『燃えよ剣』が沖田総司のかわいいキャラを作った?美少年の天才剣士

燃えよ剣

明るく小粋な江戸育ちの美少年。
子どものような真っ直ぐな物言い。

しかしひとたび剣を持てばその速さ、巧みさ、強さは新選組随一。

沖田総司のイメージはこの『燃えよ剣』で司馬遼太郎によって確立されたと言われています。

司馬遼太郎の描く沖田総司の外見、性格、行動から、沖田総司の魅力に迫ります!

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小説『燃えよ剣』に描かれる沖田総司の外見

すでに手甲、脚絆で四肢をかため、腰に馬乗り提灯を差し、袴ははかず、尻をからげている。
それが、この二十の若者にはひどく小意気に見えた。

『燃えよ剣』上巻より

近藤の道場の収入源は、多摩方面への出稽古です。

もともと多摩の農民の出身である近藤勇、土方歳三は”土臭い”野生味に溢れていますが、沖田総司は江戸育ち。
軽装の旅姿でも垢抜けています。

土方歳三がとある剣士を斬ってしまったため、仲間の七里研之助は仇討ちを企んでいるのです。

(七里研之助)「だまってついてきてもらおう」
(沖田総司)「どこへです」

沖田は育ちがいいから、言葉がいい。ちょっと色小姓にしたいような美貌である

『燃えよ剣』上巻より

この短い一文が、現在の沖田総司像のもとになっています。

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小説『燃えよ剣』に描かれる沖田総司の口ぶり、しぐさ

沖田総司の特徴として、子どもっぽさをのこしたしゃべりかたや、いつも陽気でにこにこ笑っている様子が描かれます。

(土方歳三)「総司、これで斬れると思うか」
(沖田総司)「さあ、どうかなあ。私は土方さんのように人を斬ったことはありませんのでね」

可愛い唇許(くちもと)で、からかうように笑った

『燃えよ剣』上巻より

ガンダムくん
ガンダムくん

読者も沖田総司には好感を持っちゃうよな!

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小説『燃えよ剣』に描かれる沖田総司の行動

このあと分倍河原で七里研之助らの一行と立ち会うことになる、土方と沖田です。

初めて真剣で斬り合う経験をする沖田総司は

「なんだか変だよ。お尻の菊座のあたりがむずむずしてきちゃった。」

と訴え、桑畑で用を足します。
土方もつられて桑畑へ。

しかし、いざ敵と向き合えば
「沖田総司、参る」と水際立った腕を見せます!

ガンダムくん
ガンダムくん

「アムロ、行きまーす!」か?

シャア専用ズゴック
シャア専用ズゴック

違うだろ

初めての実戦でも、土方と背中合わせになってかばい合い、見事脱出します。

そして、返り血を浴びた土方の「開いた口がふさがらなくなった」ことに、沖田は全く返り血をあびていないのです。

(こいつ、鬼の申し子か)

戦場での血の騒ぎを収めるために、馴染みの女を訪ねる土方歳三とは逆に、沖田総司は童歌を歌いながら、多摩川べりを江戸・試衛館へと歩いて戻るのです。

ザクちゃん
ザクちゃん

初めての戦場でも水際立ったはたらき、とはまさに天才剣士だな!

京都で新選組を結成すると、一番隊組長として剣をふるいます。

これまで「沖田は利口で」「よく舌の回るやつ」と書かれてきましたが、

豪胆な男だ。

と形容されています。

しかし京で活動を始めてまもなく、咳に悩まされる様子が描かれます。

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小説『燃えよ剣』で愛される存在としての沖田総司

土方歳三の私室を訪ねた沖田総司は、歳三が俳句を書き付けた句帳を取り上げ、からかいます。

「鬼の副長」とよばれる歳三が、赤くなったり青くなったり。

こんなことができるのは、総司だけでしょう。

また、池田屋の変の前、こんな会話が交わされています。

(沖田総司)「しかし、いやだなあ。見張りなんてのは。私の性に合いませんよ」
(土方歳三)「まあ、我慢しろ。あす、交代させる」
(沖田総司)「必ず?」
菓子を一つ、口に入れた。
のんきな顔だ。

『燃えよ剣』上巻より

新選組の中に、こんなのんきな顔があるとは信じられませんね。
沖田総司ならではでしょう。

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小説『燃えよ剣』に描かれる上司をなだめる沖田総司

蛤御門の変では、新選組は手柄を上げることができませんでした。

近藤勇は「武運がなかった」と言いますが、土方歳三は「京に戻る」と主張します。

「土方さん」
沖田総司が向いの家からにこにこ笑いながら出てきた。手に黒塗りの桶を抱えている。

「鮒寿司ですよ。土方さんの好物のはずだ」
(土方)「みんなにわけてやれ」

「たれも食いつきゃしませんよ。新選組副長以外は」

沖田は、寿司にかこつけて何かをいっているつもりらしい。

『燃えよ剣』上巻より

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小説『燃えよ剣』病に倒れ透明感を増していく沖田総司

結核が悪化し、医者の薬の他に土方歳三の生家の煎じ薬「虚労散」も飲んでいます。

日本全体の政治の情勢は大きな変化を迎え、近藤勇の思想はぐらつき始めます。

そんな中、

(土方歳三)「総司、お前はいいやつだねえ。おれも、来世もし、うまれかわるとすれば、こんなあくのつよい性分ではなく、お前のような人間になって出てきたいよ」

(沖田総司)「さあ、どっちが幸福かわかりませんよ。
もってうまれた自分の性分で精一ぱいに生きるほか、人間、しかたがないのではないでしょうか」

『燃えよ剣』下巻より

総司はだんだんと寝込むことが増えてきました。

しかし穏やかな物腰も、にこにこと明るい笑いも、変わることはありません。

それだけに、総司を愛する仲間たちには、まるで自分の命を達観しているようにも見えたのでしょう。

大阪から江戸へ向かう船の上で、監察・山崎蒸の葬儀が海軍式で行われます。

この場に羽織、袴で身なりを整え、刀を杖にして、沖田総司も参列しました。

歳三は、この若者の笑顔が、透きとおるような美しさになってきているのを、おそろしいものでも見るようにして見た。

『燃えよ剣』下巻より

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小説『燃えよ剣』菊一文字を抱いて…沖田総司の最期

江戸では、千駄ヶ谷の植木屋の納屋を病室に整えて養生していました。

姉の夫、沖田林太郎は庄内藩の江戸藩邸に住んでいましたが、藩主が江戸屋敷を引き払い帰国したため、残務整理のあと庄内へ行かねばなりません。

姉のお光もです。

姉と昔話をして別れた後は、身の回りの世話をする老婆がいるだけです。

縁側に這い出て、菊一文字を抱いてたったひとりで亡くなっていました。
「いつも庭に来る黒い猫を斬ろうとしていた」と言われています。

女性には縁が薄く、京では町医者の娘に淡い恋心抱いたことがありましたが、実らずに終わってしまいました。

沖田総司 享年24、25、27の三説あり。

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映画『燃えよ剣』で沖田総司を演じるのは山田涼介さん!

「吐く息も沖田総司」って・・・これはもう、スクリーンで見るしかないですね!

山田涼介さんは減量も大変だったようです!

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小説『燃えよ剣』が沖田総司のキャラを決定づけた!?美少年の天才剣士

沖田総司=美少年のキャラを決定づけたこの『燃えよ剣』。

原作小説からの引用を読むと、この伝説の剣士沖田総司のキャラクターがいかに丁寧に創られてきたかわかりますね。

誰でも好きになってしまう総司を演じるのが、これまた山田涼介さん!

写真を見るだけで「イメージぴったり!」と思っちゃいます。

映画『燃えよ剣』の公開が楽しみです!

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『燃えよ剣』感想【ネタバレあり】見どころありすぎ!キャラ立ちすぎ!はこちら

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