『ドライブ・マイ・カー』映画と村上春樹著の原作との違いは?

映画

映画『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹の短編小説『ドライブ・マイ・カー』他2編が原作です。原作と映画の違いを調べてみました。

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映画『ドライブ・マイ・カー』と原作との関係は?

映画『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹の短編集『女のいない男たち』から、『ドライブ・マイ・カー』『シェエラザード』『木野』の3編をモチーフとして抜き出し、これに劇中劇『ワーニャ伯父さん』が絡み合う構成です。

そのため、短編『ドライブ・マイ・カー』一編よりもかなり濃厚な大作に仕上がっています。

このことについて脚本・監督の濱口竜介氏は次のように語っています。

プロデューサーの山本晃久氏と次作の検討をしている中で村上春樹氏の短編を提案されたが、以前自分が興味を持ってワークショップで取り上げたことのある『ドライブ・マイ・カー』であれば映画化したい、と申し出ました

『ドライブ・マイ・カー』は短編なので材料が足りない。短編集『女のいない男たち』を何度も読み返すうちに『シェエラザード』『木野』にたがいに共通するものを覚え、村上春樹氏にこれらをモチーフとして使う許可を得て、制作できました

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映画『ドライブ・マイ・カー』と原作との違いは?

車(サーブ900)

原作では「黄色のサーブ900コンバーティブル」となっていますが、映画に登場するのは「赤のサーブ900ターボ・サンルーフ」です。

黄色のサーブ900コンバーティブル。(写真はCarSensorサイトより)これは素敵だ!

映画パンフレットには「より風景に映える赤のサーブが使用されている」と説明がありました。
映画の中では街中、海辺、高速道路、閑散とした雪野原などを縦横無尽に走る姿が使用され、車自身が主役の一人と言えます。

特に雪の中のシーンでの「映え」を重視して赤になったのでしょう。

妻の職業

原作では、妻の職業は女優ですが、映画では脚本家です。

「幼い子供を亡くしたショックで演じられなくなった」という説明があり、これは「流産のショックで踊れなくなったダンサーが家福の芝居で再び演じることを始められる」設定と重なりますが、このくだりは別記事にしましょう。

妻の職業を脚本家にしたのは、短編『シェエラザード』を妻の姿に投影するためでしょう。

タイトルから想像できるように、語り部としての役割とそのスタイル、また彼女の語る物語が映画に取り入れられています。

運転手を雇う理由とドライブする場所

原作では主人公の接触事故から緑内障が発覚し、再検査の結果までの限定で、所属事務所が運転手を雇います。

映画では、主人公は緑内障はあるものの自分で運転を続けています。そして広島での演劇祭に参加するため、2か月の期間中運転を禁じられ、主催者側の用意した運転手がハンドルを握ることになります。

これに伴い、運転する場所も原作では東京都内の目黒~銀座界隈であったのが、広島に変更されます。

パンフレットによると、良いカメラポジションを得るためには東京都内はムリだったため、釜山(韓国)も候補に上がりましたが結局は広島に落ち着いたとのことです。

また、車の中でセリフを聞きたい、という理由で主人公の宿は瀬戸内海の小島という設定になり、ドライブの場面では美しい風景を堪能できることとなっています。

 運転手と亡くなった娘の年齢

原作ではみさきの年齢は24歳。家福の回想に「娘が生きていたら24歳」と出てきます。

映画の中では渡利みさきの年齢は23歳。同様に「娘が生きていたら23歳」となっていますが、ここでの1歳の差は、どうなのでしょうか。

みさきが広島に出てきた理由にヒントがあるかもしれません。

原作では、みさきは17歳の時、母親を車の衝突事故で亡くしています。ですので高校卒業後、上京して現在に至るという道筋が想像できます。

映画ではみさきの生家は裏山の土砂崩れに潰され、母親を亡くしています。そのまま無事だった車に乗って、理由もなく西へ来た、と話します。
もっとも、父親の姓である「渡利」が広島方面に多いということも、身寄りの人間に会えるかもしれない、という希望につながっていたかもしれません。

土砂崩れがいつの事か、説明はありませんが、がれきがそのまま残っていることから、そう昔の話でもないのかもしれません。

主人公家福と妻が子どもを亡くしたのも、原作では生後3日のこと。映画ではもう少し大きくなってからです。

高槻の性格

妻の浮気相手、高槻は原作の中ではおとなしい青年ですが、映画では、冒頭から浮気の現場で登場したり、演技中に情熱的な面を現わしたり、カッとなりやすい性格として登場します。

これは、高槻の中途での降板により、家福の演者として、人間としての再生劇を導くための導線となります。

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『ドライブ・マイ・カー』映画と原作との違いは?

村上春樹の小説『ドライブ・マイ・カー』と映画『ドライブ・マイ・カー』との違いを調べてご紹介しました。

映画ではさらに肉付けされて見ごたえのある大作になっていますので、他にお気づきの点も多々あるかと思います。

また、理由の考察についても、観る人ごとに解釈は違うと思いますので、あくまで一つのとらえ方として記載させていただきました。

コメント等で、ご意見・反論等お聞かせいただけたら嬉しいです!
ご一緒にこの映画について語りましょう!

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