映画『燃えよ剣』に登場する山南敬助とはどんな人物だったのか?
劇中で山南敬助が演じる見どころは?
原作小説『燃えよ剣』から探ってみました。
山南敬助を演じるのは安井順平さん
本名:安井 順平
生年月日 :1974年3月4日
出身地:東京都狛江市
身長: 169cm
お笑い芸人さんとしてデビューしましたが、現在はドラマ・舞台・映画・CM等で大活躍されています。
新選組副組長。
試衛館の剣客で、攘夷論を掲げ土方から疎まれている、文武両道の器量人。#映画燃えよ剣 #5月22日公開 pic.twitter.com/LvH0HHbxRG— 映画『燃えよ剣』 (@moeyoken_movie) April 3, 2020
黒の集団。このスチール撮った瞬間を今でも鮮明に思い出せる。"原田眞人流燃えよ剣"
この大作をスクリーンで是非。私は山南敬助を演じています。#燃えよ剣#新選組 https://t.co/eANoR6Rlwb— 安井順平 Junpei YASUI (@yasuijunpei) February 7, 2020
メガネが特徴的な山南さんは、土方歳三には反発しながらも、人格者で隊士からは慕われる山南敬助を演じています。
土方とそりが合わなかっただけで、せっかくの人格も知識も存分に生かせなかった山南さん、無念だろうなあ。
なんだか、昔の話でも、他人事でもないような気がするよな(笑)
『燃えよ剣』山南敬助のキャラクター
近藤勇の道場「試衛館」には食客がごろごろしていますが、その中の最年長が山南敬助です。
読み方は、一般的には「やまなみけいすけ」ですが、晩年は三南三郎を名乗っていたことから「さんなん」であった可能性もあります。
仙台・伊達藩脱藩者で学があり、字も上手い。
剣は神田お玉が池の千葉道場で北辰一刀流免許皆伝を得た腕前。
大流派出身だけあって顔が広く情報通です。
清川八郎が浪士を徴募して、京都に横行している攘夷志士の取り締まりにあたらせる、という情報を近藤・土方に伝えたのは山南敬助でした。
麻疹・コレラによる道場の経営危機から、試衛館からは門人9人が京へ上ることになりました。
清川八郎が去り、壬生に残った近藤勇派8人と、芹沢鴨派5人。
宿舎となった八木源之丞屋敷の門にかける大札に、「新選組宿」と大書したのは山南敬助でした。
隊員募集を行い、100名を超える隊になると、土方は局長・副長・助勤といった組織を作りました。
山南敬助は、土方歳三と同じ副長職に就きましたが、芹沢派の粛清の後「総長」になっています。
これは、馬が合わない土方が山南を飾り物の座に据えたということです。
山南は厳しい「局中法度」に関して、何度かとりなしを試みていますが、すべて却下されています。
池田屋の変でも、長州にやや同情的な山南には出動の声がかかることはありませんでした。
体調不良であったという記録もあるけど、土方歳三は山南敬介を活躍させなかったようだね
1865年2月、山南敬助は新選組を脱走します。
近藤あての置き手紙には「江戸へ帰る」と書いてあります。
もともと山南は勤王心が強く、幕府に批判的であったと言う思想の違いもあったでしょうし、土方に棚上げされてしまったことへの恨みももっていたでしょう。
追手は仲の良かった沖田総司。
沖田が一軒の茶店の前を馬で通りかかると、山南の方から「沖田君」と呼び止めたそうです。
たった一人の追手、ということは見逃してもよいつもりだったのではないでしょうか。
二人はそのまま大津で一泊。
屯所に帰ると、隊法により切腹を申しつけられます。
介錯、沖田総司。
山南敬助、享年33才。
文武両道、山南敬介ほどの男がなぜ新選組に?
名門・千葉道場で北辰一刀流免許皆伝を得た山南敬介ですが、天然理心流の試衛館との他流試合で近藤勇に敗れました。
近藤勇の腕前や人柄に惹かれ、試衛館に出入りするようになり、食客となったようです。
近藤勇には、不思議と人を惹きつける魅力と、懐の広さがあったんだな!
格子戸の別れー山南敬介切腹前
山南敬介には恋人がいました。
島原の遊女で、名は明里。
明里に山南の変事を知らせたのは永倉新八でした。
明里は知らせを聞いて、壬生屯営の前川屋敷へ。
明里は泣きながら、山南の部屋の出窓の格子に手をかけ、人が来て連れ去るまで山南と話していました。
明里が連れ去られた後、山南敬介は切腹。
近藤勇は「浅野内匠頭でも、こう見事にはあい果てまい」と賞賛したそうだよ。
しかし、永倉新八の手記『新選組顛末記』や『浪士文久報国記事』には明里についての記述が見られません。
そのため、現在では子母沢寛による創作の可能性が高いと考えられています。
『燃えよ剣』山南敬助は「親切なサンナンさん」と慕われた文武両道の好漢まとめ
名門北信一刀流の免許皆伝の腕を持ちながら、近藤勇に惚れ込み、小道場「試衛館」の仲間と共に浪士組へ。
新しい時代の幕開けに力を尽くすつもりが、新選組は幕府を護るために攘夷志士を斬る集団でした。
副長土方歳三との相性が悪く、道半ばで切腹を申し付けられてしまうとは惜しいことです。
山南が逃げることなく死を選んだのは、憂国の志士同志で争うことの不毛さや、国を襲う本当の脅威に立ち向かうべきであることを、誰かに伝えたかったのかもしれません。
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