『キングダム』の登場キャラクター、桓騎将軍。
艶めいた容貌、自信たっぷりの戦の天才、そして『首切り桓騎』と呼ばれるほどの残虐性を併せ持つ人物です。
六大将軍に上り詰めた桓騎はいったいどんな最期を迎えるでしょう？
史実での最期と、さらに史実をもとにした可能性を考察していきます。
『キングダム』桓騎の最期・史実ではこうなる
紀元前233年（始皇帝14年）、再び趙を攻めて、平陽と武城を平定した。
wikipediaより
すでに『キングダム』65巻で平陽を平定しました。
なお、『キングダム』では武城を平定したのは王翦軍の田里弥将軍、倉央将軍、糸凌将軍でした。
史実をなぞるだけでないところも『キングダム』の面白さだよね！
さらに、赤麗と宜安を攻め、宜安ではその将軍を討ったものの、趙の大将軍の李牧に肥下の戦いで敗れた。
wikipediaより
『キングダム』65巻では赤麗の城を陥としてみたら、すでにほぼ無人になっていました。
そして、昌平君は咸陽で「宜安に力を溜め込んでいるのか、と心配しながら、いよいよ宜安に攻め込もうとしています。
本誌の方では、李牧の大軍に押され気味の飛信隊・楽華隊・桓騎軍が描かれ、奮闘中です。
史実ではいったん宜安を取るようですね。
そして、次の戦場肥下で李牧に負けてしまうようです。
『戦国策』趙策四によれば、この敗戦で李牧に討たれたとされる。
一方、『史記』廉頗藺相如列伝では大敗したのち、敗走したと記されている。
wikipediaより
この展開！
原先生はどう読み解くでしょうか？
「敗走した」を選んでいただけたら、呂不韋と同様に、どこへともなく去り素知らぬ顔で生きて行けそうですね？？
『キングダム』桓騎の最期・史実と異なるオリジナルの展開も
史実を踏まえたうえで、『キングダム』では丁寧に描かれていくであろうポイントを挙げてみましょう。
ポイント1：「桓騎の弱点がわかった」
李牧が悔しそうな顔で呟くこのシーン！これは黒羊戦のあとのこと。
紀元前237年ですから、もう4年前のことになります。
李牧『キングダム』45巻p.62
黒羊で桓騎がやったのは、住民の大虐●によって紀彗を離眼城へ向かわせ、勝ちを手に入れたことでしょうか。
これまでの桓騎の戦い方を振り返ってみましょう
紀元前242年、山陽では敵側の人間に扮して玄峰、白亀西を討ち取っています。
紀元前241年、合従軍の戦いで魏の井闌車から敵地へ降り立ち、韓・成恢を討った時も魏軍の鎧で変装して奇襲を仕掛けていました。
紀元前234年、趙・扈輒を討った時も逃げたと見せかけて敵の前線を潜り抜け、本陣を狙う大戦略を見せました。
「人が嫌がることをやるだけだ」という桓騎の戦い方、それは奇襲であるということが共通点のようです。
すると、李牧が考える『桓騎の弱点』は正々堂々と正面からの打ちあいには弱いかもしれないこと、正攻法を知らないことなのかもしれません。
ポイント2：「桓騎の根っこ」とは何か？
黒羊戦の後、那貴は飛信隊で桓騎について語ったことがあります。
おかしらは謎の多い人だ。
なんであんなに強いのか、家族はいるのか、そもそもどこから来たのか、
雷土ら幹部達でさえ知らない。だが昔一度だけ、俺は最古参だという者から、お頭の”根っこ”の部分について聞いたことがある
那貴『キングダム』45巻p.44
那貴『キングダム』45巻p.44
最古参の者とは、砂鬼のようです。
桓騎の”根”にあるのは
岩をも溶かすほどの”怒り”だ砂鬼『キングダム』45巻p.45
砂鬼『キングダム』45巻p.45
「何に対しての怒りだ？」という信の質問に対して、那貴は「”全て”に対してだ」と答えています。
このことに対しても何らかの説明はありそうです。
ポイント3：「渇き」と「絶望」
桓騎軍の幹部・雷土（らいど）は捕虜になり趙・扈輒将軍に拷問を受けます。
苦痛の中で雷土が口走るのは、
ああ俺らはクソヤロォ共で、その頭の桓騎は一番のクソヤロォで最高の男だ！
掃き溜めから俺達を引き上げたあいつは、今もまだ渇き続けてお前らを…雷土『キングダム』63巻p.138
雷土『キングダム』63巻p.138
このあとの雷土の顔が見ものですね。
あれ？何か…少し お頭のことがわかったような…
いや…違うかなもう一回だけお頭と しゃべりたかったな
雷土『キングダム』63巻p.138
このくだりでじーーーんと来てしまった読者も多いはず！
雷土がちょっとだけわかった気がした桓騎の『渇き』。
それは、政が感じたものと同じかもしれません。
桓騎の10万人虐●を聞きつけ咸陽からやって来た政が、桓騎と対話するうちに口をついて出た言葉は
お前みたいに何もせずに”絶望”など…
政『キングダム』64巻p.176
この時も、この言葉を口に出した後固まる政でした。
そして、桓騎に罰を与えることもなく、去っていきました。
政『キングダム』64巻p.176
ポイント4：砂鬼の存在
砂鬼『キングダム』64巻p.200
桓騎の天幕に現れた砂鬼。
那貴の記憶によると砂鬼が最古参の者だと言います。
砂鬼をめぐるエピソードも語られる機会はあるでしょう。
『キングダム』桓騎の最期はいつごろわかる？
2022年7月、宜安を攻めているところです。
このあとこれまでの桓騎の伏線回収がありますので、李牧との対決の場面まではたどり着いたとしても、年内はまだわからないと思われます。
2023年、年が明けてからではないでしょうか？
『キングダム』桓騎（かんき）の最期は？史実と異なる可能性も考察・まとめ
史実でも戦死したのか、それとも逃走したのかわからない桓騎ですから、ここは敗戦の戦場から逃げ延びて、幹部達とよろしくやっている、というストーリーに期待したいところです。
その前に数々の伏線回収、とても楽しみですね。
自分なりの解釈を楽しむのも本誌の発行までですので、いっしょに考えていきましょう！
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