『ベルサイユのばら4』あらすじとその魅力の秘密

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50年の歳月もその魅力を色あせさせることは出来ない不朽の名作『ベルサイユのばら』。

この記事からは文庫版5冊の1冊ごとにあらすじ『ベルサイユのばら』の魅力を解説していきます。

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『ベルサイユのばら4』あらすじ

(1788年)
オスカルは休暇が明けても出勤してこないアランを心配してパリの街に行き、ベルナールが三部会を求めて演説するのを聞きます。
「自由」「平等」「博愛」というジャン・ジャック・ルソーの言葉がオスカルの頭に残ります

アランの妹のディアンヌは、婚約を破棄されたことに苦しみ、自ら命を絶ってしまっていたのです。

オスカルは突然自分の肖像画を描かせるために、屋敷に画家を呼びます
画家はアラスの出身で、ロベスピエールを知っていました。
画家との会話の中でも、「時代」を意識させられたオスカルでした。

1789年5月
ついに三部会が行われました。
その場に出席した国王のためには拍手喝さいが起こりましたが、マリー・アントワネットは冷たい沈黙で迎えられました。
マリー・アントワネットは国民の憎悪は自分一人に向かっていると、自覚するのでした。

1789年6月
第一王子、ルイ・ジョゼフ・グザビエが亡くなりますが、国庫にはお葬式を出すだけのお金がありません
マリー・アントワネットはようやく自分の浪費の償いをするときが来たことを悟ります。

1789年6月17日
平民議員は『国民議会』を名乗る決議をしますが、軍が出動し、平民議員の会議場入りを邪魔します。会議場から閉め出された平民議員はテニスコートに集まり、意思結集を図ります。

1789年6月23日
国王は『国民議会』を招集しますが、平民は裏口から入るよう要求、オスカルもアランも怒りをあらわにします。
ブイエ将軍は会議場から平民議員を追い払うよう命令しますが、オスカルも、アラン以下第1班も命令を拒否します。

謀反人となったオスカルに怒り狂った父レニエ将軍は「成敗してやる」と剣を抜きますが、その手を押さえたのはアンドレでした。
命を懸けてオスカルを救う覚悟のアンドレを見て、レニエは怒りを納めます。
オスカルは自分の無力を認め、ついにアンドレに「愛している」と告げるのでした

そして、屋敷を抜け出しパリへ行き、ベルナールにアランたちの解放を依頼します。

アンドレの目がほとんど見えなくなってきた今、オスカルの身体にも異変が起こっていました。

突然の喀血。オスカルはいつの間にか重い病を得ていたのです。

7月13日の出動命令が出た時、オスカルの肖像画は完成しました。
それは遠い夏の日、1773年6月8日、18歳の近衛兵・オスカルの姿でした。
明日は出動、という7月12日の夜、アンドレはオスカルの居室に呼ばれ、二人は初めて結ばれました

1789年7月13日、テュイルリー宮広場で民衆にドイツ人騎兵が発砲する事態が起きました。
オスカルは軍服から勲章をはぎ取り、民衆の側につくのか、ドイツ人騎兵軍につくのかを隊員に選ばせます。

フランス衛兵隊は民衆の側につき戦闘を始めますが、咳き込んだオスカルを狙う狙撃手からかばい、アンドレが撃たれてしまいます!
オスカルが水を手に入れている間に息を引き取ったアンドレ。
オスカルの苦悩はたとえようもありません。

1789年7月14日。
バスティーユ牢獄から大砲が市民を狙っているらしいという情報を聞いて、オスカルはフランス衛兵隊を率いてバスティーユに向かいます。

オスカルは「アンドレ行くぞ」といつものように声を掛けてしまい、しばらく悲しみに打ちひしがれますが、民衆が戦うバスティーユへ、大砲を牽いて参戦するのでした。

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『ベルサイユのばら』の魅力・性別を超越して見せたオスカル

これまで男としての人生を貫き、たった一度の女装も失恋の確信になってしまったオスカルでしたが、生涯ただ一夜だけ、女性としての幸せを知った夜がありました。

たった一夜をアンドレ・グランディエの妻に

明日は出撃。
オスカルは謀反を決心しているので、何があってもおかしくないと覚悟をしています。
それはアンドレも同じでしょう。

オスカルが「今夜一晩をおまえと一緒に アンドレ・グランディエの妻に」と告げると、アンドレは「自分には地位も財産も武力も何もない」と言います。

しかし、優しくオスカルを抱え上げ愛を与える、そのたくましい姿は、全ての女子に『理想の恋人』像をインプリンティングしてしまったでしょう!

アンドレ『ベルサイユのばら』4巻p.294

アンドレ『ベルサイユのばら』4巻p.294

使命を持って生きる人間の強さとはかなさ

貴族の家に生まれ、幼い頃より近衛兵として選ばれ、王妃の元で軍人としての栄華を極めて来たオスカルは、なぜ、民衆の側に立って戦う決心をしたのでしょう?

ベルナールに「王宮の飾り人形」と言われたら?
それ以前にロザリーとの縁があり、庶民の苦しい生活を知っていたから?

近衛兵の地位を捨ててフランス衛兵隊を率い、平民の多い隊士たちの生活に触れたから?
「身分の違い」に苦しむアンドレが隣にいたから?

貴族が貧しい庶民から搾取をして贅沢をしているという自覚は、オスカルにとって恥ずかしいことであったでしょう。
また、勉強家であり、ジャン・ジャック・ルソーやヴォルテールの思想に触れていたこと、ロベスピエールの自由な思想に共感していたことも大きな要因でしょう。

さらに、うがちすぎかもしれませんが、自分自身が不治の病に侵されていたことが、自分の命の使い方を深く考えさせるきっかけになったかもしれません。

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『ベルサイユのばら4』あらすじとその魅力の秘密・まとめ

ついにフランス革命が勃発しまいますが、オスカルはその前についにアンドレに愛を伝えることができました

この巻ではフランス革命直前のパリが描かれ、主人公は貴族階級であっても、民衆の側の心理が理解できるように書かれています。

だからこそ、革命に命を捧げるオスカルや、オスカルのために旅立ってしまうアンドレの姿が悲しくも美しく胸を打ちます。

次巻の成り行きを知識として知ってはいても、早く読みたくてたまらなくなる第4巻でした。

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