アメリカに旅立つことを決めた大。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』のあらすじをご紹介します。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』1巻
アメリカに行く前に、まずは日本で運転免許を取る大。
久しぶりに会う玉田の口から、雪祈はアメリカの学校で作曲の勉強をしていると聞きます。
大がアメリカに入国したのはなんと西海岸のシアトル（ワシントン州）。
サム・ジョーダンの紹介によるアーティスト・ビザにびっくりする入国管理官に、いつものようにこの言葉を言い切ります！
I came here to become the best player in the world seriously.
ボクは本気で、世界一のプレーヤーになりに来たんだ。宮本大『ブルージャイアント・エクスプローラー』１巻
シアトルではまた相部屋のユースホステルに泊まり、夜はシアトル一のジャズバーにジャズを聴きに行きます。
翌日は車探し。アメリカで動くなら車が必要です。
1,000ドルという低予算で車を探す大は、足りない分を稼ぐために中古車屋でアルバイトを始めます。高校時代にガソリンスタンドでアルバイトしていた経験が、ここで生かされます。
バイト先で出会ったエディはロック・バンドをやっていたというだけあってギターが上手です。
エディは大をライブハウスに連れて行ってくれました。
大はこの店のメンバーとセッションし、「ただものではない」と思わせます。
20年間この店で弾いている店のオーナー兼ピアニストは、エディの父親でした。
バイトが休みの日、エディは大を郊外のキャンプに連れて行き、ロックのライブに参加させてくれることになりました。
馴染の店の閉店の記念に、昔のバンドが集まって盛り上げようという企画。
エディは大のサックスを聴いて、プロのミュージシャンへの未練を断ち切りました。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』2巻
中古車屋オーナーのジャックは、大の演奏を聴き、また、バイトでの働きに感謝して、大のためにホンダシビックを用意してくれます。
徹夜でつけてくれたカーオーディオも含め、2,000ドルを1,000ドルに負けてくれました！
大の初めてのドライブが始まります。
アメリカを回ってジャズバーを巡ることが目的じゃない。
新しいジャズを探す。そして、新しいジャズを創るんだ。
トラベラーじゃない。
オレは、エクスプローラー（冒険者）だ。宮本大『ブルージャイアント・エクスプローラー』2巻
ヒッチハイカーを見た大は、自分がいつも人に助けられてきたことを思い出し、ジェイソンというスケボーを持った青年を乗せてあげることに。
ジェイソンは「世界一という考え方は古い。今はハッピーであることが大切では？」と大の目標に疑問を示します。
ポートランド（オレゴン州）に着いた大は、さっそくジャズバーに入って出演交渉しますが断られ、町の人々を観察し、触れ合いながら、ラジオ局へ向かってみます。
ジャズ専門の小さなラジオ局ですが、DJは大のことを知っていました！
ラジオ番組で生演奏させてもらえることになった大。
演奏は反響を呼び、昨夜断られたジャズバーから出演のオファーが決ました。
大のアメリカでの記念すべき初ライブは、ポートランドの観客の度肝を抜きました。
そして大は次の街へと旅立ちます。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』3巻
ポートランドを出た大は、ヒッチハイカーのジェイソンと再会。
二人はサンフランシスコ（カリフォルニア州）へ向かいます。
最初はクセのあるやつと思っていたジェイソンは、大に興味を持ち、エージェントとして店の出演交渉にあたってくれます。
自分の過去を誇っていけよ。
ジェイソン『ブルージャイアント・エクスプローラー』3巻
ジェイソンは、エージェントとして2軒の店と話をつけてきたら、ステーキを奢れと大に言います。ジェイソンにはその才能が有るのか、あっという間に2軒の出演を決めてきます。
店でバンドメンバーを揃えてもらって、2日後のライブはもちろん成功。
2軒目の店に出演する前に、大は気になるドラマー、中国系のアレックスの家を訪ね、2日後のライブにも参加してほしいと頼みます。
アメリカではマイノリティーのアジア系の二人は、サンフランシスコ二軒目のライブハウスで渾身の演奏を繰り広げました。
次の街に向かう道中、車の調子が悪くなります。
通りすがりの人が寄ってきて、手際よく修理をしてくれますが、ジェイソンは「ありがとう！」の一言だけ。修理してくれた人も当たり前のように立ち去っていきます。
アメリカという国の意外な温かさに、驚く大でした。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』4巻
車はシリコンバレーに入り、ジェイソンはサンノゼ（カリフォルニア州）で友人に会い、あっという間に出演を決めてくれます。
ジャズ好きの友人もうなる大のプレイ。旅は続きます。
ロスアンゼルス（カリフォルニア州）に着いた二人は、さっそくジャズバーへ。
この土地ではスムースでイージーなジャズだけが受け入れられるようです。
大はロックの店に行き、店主に出演交渉します。
シアトルで会ったプロのミュージシャン、グラナイツのエディーと電話口で話してもらって出演できるようになると、さらにエディーにSNSで拡散してもらい、自らも街角にチラシを貼らせてもらって宣伝します。
演奏はサックスのソロ。
ノンストップのプレイで、演奏終了と同時に大はステージ上でうずくまってしまうほどの熱気あふれる演奏を披露します。
3日後に同じ店でライブをやることが決まり、さらに増えた観客の前でプレイすることが出来ました。
終演後に大を待っていたのは、コロンビア・ボゴタ出身のダンサーの青年でした。
彼は大に「あなたは全力で頑張っている。あなたは絶対に大丈夫だ」と力強い言葉をかけてくれて、大はトイレで思わずうれし泣きしてしまうのでした。
青年のダンスを見てから、車はサンディエゴ（カリフォルニア州）へ。
ジェイソンはこの町でお金を稼ぐためにとどまると言い、二人はお別れパーティーをやることにします。
お金のない二人はティファナ（メキシコ）へ。食べ物もお酒も安いこの町で、大はテキーラで酔っ払います。
ここで大のことを知っているメキシコ人ピアニスト、アントニオ・ソトと出会います。
明るさが持ち味のアントニオに、ジェイソンは｢大と組まないか」と話すのです。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』5巻
翌朝大が目覚めるとジェイソンはおらず、かわりにアントニオがベッドのわきに座っていました。
昨夜の店に話をつけたから演奏しようというのです。
アントニオはティファナに来るミュージシャンに、ちょっとずつ教えてもらいジャズを学んできました。一人で練習を続けてきた大とは真逆です。
そんなアントニオに、大は「オレと組んでくれ」と頼みます。
アントニオに連絡先のメアドと電話番号を渡し、大はジェイソンとサンディエゴへ戻ります。
サンディエゴのスケートパークで大にスケボーを見せるジェイソンは、失敗しても笑って再トライすることを教えてくれ、二人はここで別れます。
大はここから東へ、大陸横断です。
一人になってしまった大はその夜をソロキャンプで過ごします。
ドライブしては、練習し、ガソリンを入れては、ドライブ。
大は孤独の中でこれまでを振り返り、出会った人たちを思い出し、自分はみんなを捨てて好き勝手に生きてるな、と考えたりしました。
大はだんだん手持ちのお金が少なくなって行くことを心配しながらも、モニュメントバレー（アリゾナ州）を見物し、ようやくアルバカーキ（ニューメキシコ州）にたどり着きました。
無一文になってしまった大は、アルバカーキ唯一のジャズクラブに行きますが、出演はさせてもらえません。
この店で皿洗いのアルバイトと、サックスのレッスンの代理を請け負うことができました。
大が教えるのは小学生くらいの男の子・ハリー、チャーリー・パーカー大好きな中年女性のキャロル、散らかった部屋から出ようとしない中年男性のアクセル、利発そうな女子・ニーラの4人です。
大は彼らの家をレッスンで回りながら、発表会を企画してやりたいと考えるようになりました。
皿洗いのバイト中、なんとティファナからアントニオが来てくれました！
発表会は元のサックスの先生、スティーブが退院してくる日、ジャズクラブのステージを借りて、アントニオのピアノでできることに。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』6巻
生徒の親たち、スティーブ先生を観客に始まった発表会。
大は巧みに生徒たちの良さを引き出し、アントニオは盛り上げます。
感動すら覚える4人の演奏の後、全員のセッション、そして大とアントニオのセッションです。
アントニオが旅の仲間になり、向かった場所はダラス（テキサス州）です。
日本人とメキシコ人のデュオなのを見て出演を断る店主に、アントニオは掴みかかってしまいます。
アントニオはアメリカの音大に入学する予定を延ばして、大と旅しているようです。
二人はアントニオが提案する街、ヒューストン（テキサス州）へ向かいます。
ローカルのセッションをやっている店で、二人ばらばらに入店し、ステージに上がります。
まずアントニオ。そして大。
二人の凄いプレイに、巨漢のドラマー、ゾッドが呼び込まれます。
ゾッドはNYの音大出、底知れない多彩なプレーを繰り出し、アルベルトは必死でピアノで戦います。
翌日、ゾッドが入り浸るポーカー場に行く大とアルベルト。
大はアルバカーキで稼いだ全財産をチップに変え、ゾッドと勝負します。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』7巻
ゾッドと全財産を賭けたポーカーの勝負をしながら、大はゾッドを説得します。
翌日、ゾッドは病身の母を家に残し大の車に乗り込みますが、大の車・ホンダ・シビックは今にもつぶれそう！
中古車屋に入って大型車のダッジを選ぶと、中古車屋はホンダの整備がとても良い状態なので差額なしで交換と言ってくれます。
シアトルのジャックに電話し、シビックに深々と頭を下げて別れを告げる大でした。
ゾッドは車の中で電話をかけ、今夜演奏する店、集客、メディア関係者も呼び集めてしまいます。
三人が着いたのはジャズの聖地・ニューオーリンズ（ルイジアナ州）です。
バンド名はダイ・ミヤモト・モメンタムに決め、三人の個性を生かした演奏で観客を沸かせます。
ニューオーリンズのレジェンド、Mr.ペイトンが、ニューオーリンズの店20軒以上でライブをして回らないか？と提案してくれました。
成功への第一歩です。
店を回り、街を歩き、大は自分がだんだん有名になって行くのを感じ取ります。
『ブルージャイアント・エクスプローラー』8巻
大は大御所『デレク・マーティン・カルテット』のゲストプレーヤーとして呼ばれ演奏することになりました。
光栄なことですが、大とはテイストが合いません。
バンドメンバーも、ゾッドも、デレクに従って抑えた演奏をするようにと忠告しますが、大はソロが回ってくるといつもの自分の全力プレイをしてしまいます。
楽屋に戻りデレクにマジギレされる大。
しかし、アンコールでは性懲りもなく吹きまくる大です！
Mr.ペイトンの仕切りの18回のライブも終わり、この街を出る時がやってきました。
マイアミ（フロリダ州）でゾッドは大に影響を与えるベーシストを連れてきました。
ジョー・ハーディングです。
酒浸りのジョーですが、ベースの腕は超一流。
ステージではバンド全体を強力なグルーブに乗せていきます。
大の元にはポートランドのコーヒーショップの女性、シェリルから連絡がありました。
サックスにすべてを注ぎ込み、わき目も振らずに走り続けて来たことに疑問を持ち始めた大は、シェリルをデートに誘います。
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