ/プロスペラ』が操る精霊が『エアリアル』であること。
- 『プロスペロウ/プロスペラ』の娘は敵の息子と結婚して幸せになること。
- 『プロスペロウ/プロスペラ』とミランダを無事に逃がしてくれた、ゴンザーロウという味方がいたこと。
敵の息子と結婚して幸せにって、誰?
…ミオリネじゃないかな?
イケメンのエラン・ケレスじゃないんだ?
ヴァナディース機関を攻撃したり、『魔女狩り』をやったのはデリング・レンブランだろ?
景品…ねぇー
ゴンザーロウって、『水星の魔女』にも出て来るのかな?
事前に名前だけ発表されて画像が出ていなかったこの人じゃない?
ラジャン・ザヒ。
デリングの有能な部下、だから。
ラジャン・ザヒが実はエルノラとエリーを水星に逃がしたっていう展開が出てきたら面白いな!!
デリングの部下の中にもエルノラたちの味方がいたってこと?
プロローグから見直さなきゃ!!
『テンペスト』名言集
「この大地にあるものはすべて、消え去るのだ。そして、今の実体のない見世物が消えたように、あとには雲ひとつ残らない。私たちは、夢を織り成す糸のようなものだ。そのささやかな人生は、眠りによって締めくくられる」
『テンペスト』(シェイクスピア)より
プロスペロウのこの言葉には、「すべて消え去る運命」という諦めが感じられ、それが『ハムレット』と共通していると言われています。
「だが、この荒々しい魔法の力を私は今日限り捨てよう」
『テンペスト』(シェイクスピア)より
これも主人公プロスペロウの言葉です。
しかしこれは、ハッピーエンドを迎えたためにもう魔法が必要なくなったことを示しています。
『水星の魔女』でも「魔法の力」が封印されるというエンディングが待っているのでしょうか?
それはハッピーエンドなのか、悲劇的な最期なのか?
「まあ、不思議!ここにはなんて多くのすてきな人たちがいることでしょう!人間ってなんて美しいのでしょう!ああ、すばらしき新世界、こんなに人がいるなんて」
『テンペスト』(シェイクスピア)より
プロスペロウの娘ミランダの言葉です。
水星から初めてアスティカシア高等専門学園に編入してきたスレッタの言葉のようではないでしょうか?
ずいぶん意地悪な同級生もいるようだけどな!
トマトを食べてウルウルしてたスレッタ可愛かったなー
『ガンダム水星の魔女』元ネタ『テンペスト』ネタバレあらすじ・まとめ
『機動戦士ガンダム水星の魔女』の登場人物や世界観に、こんな由緒正しい元ネタがあると知ると、奥行きが増すように感じられますね。
この流れを踏襲していくならば、兵器としてのモビルスーツは必要なくなり、解放されていく、とか、武器を使った戦争があったことさえいつかは忘れられていく、というハッピーエンドに行くような気もしますが、人が作った兵器によって破壊が繰り返され荒廃した大地が広がる、という光景も浮かんでしまいます。
プロスペラやエアリアルたちの今後の活躍がますます楽しみです!
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