『機動戦士ガンダム水星の魔女』のオープニングテーマ、 『祝福』(YOASOBI)原作小説が発表されました。
原作小説『ゆりかごの星』は『水星の魔女』プロローグと本編をつなぐ重要なストーリーです。
ここでは簡単なあらすじと、今後予想される本編の展開を考察します。
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|「僕の名前はエアリアル」
「ペビ・コロンボ23」は資源採掘を目的とする水星軌道基地。
プロローグでヴァナディース機関が襲われ、ガンダム・ルブリスに搭乗して避難した、エリーと母エリクト・サマヤはここまで逃げ伸びて来たようです。
水星は地球より太陽に近いため、太陽光の熱と太陽風、太陽フレアの影響など、非常に過酷な環境です。
そのため水星にいる子どもはスレッタ一人だけ。
スレッタの母は地球圏と水星を行き来して忙しく働いているので、スレッタの友達はガンダム・エアリアルだけです。
「エアリアル。僕の名前。
外部には秘密だけど、ガンダムタイプのモビルスーツだ。」
というように、この『ゆりかごの星』はエアリアルのモノローグとして進んでいくんだ!
え!モビルスーツ自体に人格があるの?
驚いたろ?
モビルスーツが意思を持つから、4歳の女の子でも攻撃することができたんだろうな!
…パイロットなしでも攻撃しそうだよな…
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|水星での暮らし
基地内でエアリアルのコックピットに入り込んだスレッタは、「ゲーム出して」と頼みます。
4歳のころから慣れ親しんだこのシューティングゲーム。
水星ではスレッタと母に、太刀打ちできる人はいないほどの腕前です。
荒んだ老人だらけの水星に居ながら、スレッタは、エアリアルのライブラリで「地球」を知り、学校や友だち、子供たちという存在を知り、地球のアニメを楽しんだりして過ごしています。
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|「逃げたら一つ、進めば一つ」
スレッタのお母さんは「逃げたら一つ、進めば一つ」という言葉を教えます。
例えば、怖い注射から逃げれば「痛くない」が手に入る。
でも注射をすれば「病気にならない」「お母さんが喜ぶ」「スレッタのレベルが上がって注射が怖くなくなる」。
「ね。逃げなかったら、逃げるよりいっぱい手に入るんだよ」
お母さんはスレッタにそう教えてくれたのです。
このセリフ、こんなふうに小さいころから体にしみこんでいるんだね。
強い子だ…スレッタ!
この言葉は、小さなスレッタと二人、この水星で頑張っているお母さんが、自分に対して言い聞かせている言葉でもあったでしょう。
そして、スレッタが恐れを打ち破る呪文となっているのです。
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|人命救助
資源採掘中のモビルクラフトが行方不明に!
こんな時にもっとも役に立つのが、スレッタとエアリアルのコンビです。
灼熱の太陽光を巧みに避け、クレーターの影を通ってスレッタとエアリアルは現場へ急ぎます。
行方不明になっているのは管制官の夫、エルゴ。
管制官も必死です。
エルゴはいつもスレッタにつらく当たる老人ですが、スレッタは全力で探し当て、機体からエルゴだけを救い出す方針を即座に決定します。
エルゴの酸素の残量は7分。
スレッタは「4分で戻れる」と言い切ります。
スレッタは細心の注意を払ってエルゴを助け出すと、ビームライフルで断崖を打ち砕き、ショートカットを作ります!
みんなの待つ基地に本当に4分で帰って来たスレッタたち。
基地にはホッとした空気が流れます。
ちょうどスレッタのお母さんがその様子を見ていて、褒めてくれました。
スレッタ11歳の時の出来事です。
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|アスティカシア高等専門学園へ
スレッタは15歳くらいの時から、「学校」に対して強い興味を持つようになりました。
エアリアルは、お母さんが「魔女」扱いされていることや、ガンダムである自身も見つかったら解体されるだろうことを考え、地球圏には行けないと思い定めていました。
しかし、スレッタが16歳になったある日、お母さんはアスティカシア高等専門学園でモビルスーツの決闘が行われること、そしてそれに勝った人間がべネリットグループ総裁・デリング・レンブランの一人娘と結婚すること、という知らせを持ってきました。
お母さんの頭にあるのは復讐です。
お父さんとヴァナディース機関の仲間たち、みんなを奪った評議会とデリング・レンブラン!
エアリアルはスレッタを復讐に巻き込みたくありません。
でも、お母さんは、「見ててね、みんな。私たちの娘が、仇を取ってくれる!」
そう思っているのです…
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|スレッタ、学園へ
「お母さんがね、入学手続きしてくれたの。
水星をよくするために勉強してきなさいって。
私がんばる。誰も死なない水星にするの。
街もお店も学校もいっぱい呼んでくるの」
夢や希望でいっぱいのスレッタでしたが、やがて不安に襲われます。
人間の友達とうまくつきあえるのか?勉強についていけるのか?
エアリアルは、スレッタが復讐の道具にされるよりは、学園行きをやめればいいと願っています。
スレッタのために。
「…逃げたら一つ」
スレッタは考えた挙句、不安を乗り越え水星のために勉強すること、友達や先輩そして異性との出会いのチャンスにチャレンジすることを決心するのです。
「行こう、エアリアル。一緒なら、きっと大丈夫」
それは僕がスレッタに伝えようと思っていた言葉だ。
もちろん、一緒にいるよ。
だって僕らは、家族だから。
僕は同意の意味をこめて、モニタ表示を二回瞬かせた。
くう~泣かせるねえ!
頑張れスレッタ!
頑張れエアリアル!
俺も応援するぜ!
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|まとめ
スレッタが自分のモビルスーツを持って水星から転入してきた理由がわかりましたね!
孤独な子供時代に寄り添った、意思を持つモビルスーツ・エアリアル!!
次回以降は「エアリアルのキモチ」に目が行ってしまいそうですね。
原作小説『ゆりかごの星』あらすじ|ネットの声
この小説の考察として、
①スレッタ=エリーではないのではないか?
スレッタはエレノアの子ではなくエリーの子どもなのでは?
②この物語に「アドステラ何年」と書かれていないことがおかしい。
本編はA.S.122年なのだから、スレッタが17歳=プロローグはA.S.105年のはず。
あえて書かれていないところに、何か隠されているのでは?
③スレッタの母の名前が書かれていないことも謎。
④プロローグと本編の間の、デリング・レンブランやサリウス・ゼネリの老け方がおかしい!
プロローグは13年前の物語ではないのでは?
⑤ ④に関して、宇宙空間では老けるのが早いのでは?カルド・ナボも老けるのが早かった。
等々、様々な声が飛び交っています!
これらの疑問が徐々に明らかになっていくのが楽しみです!!
原作小説『ゆりかごの星』から考える今後の展開
『お母さん』の思惑通り、エアリアルは決闘に勝ち、レンブランの一人娘・ミオリネを手に入れることができました。
しかしもちろんこれは始まりにすぎません。
学園内のパイロット科の生徒たちはエアリアルに挑んでくるでしょう。
- パイロット科3年グエル・ジェターク:ディランザ グエル専用機 → 次のモビルスーツ
- パイロット科3年エラン・ケレス:ガンダム・ファラクト
- パイロット科3年シャディク・ゼネリ:ミカエリス
- パイロット科1年チュチュアリー・パンランチ:デミトレーナー・チュチュ専用機
また、エアリアルがGUND-ARMであることはすぐに周知の事実になるでしょうから、ベネリットグループがどんな手で潰しに来るか、わかったものではありません。
『自らの独立した思考を持つ』モビルスーツ・エアリアルと家族のように育ったスレッタのコンビはどうやって対抗していくのでしょうか。
復讐を企てている母の狙いはベネリットグループ総裁なのか?
母が描く復讐の構図とは?
母が描く未来の姿、モビルスーツと共存していく未来に、モビルスーツのAIはどう反応するのか?
私の予想は、エアリアルの「自我」はエルノラなのではないか?と言う仮説です。
まあ、エヴァンゲリオンのシンジくんのお母さん・碇ユイが初号機の中に取り込まれている、的なお話になっちゃいますが。
スレッタ=エリーの場合はこの仮説は成り立ちませんね(笑)
また、エアリアルの基はルブリスだと思うのですが、エルノラはルブリスに搭乗してシンクロを試みているので、これまた違うという材料になりそうですね。
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