1912年4月14日に始まるタイタニック号の沈没事故。
大きな悲劇を生んでしまった事故ですが、沈没に至る事故原因については、当時から様々な疑惑・憶測を生んできました。
その中の主なものをご紹介します。
皆さんはどう思われますか?
石炭火災を起こしたまま出港していた!
信じがたいことですが、タイタニック号の燃料庫では、ベルファストの造船所の港を離れる前から自然発火による石炭火災が起きていました!
ボイラー作業員が11人で消火作業に当たったが鎮火できないほどの火事であったようです。
このことは、出航前の写真からも焦げ跡を確認することが出来、事実が確認されています。
1912年4月10日、出港の時にも火災は鎮火できておらず、その結果、船体の構造の一部はすでに脆くなっており、氷山との衝突は沈没のきっかけであったという説があります。
船内の火災を知りながら出港するなんて、現在では考えられません!
しかし当時は、自然発火も時にはあることで、気密性が高い燃料倉庫では自然に鎮火すると考えられていたようです。
衝突直前の操船ミス?
当時指揮を執っていたのは、次席一等航海士ウィリアム・マクマスター・マードック氏。
マードックはロバート・ヒッチェンズ操舵手に「Hard Starboard!」の号令をかけました。
人の手で帆走していたころ、オール(steering oar)は右側にありました。これは多くの人(漕ぎ手)が右利きであったためです。
そのため、steer side → steer board → starboard と名称が変わり、船の右側を指す言葉になります。
では左舷は?”港”に接する側、portと呼ばれます。
この号令は帆船時代からの名残で「舵輪を左に回して“舵柄を右に動かし”左へ急速回頭する」の意味で(Tiller Orders・間接法)、タイタニックでも採用されていたものです。
しかし蒸気船式の号令(Rudder Orders・直接法)で訓練されていたヒッチェンズ操舵手は、「舵輪を右に回して”舵柄を左へ動かし”右へ急速回頭する」と解釈し、舵輪を右に回してしまうのです。
操舵手のミスに気づいたマードックは左回頭に修正しましたが、手遅れでした。
重ねて「後進一杯」の命令をしますが、衝突を止めることはできませんでした。
保険金目当ての陰謀説?
タイタニック号はホワイト・スター・ライン社の船と言われていますが、度重なる船の事故の賠償金のため同社は経営不振に陥っていました。
これを買収したのはJ.P.モルガン氏。アメリカ5大財閥の1人です。
モルガン氏はタイタニック初の航海に乗船の予定でしたが直前にキャンセルしています。
このため別の大富豪の夫妻が乗船することになりましたが、この夫妻もキャンセル。
結局ホワイト・スター・ライン社の社長であるブルース・イズメイがこの部屋に泊まりました。
タイタニック号への乗船を直前にキャンセルしたのは乗客・船員を含めて50人を越すと言われており、その中にモルガン氏と近い関係の人がいたことから陰謀説がささやかれています。
タイタニック号はオリンピック号とすりかえられていた?
タイタニック号にはオリンピック号、ブリタニック号という姉妹船がありました。
しかし、タイタニック号の1年前から就航していたオリンピック号は、2回も事故を起こしており、保険をかけることもできず、損傷の大きさから廃船予定ではないかと思われてきました。
オリンピック号をタイタニック号と偽装し、保険をかけて、故意に氷山と衝突させて保険金をだまし取る・・・?
・石炭火災は故意に延焼させ、船体を弱体化させていた
・氷山警報をあえて無視していた
・双眼鏡は隠されて使用不能にされていた
・危険な海域を高速で航行していた
・建造費50万ポンドを上回る100万ポンドの保険金が支払われた
センセーショナルなこの仮説は、その後部品の転用や、写真の誤った解釈が原因とわかり、事実とは異なるものです。
しかしながら、なかなか鎮火することのない都市伝説となっています。
事故後の改正点
この事故の後、海事法規について二つの大きな改正が行われました。
一つは多くの救命ボートを確実に搭載すること、救命ボート訓練が適切に行われること、乗客のいる船の無線機には24時間スタッフをつけることなどです。
もう一つは国際海氷パトロールが組織され、海事安全規則は国際条約によって国際的に統一されたことです。
タイタニック号は2022年に復活する!
オーストラリアの船舶会社、ブルー・スター・ライン社の会長クライブ・パーマー氏はこのような声明を出しました。
「ブルー・スター・ラインは、本格的なタイタニック体験を創造します。初代と同じインテリアと同じ客室レイアウトの客船を乗客に提供しながら、最新の安全対策、ナビゲーションシステム、21世紀のテクノロジーを統合し、最高レベルの贅沢で快適な旅を提供します」
ブルー・スター・ライン社
夢のような企画で豪華な船旅が楽しめそうですね!
タイタニックも「不沈船」と呼ばれていた事を思うと少しばかり不吉な感じはしますが、伝説の世界を再現したわけであり、乗船希望者は後を絶たないでしょう。
まとめ
タイタニック号の沈没事故の原因について、様々な説が唱えられてきました。
しかし結論としては、事故は「不可抗力」であり、当時の慣行に従ってきた船長や会社に対して過失は認められませんでした。
さまざまな陰謀説も話としては面白いですが、決め手はありません。
安全な航海に関する国際的な取り組みも進められ、現代の私たちには安全が保障されています。
タイタニックⅡの船旅、あなたもいかがですか?
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