「 BLUE GIANT」コンピレーションアルバム決定版を探せ!

ブルージャイアント

数あるBLUE GIANTコンピレーションアルバムの中で、いったいどれがおすすめなの?とお悩みのあなた。

今回はCD2枚組「BLUE GIANTコンプリート・エディション」をご紹介します。
これは、数あるコンピレーションアルバムの中で、一番のおすすめです。

このアルバムを決定版とする理由は①アルバム2作分を1つのパッケージにまとめたお得感②原作では曲名が伏せられている曲を特定している③それぞれのアルバムからの選曲が良いという個人的な好みによります。

JAZZ漫画「BLUE GIANT」の世界観を探るのに最適のアルバムといえるでしょう。

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  1. 「BLUE GIANT コンプリート・エディション」とは
  2. 「BLUE GIANT コンプリート・エディション」全曲レビュー
    1. ニュークス・フェイドアウェイ/ソニー・ロリンズ
    2. ノヴェンバー・アフタヌーン/ディジー・ガレスピー
    3. アイ・リメンバー・クリフォード/リー・モーガン
    4. ディープ・ナイト/ソニー・クラーク
    5. コフィ/ドナルド・バード
    6. コンファメーション/チャーリー・パーカー
    7. テンパス・フュージット/バド・パウエル
    8. ディア・ロード/ジョン・コルトレーン
    9. エクリプソ/トミー・フラナガン&ジョン・コルトレーン
    10. リメンバー/ハンク・モブレー
    11. ヴィジテーション/ポール・チェンバース
    12. いつかどこかで/クリフォード・ブラウン
    13. ラウンド・ミッドナイト/セロニアス・モンク
    14. オリーブ・リフラクションズ/ジョニー・グリフィン
    15. アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー/デクスター・ゴードン
    16. モーメンツ・ノーティス(ジョン・コルトレーン)
    17. チュニジアの夜/ソニー・ロリンズ
    18. モーニン/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
    19. ウェル・ユー・ニードント/セロニアス・モンク
    20. 「チェロキー」クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ
    21. カウントダウン/ジョン・コルトレーン
    22. タイム・ワズ/ジョン・コルトレーン
    23. 処女航海/ハービー・ハンコック
  3. 「 BLUE GIANT」コンピレーションアルバム決定版を探せ!まとめ

「BLUE GIANT コンプリート・エディション」とは

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これは2013年発売の「BLUE GIANT」と、2015年発売の「Sound of BLUE GIANT」をセットにしたものです。

ブックレットも、原作者石塚真一氏によるカラー10ページの書下ろし漫画を含む「BLUE GIANT」と、漫画の登場シーンと曲の解説を含む「Sound of BLUE GIANT」と、2冊を合わせたものが添付されています。
「BLUE GIANT」(2013)

「Sound of BLUE GIANT」(2015)

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「BLUE GIANT コンプリート・エディション」全曲レビュー

ニュークス・フェイドアウェイ/ソニー・ロリンズ

「ソニー・ロリンズ・ウィズMJQ」より

BLUE GIANT6巻に登場するこの曲。
アルバムはMJQとの共演ですがこの曲は下記メンバーです。

ソニー・ロリンズ(テナー・サックス)
アート・ブレイキー(ドラム)
ケニー・ドリュー(ピアノ)
パーシー・ヒース(ベース)

自由に、大胆に吹き鳴らされるテナーサックスは、アルバムの1曲目を飾るのにピッタリですね!

ノヴェンバー・アフタヌーン/ディジー・ガレスピー

「サムシング・オールド・サムシング・ニュー」(ディジー・ガレスピー)より

どこかエキゾティックなメロディーを抑えたトーンで歌うディジーのトランペットがクール!
続いてはジェームス・ムーディのテナーサックスがまたいい。
ドライブのお伴に聴いたら、ハマりそうな一曲です。

ディジー・ガレスピー(トランペット)
ジェームス・ムーディ(テナーサックス)
ケニー・バロン(ピアノ)
クリス・ホワイト(ベース)
ルディ・コリンズ (ドラム)

アイ・リメンバー・クリフォード/リー・モーガン

「リー・モーガンvol.3」より
わずか26歳で自動車事故死した天才トランぺッター、クリフォード・ブラウンを悼み、テナーサックス奏者、ベニー・ゴルソンが書いた曲。

この美しいバラードはリー・モーガンが吹くこのアルバムで一躍有名になり、その後ジョン・ヘンドリックスが歌詞をつけ、歌われるようにもなりました。

リー・モーガン(トランペット)
ジジ・グライス(アルトサックス)
ベニー・ゴルソン(テナーサックス)
ウィントン・ケリー(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
チャーリー・パーシップ(ドラム)

ディープ・ナイト/ソニー・クラーク

「クール・ストラッティン」ソニー・クラークより

ジャズファンでなくてもきっと見たことあるこのジャケット、聞いたことある有名な曲。
名盤から選ばれたのは、ジャッキー・マクリーンのサックスが冴えわたるこの曲でした。
フィリー・ジョー・ジョーンズのドラムもこれがジャズだ!と主張しているかのようです。

ソニー・クラーク(ピアノ)
アート・ファーマー(トランペット)
ジャッキー・マクリーン(アルト・サックス)
ポール・チェンバース(ベース)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)

コフィ/ドナルド・バード

「コフィ」(ドナルド・バード)より

ルー・タバキンの印象的なフルートから始まりフランク・フォスターのテナーサックスへ。
場が温まったころドナルド・バードが登場!ファンキーなジャズが楽しめます。

ドナルド・バード(フリューゲルホーン)
デューク・ピアソン(エレクトリックピアノ)
ウィリアム・キャンベル(トロンボーン)
ルー・タバキン(フルート)
フランク・フォスター(テナーサックス)
ロン・カーター(ベース)
アイアート・モレイラ(ドラム)

コンファメーション/チャーリー・パーカー

「ナウズ・ザ・タイム」チャーリー・パーカー

BLUE GIANT1巻 の冒頭で出てくる「3枚のCD  」の1枚。
主人公の大君は、当然この曲も耳コピして吹いていたんだろうなというお約束の1曲です。

チャーリー・パーカー(アルトサックス)
アル・ヘイグ(ピアノ)
パーシー・ヒース(ベース)
マックス・ローチ(ドラム)

テンパス・フュージット/バド・パウエル

 「ジャズ・ジャイアント」(バド・パウエル)収録

バド・パウエルのアルバム「ピアノ」から1曲だそうですが、この曲は「ジャズ・ジャイアント」の1曲目のイメージが強いので、あえてこちらのアルバムをご紹介。

この豪快なドライブ感!
漫画のタイトル「BLUE GIANT」はこのアルバムにも敬意を払っているものと推察します。

バド・パウエル(ピアノ)
レイ・ブラウン(ベース)
マックス・ローチ(ドラム)

ディア・ロード/ジョン・コルトレーン

「トランジション」(ジョン・コルトレーン)より

コルトレーン・カルテット分裂直前の1枚。
やはりコルトレーンの吹くバラードは、美しすぎてなぜか少し悲しくなってしまいます。

ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
マッコイ・タイナー(ピアノ)
ジミー・ギャリソン(ベース)
ロイ・ヘインズ(ドラム)

エクリプソ/トミー・フラナガン&ジョン・コルトレーン

「ザ・キャッツ」(トミー・フラナガン&ジョン・コルトレーン)より

このアルバムはトミー・フラナガンの有名なアルバム「Overseas」の直前のセッションです。
アルバムジャケットはかわいい猫ちゃんですが、The Catsはジャズ・ミュージシャンのこと、から転じて「イケてる」の意味で使われています。

「エクリプソ」はトミー・フラナガンの代表曲。日食・月食を表すEclipseと、カリブ海の音楽Calypsoとの造語です。

トミー・フラナガン(ピアノ)
ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
アイドリース・シュリーマン(トランペット)
ケニー・バレル(ギター)
ダグ・ワトキンス(ベース)
ルイ・ヘイズ(ドラム)

リメンバー/ハンク・モブレー

 「ソウルステーション」(ハンク・モブレー)より
ハンク・モブレーの代表作といわれるこのアルバムの中でも愛されている1曲です。
バリバリに吹きまくるわけでなく、余裕を感じさせる演奏がいい。

ハンク・モブレー(テナーサックス)
ウィントン・ケリー(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
アート・ブレイキー(ドラム)

ヴィジテーション/ポール・チェンバース

 「チェンバース・ミュージック」(ポール・チェンバース)より

ブラシによるドラムに載せてのベースソロで始まり、ピアノは絶妙に合いの手を入れるだけですべてミスター・ベースマンが(ハミングしながら)弾き切ります。
ウッドベース好きにはたまらない、ポール・チェンバース自作曲です。

ポール・チェンバース(ベース)
フィリー・リー・ジョーンズ(ドラム)
ケニー・ドリュー(ピアノ)

いつかどこかで/クリフォード・ブラウン

「クリフォード・ブラウン ウィズ ストリングス」より

夭折の天才トランぺッター、クリフォード・ブラウンが、ストリングスをバックにバラードを吹くという、ブラウニーファンには必聴のアルバム。

ロレンツ・ハート作曲、リチャード・ロジャース作曲のWhere or When、曲の美しさを味わえる名演です。

ラウンド・ミッドナイト/セロニアス・モンク

「セロニアス・ヒムセルフ」(セロニアス・モンク)より

アルバム「BLUE GIANT」の最後を締めるのはセロニアス・モンクの代表曲、ラウンド・ミッドナイトのソロ演奏。
静謐のなかの孤独感。
聴く者の心の中までいやでも覗かせてしまう演奏です。

セロニアス・モンク(ピアノ)

オリーブ・リフラクションズ/ジョニー・グリフィン

「ザ・リトル・ジャイアント」(ジョニー・グリフィン) より

BLUE GIANT1巻、川原で聴いているこのアルバムからの1曲。
主人公宮本大のイメージにぴったり!です。

アルバムタイトルはジョニー・グリフィンのニックネーム「ザ・リトル・ジャイアント」。
162㎝という小柄な身体から放たれるビッグなプレイに由来しています。
漫画BLUE GIANTのタイトルも、ここにルーツがあるのでしょうか?

ジョニー・グリフィン(テナー・サックス)
ブルー・ミッチェル(トランペット)
ジュリアン・プリースター(トロンボーン)
ウィントン・ケリー(ピアノ)
サム・ジョーンズ(ベース)
アルバート・ヒース(ドラム)

アイム・ア・フール・トゥ・ウォント・ユー/デクスター・ゴードン

 「クラブハウス」(デクスター・ゴードン)より
これもBLUE GIANT1巻、大が高校の教室で眺めているCDです。
このアルバムから選ばれたこの曲が、素敵なんです。

作曲:ジョエル・S・ヘロン、作詞:ジャック・ウルフ&フランク・シナトラ。
フランク・シナトラが妻と離婚し、女優のエヴァ・ガードナーと再婚しようという時期、元の歌詞を書き換えて歌い、ヒットした歌です。
手の届かない人を想い、忘れようとしても諦めきれない…と歌う切ないバラードです。
当時のフランク・シナトラの状況をそのまま歌っていたのでしょう。

デクスターが吹く、最初のフレーズが ”I’m a fool to want you”、痺れます!
歌詞など要らないかと思う程に、情感溢れる演奏を聴いてみてください。

デクスター・ゴードン(テナー・サックス)
バリー・ハリス(ピアノ)
ベン・タッカー(ベース)
ビリー・ヒギンス(ドラム)

モーメンツ・ノーティス(ジョン・コルトレーン)

「ブルー・トレーン」(ジョン・コルトレーン)より

BLUE GIANT1巻、バイト先のガソリンスタンドで「歌ってよ」と言われて歌ってみせる曲。

ジョン・コルトレーン(テナー・サックス)
リー・モーガン(トランペット)
カーティス・フラー(トトンボーン)
ケニー・ドリュー(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)

チュニジアの夜/ソニー・ロリンズ

「ヴィレッジ・ヴァンガードの夜」(ソニー・ロリンズ)より

BLUE GIANT2巻に登場するこの曲。

ヴィレッジ・ヴァンガードでのピアノなしのライブ録音。
たった3人で紡ぎ出すエキゾチックな夜の風景が、圧倒的に迫ってきます。

ソニー・ロリンズ(テナーサックス)
エルヴィン・ジョーンズ(ドラム)
ウィルバー・ウェア(ベース)

モーニン/アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ

「モーニン」(アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ)より

BLUE GIANT 2巻、バイト先のガソリンスタンドの所長に釣りに連れて行ってもらったときに口笛で吹いていた曲。

このキャッチーなフレーズ、日本ではモダンジャズブームの火付け役となったと言われるほど有名な曲です。

アート・ブレイキー(ドラム)
リー・モーガン(トランペット)
ベニー・ゴルソン(テナーサックス)
ボビー・ティモンズ(ピアノ)
ジミー・メリット(ベース)

ウェル・ユー・ニードント/セロニアス・モンク

 「モンクス・ミュージック」(セロニアス・モンク)より

BLUE GIANT 3巻の、バーナムと川原に練習に行くシーンで聴いていたのがセロニアス・モンク。

どうでしょう、このアルバムジャケット!これは、飾っておくために買いたくなるほどいいですね!
この曲は、カーメン・マクレェがモンクの曲を歌うアルバム「Carmen Sings Monk」というアルバムで聴いたとき、あまりのカッコよさに鳥肌が立ちました。
そちらもおすすめ。

セロニアス・モンク(ピアノ)
レイ・コープランド(トランペット)
ジジ・グライス(アルトサックス)
ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
コールマン・ホーキンス(テナーサックス)
ウィルバー・ウェア(ベース)
アート・ブレイキー(ドラム)

「チェロキー」クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ

「スタディ・イン・ブラウン」(クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ)
BLUE GIANT4巻に出てくるこの曲。高速で技巧を駆使しながらもセッションすることの意味に目覚めていくシーンでした。

「チェロキー」で始まり「A列車で行こう」で終わるこの名盤も、お互いの音を聴き合い重ね合って音楽を創っていくjazzの真髄を感じ取れます。

クリフォード・ブラウン(トランペット)
マックス・ローチ(ドラム)
ハロルド・ランド(テナーサックス)
リッチー・パウエル(ピアノ)
ジョージ・モロウ(ベース)

カウントダウン/ジョン・コルトレーン

「ジャイアント・ステップス」(ジョン・コルトレーン) より

BLUE GIANT 3巻、宮本大が文化祭で吹く曲として登場します。

ジョン・コルトレーンの、熱く、太い音で隙間なく埋め尽くすスタイルは「シーツ・オヴ・サウンド」と呼ばれています。「ジャイアント・ステップス」はその代表作といわれる名盤です。

ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
トミー・フラナガン ( ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
アート・テイラー (ドラム)

タイム・ワズ/ジョン・コルトレーン

「コルトレーン」(ジョン・コルトレーン)より

「BLUE GIANT」4巻で、大が初めてサックスを家族に聞かせた曲。
宮本大のサックスって、きっとこんなスタイルだったのかも、と思える1曲。

ジョン・コルトレーン(テナーサックス)
レッド・ガーランド(ピアノ)
ポール・チェンバース(ベース)
アルバート・ヒース(ドラム)

処女航海/ハービー・ハンコック

「処女航海」(ハービー・ハンコック)より

「BLUE GIANT」4巻、東京に出てきた大が屋形船の客のリクエストに答えて吹く曲。

ハービー・ハンコックがマイルス・デイヴィス・クインテット在団中に、マイルスの代わりにフレディ・ハバードを加えて同僚たちと録音したもの。

ハービー・ハンコック(ピアノ)
フレディ・ハバード(トランペット)
ジョージ・コールマン(テナーサックス)
ロン・カーター(ベース)
トニー・ウィリアムス(ドラム)

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「 BLUE GIANT」コンピレーションアルバム決定版を探せ!まとめ

元のアルバムを1曲ずつ探りながらご紹介してきて感じたこと。

このアルバムはお得です。

「ジャズを聴いてみよう」と「名盤〇枚」等の本を片手にCDを集めても、絶対に出てこない名盤、名演をプロの目と耳で厳選してあるのですから。

しかもこの曲数!ジャズの入門として聴いても、きっとジャズを好きになってしまうでしょう。

漫画「BLUE GIANT」で垣間見た世界を、耳で聴くのに最適の選曲です。

「この曲イイな」「この演奏者イイな」と思ったら、このブログがその先の一歩のお役に立てばこの上ない喜びです。

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