『キングダム2』に登場する秦の千人将、縛虎申(ばくこしん)は苛烈な将であるとともに、自らがすべてを背負って戦う勇猛な漢(おとこ)でした。
蛇甘平原の立役者というべき縛虎申の戦いぶりとその名言をご紹介します。
『キングダム』縛虎申(ばくこしん)は特攻好きのいかれた将?
![縛虎申『キングダム』6巻p.7](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.7-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.7
初登場からしてこのテンション!
信の初陣、第4歩兵軍は亜水に向かって行軍中でしたが、途中行き先が蛇甘平原へと変わりました。
蛇甘平原に到着したとたん、整列の号令をかけたのが縛虎申千人将です。
第4軍整列!!
何をぼけっとしている!!さっさと並ばぬかグズ共!!
戦は始まっているのだぞ!!縛虎申『キングダム』6巻p.7
これに対して状況説明を求める歩兵がしゃしゃり出ると「上官に口答えするな 貴様っ」と剣を抜いて斬りつけるという恐ろしさです!
壁千人将がかわりに状況説明を行い、続いて軍編成。
縛虎申、壁、尚角と3人の千人将がいる中、信たちの伍は何と縛虎申隊に配属されてしまいました。
信たちにのちの飛信隊メンバー、山和(さんか)と脇次(きょうじ)が話しかけてきます。
おいお前ら、覚悟しとけよ
縛虎申は特攻好きのいかれた将だ
あの人の部隊は毎回大勢死ぬお前ら最弱の伍はイチコロだろうな
俺らの伍はみんな強ェから楽勝脇次『キングダム』6巻p.19
![ガンダムくん](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/がんだむ-2.jpg)
ちょっと~~ビビらせないでくださいよ!
ほら、もう号令かかっちゃったし!!
![縛虎申『キングダム』6巻p.31](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.31-1.jpg)
縛虎申『キングダム』6巻p.31
「全軍突撃!!!」と縛虎申が叫びます。
「この時を待っていた」という信は、一番乗りに魏軍の歩兵隊に飛び込み、中から切り崩し味方の突入口を作ります!
信は第4歩兵隊を先導して、素早く敵隊長を倒しますが、魏軍は早くも戦車隊を出し、第4歩兵隊を蹂躙し始めます。
歩兵隊の損害にやきもきする壁ですが、この戦況のなか麃公将軍の判断は
「待機じゃあ」なのです。
『キングダム』縛虎申(ばくこしん)は戦局を読む漢
壁は麃公将軍の「待機じゃあ」に疑問を抱いてしまいます。
これでは歩兵が、信たちが全滅してしまう!
そのため、命令に背いて前線に行こうとする壁を、縛虎申が止めます。
全て将軍の策のうちだ…(中略)
貴様は歩兵を助けるためにわざわざ戦場に来たのか
それとも魏軍に勝利するために来たのかどっちだ!!
縛虎申『キングダム』6巻p.102
この言葉は壁の視点と縛虎申の視点の違いをはっきりと表しています。
壁は、歩兵も一人の人間と考え、助けるべきと考えるので救いに行きたいのです。
縛虎申は将軍の策を実行するために1000人の軍を動かしているのです。
だから、歩兵を失うことも
無駄死にではない!!勝利のための栄誉ある戦死だ!!
縛虎申『キングダム』6巻p.113
こう言い切るのです。
壁が最後に「麃公とはそれほど信に足る将か」と聞いた時の、縛虎申の答えは
あの方ほど戦に強い将を他に知らぬ。
縛虎申『キングダム』6巻p.129
この絶対の信頼が、縛虎申を待機させているのです。
自分自身も歩兵達と同じ、麃公の思いのままに動かされる駒だと考えているのでしょう。
『キングダム』縛虎申(ばくこしん)はさらに麃公の本意を読み取る漢
第4歩兵軍の奮戦を聞きつけた麃公は「ここに火がある」と考え、全騎馬隊で信たちの戦場へ向かいます。
壁はこれを「援軍」ととらえ、「よくぞ無事だった」「次の攻撃に備えよ」と指揮をします。
縛虎申は違うんです。
![縛虎申『キングダム』6巻p.129](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.129-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.129
絶体絶命なる死地を乗りこえた貴様らならば、さらなる死地をも乗りこえられる!!
これより我が隊は 敵大歩兵中隊を強行突破し
丘頂上の魏副将宮元の首をとる!!!突撃体制ェェ!!!縛虎申『キングダム』6巻p.130
![縛虎申『キングダム』6巻p.153](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.153-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.153
![縛虎申『キングダム』6巻p.154](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.154-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.154
「勝つためなら俺は全てをくれてやるぞ」そう決心しているのです。
![シャア専用ズゴック](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/zukokku-2.png)
たった46人に何ができるんだ?もうムリだろ
『キングダム』これが縛虎申(ばくこしん)のやり方だ!いやがおうにも盛り上がる士気の上げ方
縛虎申のやりかたは無謀に見えます。歩兵を使い捨てているようにも見えます。
でも縛虎申は、彼ら一人一人の感情も、思考も、ちゃんとわかっているんです。
これから魏の副将・宮元を討ちに行くことが秦軍の勝利そのもの関わる大事と説きます。
歩兵への報賞
![縛虎申『キングダム』6巻p.162](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.162-1.jpg)
縛虎申『キングダム』6巻p.162
信を先頭に登用
![縛虎申『キングダム』6巻p.163](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.163-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.163
信が魏軍から奪った馬に乗っていることを縛虎申に「歩兵の分際で騎馬したものが居りますが」と告げ口した兵がいますが、縛虎申は「放っておけ」といなします。
この戦況の中で信が果たした役割と、信の力量を理解しているのです。
そのためこの場面では
「貴様は伍を離れ先頭に来い。今は一頭でも騎馬が必要だ」と登用するのです。
信の『手柄を立てたい』という望みを理解しているのは、伍の仲間だけではなかったのです。
縛虎申は戦場での信の最初の理解者でもあったのです!
『キングダム』すべてを背負って…縛虎申(ばくこしん)は進む!
![縛虎申『キングダム』6巻p.166](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.166-1.jpg)
縛虎申『キングダム』6巻p.166
宮元に向かって突撃する縛虎申。
これに気付いた尚角の一言が縛虎申の一面を表しています。
あいつは味方が大勢やられた時ほど無茶をするからな
尚角『キングダム』6巻p.166
縛虎申は冷血な男ではないのです。
味方一人一人の犠牲の重さを自分の肩に引き受けて突き進む将なのです。
しかし、魏軍・黄離弦の矢が先頭を切って進む縛虎申の左胸をとらえます!
すかさず駒を並べて縛虎申を守る信。
しかし信の馬も黄離弦の矢に射られ、命の限りの前進ののち、力尽きてしまいます。
この馬と、信に対する縛虎申の言葉がカッコいいんです。
命尽きたるところからさらに前進させたのはお前の力だ
主のために死力をふりしぼる
いい軍馬とはそういうものだ。そういう馬の主となれたら 悲しみではなく誇りで送ってやれ
縛虎申『キングダム』6巻p.200
縛虎申という漢の真の奥深さがうかがわれる一言です。
知らない者には「特攻好きのイカレ野郎」と映っても、縛虎申を知る者にとっては、偉大な将であったことでしょう。
ついに宮元と対峙した縛虎申。
宮元は矢を食らって血まみれ、瀕死の状態で目の前に現れた縛虎申に
「奇跡の積み重ねでここまでたどり着いたか。そんな運頼みの戦をするから数万が犬死にするのだ」
と言葉を投げつけます。
![縛虎申『キングダム』6巻p.203](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』6巻p.203-1.png)
縛虎申『キングダム』6巻p.203
犬死にではない!
奴ら全員の躯の橋を渡って俺はここまで来たのだ縛虎申『キングダム』6巻p.203
ああ…縛虎申はもう目が見えていません。
甘く見た宮元は剣で縛虎申の胸を貫きますが、驚いたことに縛虎申は、至近距離に来た宮元の頭を持っていた剣で突き通したのです!!
『キングダム』縛虎申(ばくこしん)が信に遺した2つのものとは
相討ちとなった縛虎申と宮元。
しかし、魏の大軍が迫る中、丘を死守すると主張する信に、縛虎申は名を尋ね、最後の言葉を遺します。
![縛虎申『キングダム』7巻p.14](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/縛虎申『キングダム』7巻p.14-1.jpg)
縛虎申『キングダム』7巻p.14
いいか信
勇猛と無謀は違うそこをはき違えると 何も遺さず早く死ぬ
皆と共に丘を降れ 命令だ
縛虎申『キングダム』7巻p.14
縛虎申の側近が追手を逃れるために縛虎申の身体を肩に負います。
縛虎申を知る者にとっては、偉大な人物です。遺体を置いて退散するような真似はできません。
「逝かれるならば 我らの肩で」武将冥利に尽きる部下の言葉でしょう。
そして彼らは信に宮元の首を差し出すのです。
「縛虎申隊が勝ち取った戦果だ。何が何でも秦陣営に持ち帰れ…
…縛虎申さまの命令で、我らも異存はない」
縛虎申は一介の歩兵であった信の力を発揮させ、未来に期待を寄せているのです。
それは、麃公の理解者である自分を理解し、志を継いで行く者として、信の未来に期待する言葉であったのでしょう。
『キングダム2』縛虎申(ばくこしん)死す!真の漢(おとこ)の名言集!まとめ
はた目には『特攻好きのいかれた将』に見えた縛虎申は、軍の大きな目的のために、自らを千人を率いる駒の一つとして、戦術のために捧げつくした真の漢でした。
縛虎申の遺志を継ぐ者として、信はこれからもっともっと大きくなっていきます!
映画では渋川清彦さんが縛虎申を演じ、まさに鬼気迫る演技、魂を揺さぶる縛虎申を見せてくれます!
おまけ…宮元の首はどこへ?
![ガンダムくん](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/がんだむ-2.jpg)
え、信が持ってるんだよね?
![王騎『キングダム』7巻p.47](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/王騎『キングダム』7巻p.47-1.jpg)
王騎『キングダム』7巻p.47
![シャア専用ズゴック](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/zukokku-2.png)
この時はな
![ガンダムくん](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/がんだむ-2.jpg)
王騎将軍が向かいの丘から現れて、麃公将軍の戦ぶりについて『知将』対『猛将』の話をする場面だな
![王騎『キングダム』7巻p.83](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/王騎『キングダム』7巻p.83-1.jpg)
王騎『キングダム』7巻p.83
![シャア専用ズゴック](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/zukokku-2.png)
もう持ってないぜ
![ガンダムくん](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/がんだむ-2.jpg)
イヤイヤ身体の陰に隠れて・・・
![信『キングダム』7巻p.85](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2022/07/信『キングダム』7巻p.85-1.png)
信『キングダム』7巻p.85
![シャア専用ズゴック](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/zukokku-2.png)
ないだろ?
![ガンダムくん](https://somanystars.net/wp-content/uploads/2021/06/がんだむ-2.jpg)
あー…澤さんに預けたんじゃ…ないかな?伍長だから…
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