アニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』では、あたかも巨大な兵器のように描かれているクワイエット・ゼロ。でもちょっと待ってください。
デリング・レンブランは「今は私の計画だ」と言っていませんでした?
デリングの妻・ノートレットが「植物の多種多様な生存戦略を人類にも適用できないかと考えた」もののはずですよね?
『クワイエット・ゼロ計画』の本来の姿を考察していきます。
『水星の魔女』ノートレットの『クワイエット・ゼロ計画』は植物由来?
ノートレット・レンブランが「植物の多種多様な生存戦略を人類にも適用できないか」と考えたことが、『水星の魔女』15話で描かれています。
植物は、言葉を持ちません。
植物は、例えば枝が折れたら樹脂で断面を覆うように、末端の不具合を感じ取り全体で対応します。
植物は、周囲の状況に応じて日光の当たる方へ枝葉を伸ばしたり、並んで立っている2本の木が1本につながってみたり、生存に有利な方法を選んでいます。
共存するために有利な方法を、言葉がなくても共有すること。
アムロとララァ。
ニュータイプの二人は理解し合えていたのに。 pic.twitter.com/11S0kN4xGw— somanystars (@somanystars7) June 23, 2023
ノートレットが夢見たのは、クワイエット・ゼロによる
- 人々の意識の共有と相互理解
- 全体の利益のための問題解決の方法
だったのではないでしょうか?
クワイエット・ゼロのネットワークの中で、人間の意識を共有するってこと?
2mに満たない人体が17mのガンダムを操るからデータストームが起こる。
人間同士の意思疎通程度なら、データストームの心配はないかも。
人体にパーメットは使ってない…あ、そうか、人体とガンダムをつなぐ鉱物がパーメットだったか。
言葉でなく、善意を共有して創り上げる未来であれば、戦争のない世界が実現しそうです!
『水星の魔女』デリングの「今は私の計画だ」
デリングがガンダムを忌み嫌うのは、子どもたちの犠牲を知っていたから。
ベネリット・グループ総裁として利益の追求をしていても、亡き妻ノートレットの願いを紡ぎたい、という思いは持ち続けていたでしょう。
デリングの『クワイエット・ゼロ計画』とはどんなものだったでしょう?
戦争が不要な世界を作る
ノートレットが夢見た、あたかも全人類がニュータイプ化したかのような、言葉はなくても相互理解し、穏やかな問題解決ができる世界。
ノートレットの遺志の通りに、これを創ろうとしていたでしょうか?
戦争を武力で終結させる
エアリアルがクイン・ハーバーで見せたかのような、敵の兵器の乗っ取り。
パーメットを含むすべての物質が思いのままになるなら、兵器を無力化し、強制的に紛争を止めることができますね。
デリングは目覚めたから、このあと説明してくれるだろうね!
楽しみだなあ!
『クワイエット・ゼロ』は要塞化している?
ノートレットの発案、デリングの計画を推測しましたが、いまやプロスペラのやりたい放題によって『クワイエット・ゼロ』は要塞化しているようです(笑)
『クワイエット・ゼロ』には無数のガンドノードが搭載され、自在な攻撃と強力な防御を繰り広げます!
エリーが新しい世界に産まれるって考えたらクワイエットゼロの形って…( ͡° ͜ʖ ͡° )() pic.twitter.com/M9RbxQ4Sqk
— 🖖(フル ᴗプラ ) (@fulupurakouba) June 15, 2023
これもデリングの計画のうちって考え方もあるよね。
さすがにデリングが倒れてから作ったレベルじゃないでしょ?
『水星の魔女』の『クワイエット・ゼロ』は人類補完計画?
プロスペラは地球圏全域を『クワイエット・ゼロ』の影響下におき、そこでエリィを自由にさせたい、と考えているらしいことがわかってきました。
ということは、地球圏全域の人類の意識は相互につながり、共有されることになるのでしょうか?
まるで『人類補完計画』のようですが、異なる点もあるように考えられます。
アニメ『エヴァンゲリオン』で描かれた『人類補完計画』は、人々の肉体をLCLの海の中に溶かし込んでしまいました。
『クワイエット・ゼロ』によってどんな現象が起こるのか、まだはっきりとしていませんが、人体に関しては個体を保ったままで意識だけが共有されるのではないかと思われます。
これが…パーメットの海にドロドロに溶けていく、だったらホラーですね!
『クワイエット・ゼロ』の意味するものは?
クワイエット=静寂。
言葉を話さず、そればかりか言語すらも介さずに、テレパシーのように意思疎通できること。
平和で穏やかな解決法を見つけること。
あたかもニュータイプの人間同士が理解し合うように。
ノートレットが提唱し、デリングが世界平和のために開発していると考えたクワイエット・ゼロを、プロスペラは復讐に利用しようとしているのでしょうか?
『ガンダム』作品のミニ考察:ニュータイプ論の末路(『機動戦士ガンダム』)
ジオン・ズム・ダイクンは、人類は宇宙に出たことで感覚や能力が拡大した、と「ニュータイプ論」をとなえました。
しかし、その主張はいつの間にか「優れた種が旧来の地球人に従う必要はない」という過激な思想に塗り替えられていき…そして戦争の元になっていきます。
『ガンダム』作品のミニ考察:宇宙憲章の招いたもの(『機動戦士ガンダムUC』)
『水星の魔女』ではスペーシアンが特権階級、アーシアンが搾取される側ですが、宇宙世紀シリーズでは地球に残っているアースノイドが特権階級、スペースノイドが冷遇されています。
増えすぎた人口を宇宙へ棄民する政策を開始する一方で、当初は『宇宙世紀憲章』の条文にアースノイドの権利を守る一文が定められました。
将来、宇宙に適応した新人類の発生が認められた場合、その者達を優先的に政治運営に参画させることとする。
しかし時は流れ、アースノイドは不都合な真実を隠しつづけ、やがて双方の格差は戦争へと発展してしまいます。
『クワイエット・ゼロ』の末路は?
どうやらガンダムの世界では、「わかちあい、つながる」という状態を理想としながらも、そこにハッピーエンドは用意されていないようです。
ニュータイプのアムロ・レイ、シャア・アズナブル、ララァ・スン、クェス・パラヤ…
みな戦場に散っていきました。
『水星の魔女』の強化人士・エラン・ケレスのような強化人間たちも、一人残らずひっそりと消えていきます。
となると…
『クワイエット・ゼロ』でエリィを幸せにする、という計画も、予想では、ナシでしょう。
同様に、エラン・ケレスも最後の戦いで消滅する可能性大です。
あくまで、従来の型に当てはめた場合の推論ですが…
クワイエット・ゼロ計画|ノートレットの描いた夢とプロスペラの計画・まとめ
『水星の魔女』のテンポの良い展開に「そもそもQ0って何だっけ?」と考えてしまいますね。
アニメも大詰め、この後様々な事実が明かされ、伏線が回収されていくでしょう。
そうなる前に、自分なりの予想ができることこそ、リアルタイムでこの作品と向き合える私たちの特権です!
皆さんの考えも、ぜひコメントで寄せてください。
また、ガンダム作品に対する解釈の誤りについても、お叱り頂けましたらさらに精進していきますので、よろしくお願いします!
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