映画『タイタニック』では、豪華客船の沈没により多数の人命が失われてしまいました。
現在ではこのような悲劇を繰り返さないよう、法的な規制が整備されています。
あのとき、ジャックが助かる方法は本当になかったのか?
そして、もし、あなたが豪華客船の旅に出て、その船が沈没したら?
実際の海難事故に遭ったとき、するべきこと、知っておくべきことをまとめましたので、『タイタニック』鑑賞のおともにお役立てください。
『タイタニック』ジャックは助かる方法なかったの?
ジャックの場合は低体温に襲われていたでしょうから、「ドアに二人でつかまる方法を早いうちに探す」「ほかの漂流物を早いうちに探して移る」のどちらかでしょうね。
「ローズ、もうちょっとそっち行けないかな?」とか?ジャックに言えるでしょうか?
また、他の板きれを見つけられたとしても「俺、あっちの板にするわ」と、早々に離れ離れになる選択ができたかどうか?
どちらにしても、あそこまで体温を奪われてからでは、何もできなかったでしょう。
さて、現在では人数分の救命ボートは保障されています。
そのほかに知っておくべきことはなんでしょう?
もしクルーズ船に乗り込むとしたら、と想像してみることもちょっと楽しいかもしれません。
出航前の避難訓練に参加する
プリンセス・クルーズ社では船の安全運航上、出港前に緊急避難訓練を実施しています。
国際法で定められたもので、お客様全員の参加が義務付けられておりますのでご協力ください。
乗船して客室に入りましたら、まずライフ・ジャケット(救命胴衣)の場所をお確かめください。通常、客室のクローゼットの中にご用意してあります。
また、各客室の扉の内側に、集合場所と集合場所までのルートが掲示されていますので、事前にご確認ください。
船内放送で避難訓練の警笛音が鳴ったら、直ちに各自の客室に戻り、救命胴衣を着用せず手に持って指定の集合場所にお集まりください。
その際、エレベーターの使用は禁止されています。
移動の際には、迅速かつ静かに歩き、階段や通路では右側通行をお守りください。
集合後、救命ボートやその他の注意事項について説明が行われます。プリンセスクルーズ社HPより
なるほど!ちゃんと事前に訓練があるんですね!これは安心。
救命胴衣の所在を確認することは、短い航海や日帰りの乗船でも重要なことでしょう。
だって、これさえあればジャックも浮いていられたんですもの。
また、外国語でのクルーズでは誰が自分に指示を出してくれるのか、確認しておいたほうが良いでしょう。
自分の行動を事前にシミュレーションしておく
『タイタニック』では「女性と子供優先」と指示がありましたが、これはイギリスの法律によるものです。
いざ自分が沈没事故にあったら?
どうすればよいのでしょうか?
避難シグナル・船内放送を聞く
緊急時の連絡方法を事前に確認しましょう。
『タイタニック』の映画では、客室の種類によって十分な案内がされず、ついにパニックが起こる様子が描かれていますね。
まずは重要な情報を、正確に受け取る心構えを持っておきましょう。
救命胴衣を着用
(1)先に引用したプリンセス・クルーズ社のような大型クルーズ船の例では、救命胴衣は手に持って集合場所へ行きます。
(2)自分で判断して着用するような場合は、①自分が救命胴衣をつけてから、②幼児、③子供、④ペットの救命胴衣を着けさせる、というのが一般的なルールのようです。
同行者の大人でも、自分で救命胴衣を着けられないような場合は、まず自分が救命胴衣をつけてから手助けをしましょう。
ここでは「女性と子ども」からではないんですねー。まずは自分からです。
また、防水ギア(ヘッドギア、防水ジャケット、防水手袋、救命スーツなど)が利用できるようなら身に付けます。
これがあれば、体温を奪われるのを防いでくれますから、ジャックもまだまだがんばれたでしょう!
(救命スーツは、通常、乗組員用のもので、彼らは2分で着用する訓練を受けています)
指示に従うこと
避難訓練の時と同様、指示に従って落ち着いて行動することが大切です。
しかし、指示がない場合や、言語がわからない場合は船の上に行ってから、脱出することが原則です。
映画『タイタニック』では「どうせ助からない」とあきらめる人や、指示を待って船内に取り残される人が描かれていました。
船の中央や内部にいると、パニックに陥ってしまう可能性もあります。
とにかく、船の上部に行かなければいけないのですね!
落ち着いてパニックにならない!
このような危機に直面した場合、パニックにならない人はたった15%なのだそうです。
自分を落ち着かせ、周りの人を落ち着かせることは、スムーズな避難と怪我の防止に役立ちます。呆然とし、まったく反応できなくなる事もあるのを知っておきましょう。
日本人はこういう場合に整然と行動できそうな気がしていますが、どうなんでしょう?
多国籍な集団の中に自分がいるとしたら?
まず深呼吸して、落ち着きましょう!!
船が傾いたら何かにつかまる!
転んだり、他の場所へ投げ出されたりしないよう、手すりやパイプなど、つかまれるものにはつかまりながら避難しましょう。
浸水してきたときは、思わぬ怪我の原因になりますので、浮遊物にぶつからないように十分注意しましょう。
できるだけ身体を濡らさないよう注意する
クルーの指示に従って、身体を濡らさないで救命ボートに乗り込めればまず安心です。
救命ボートでは身を寄せ合って暖をとり、けが人の手当てをし、気をしっかり持って行動することが求められます。
救命ボートに乗れなかったときは?
浮き輪を使ってできるだけ救命ボートの近くに飛び降ります。
飛び降りるときには、近くに人やプロペラなどの危険物がないか、火災が起こっていないかを目視してからです。
水面に近い場所から飛び降りることも大切です。
そして、水に入るということは低温ショックや低体温症のリスクを負うことです。
低温ショックとは
低温ショックは、冷たい水により起こるショック症状で、脈拍と血圧が上がり、息がコントロールできなくなり、すぐに体が機能しなくなります。
低温ショックでは、不随意の呼吸が始まることがあります。これは、水中でよく起こります。冷たい水に入ることに慣れている人は、この症状に耐えることができ、最初の数分間で、呼吸を元に戻すことができます。しかし、多くの人は、それが出来ず、溺れてしまいます。この低温ショック症状は、低体温症の前に起こります。
ショックが起こると、全てが現実離れし、生き延びるための行動が阻害されます。もし、ショックが起こらなければ、精神的苦痛が起こる確率が高いと言えます。見渡す限り水と水平線。そして、いつ救助が来るかも分かりません。生き延びることに集中したり、心理ゲームをしたり、数を数えたり、他の人のニーズなどを考えることで、この精神的な苦痛を避けるようにしてください。
手と指の感覚が、非常に早い段階で、無くなってきます。そのせいで、ライフジャケットを着るのが難しくなるか、ライフジャケットを着れなくなることもあります。
低体温症とは
冷たい水の中にいると、低体温症になります。低体温症になると、眠くなります。眠ってしまったり、意識がなくなると、溺れるリスクが高くなります。
日本防災教育訓練センターHPより引用
これがタイタニックのパニック場面で描かれていた事なのですね!
いやー、こわいですねー!
冒頭のつかまるものがあれば、という話だけではなさそうです。
ローズが救命ボートに乗ってくれていたら、ジャックはなるべく身体を濡らさないようにドアに載っていられたかも・・・
『タイタニック』助かる方法なかったの?まとめ
映画のなかでジャックが生き残るためには①ローズだけでも救命ボートに乗る②板を譲り合って使う③ほかの浮遊物に乗り移るというのが、可能性を高める方法でした。
実際の海難事故に遭ったとき、するべきこと、知っておくべきことをまとめましたので、『タイタニック』鑑賞のお供にお役立てください。
また、乗船前にはもう一度、読んでくださいね(笑)
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