『ゴールデンカムイ』の魅力はアイヌの金塊を追うダイナミックなストーリーはもちろん、北海道のアイヌの生活の知恵や思考に触れることにもありますよね。
作品の中で使われる『アイヌ語』をご紹介していきます。
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|マタカリブ|冬徘徊するもの
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ウェンカムイ|悪い神
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|シタッ|白樺の樹皮
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|シサム|アイヌ以外の日本人
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|テイネポクナモシリ|地獄
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|マキリ、メノコマキリ|小刀
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|チタタプ|獲物を刃物で叩いてひき肉にする料理
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ヒンナ|食事に感謝する言葉
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ニプシフム|木が裂ける音
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|イセポ|ウサギ
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|オソマ|うん●
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|コタン|村
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ホロケウカムイ|狼の神様
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|イオマンテ|飼い熊の霊送り儀礼
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|アシリパ|未来
- 『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|マタカリブ|冬徘徊するもの
杉元とアシリパの出会い。
それは、杉元がヒグマに襲われた後藤竹千代を見つけた時です。
杉元を襲ってきた母熊をアシリパが弓矢で仕留め、杉本の命を救いますが、アシリパは竹千代を襲った熊は別の熊だろうと教えてくれます。
それは特に獰猛な『マタカリブ』。
『冬 徘徊する もの』という意味のこの熊は、冬ごもりしそこなって気が荒くなっている危険な熊です。
マタカリブ。冬に冬眠しない熊もいるんだな!
杉元はアシリパに止められても、竹千代の刺青を手に入れたかったわけだな。
梅子のために…
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ウェンカムイ|悪い神
一度人を食べてしまった熊は、罰として人間しか食べられなくなる。
人間を恐れない凶暴で危険な『ウェンカムイ(悪い神)』になる。
アイヌではそう信じられています。
カムイ=神様って意味みたいだな
じゃあゴールデンカムイ=金の神?
金塊を追う物語だからな!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|シタッ|白樺の樹皮
マタカリブと戦うための明かりを確保するために、アシリパは『シタッ』を拾えと杉元に言います。
『シタッ』とは白樺の樹皮のこと。
『シタッ』は油が多くて長く燃えるから、松明(たいまつ)に使えるのだそう。
生活の知恵だね!自然から多くのことを学んで大切に利用するんだな。
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|シサム|アイヌ以外の日本人
アイヌのアシリパから見れば、アイヌの狩りの知恵も生活の知恵もない『シサム』の杉元。
『シサム』とは、アイヌから見たアイヌ以外の日本人のこと。
アシリパにとっては、シサムの割に勇敢で戦闘力のある杉元は「見どころある奴」って感じだったかな?
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|テイネポクナモシリ|地獄
アイヌは人を食べた熊の肉は食べず、毛皮も取りません。
悪い熊は悪い神となって、テイネポクナモシリという地獄に送られる。
そう考えられています。
悪い神…ウェンカムイだね!
人を襲ったウェンカムイは、もう肉も皮も利用しようとはしないんだね。
アイヌの道徳だね…
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|マキリ、メノコマキリ|小刀
アシリパが持ち歩いている凝った彫刻を施した『マキリ』=小刀。
アシリパの父がアシリパのために彫ってくれた『メノコマキリ』は女性用小刀です。
メノコマキリ…女の子(めのこ)マキリかな?
女の子もたくましくて、勇気があって、強くて賢いな。
アシリパちゃんはその上可愛いし!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|チタタプ|獲物を刃物で叩いてひき肉にする料理
アシリパは罠を仕掛けて捕まえたリスを『チタタプ』という食べ方で杉元にふるまってくれます。
チタタプとは『我々が 刻む もの』という意味で、獲物を刃物で叩いて刻み、ひき肉にする調理法。
交代しながらみんなで『チタタプ、チタタプ』と言いながら叩きます。
こうすることで、肉だけでなく骨も血も食べやすくなるんですね。
本来『チタタプ』は生食だそうですが、アシリパは杉元が食べやすいようにオハウ(汁物)にしてくれます。
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ヒンナ|食事に感謝する言葉
杉元の食レポは毎回注目ですね。
肉は臭みが無くほんのりと甘くて木の実の香りがある。
柔らかい肉の中に細かく刻んだ骨のコリコリした食感が良い!
杉元佐一 『ゴールデンカムイ』1巻5話
その横でアシリパは至福の表情を浮かべながら『ヒンナヒンナ』と言っています。
ヒンナは食事に感謝する言葉なのです。
杉元の食レポを読むと「いったいどんな味なんだろ?」って食べてみたくなるよね!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ニプシフム|木が裂ける音
マイナス30度の猛烈な寒気が杉元たちに襲い掛かる!
すると、立ち木の中の水分が凍って、幹が裂けてしまうのだそうです…
その音を『ニプシフム』と呼びます。
北海道の寒さは半端ねェ!
しかし杉元は、凍死寸前の極限状態でも「俺は不死身の杉元だッ」と最後まであきらめません。
アシリパは杉元の帰りをクチャ(仮小屋)で待っています。
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|イセポ|ウサギ
エゾウサギの耳の先だけが黒いのは、シカをだまして速く走れる脚を取り換えたので、怒った鹿が焚火の燃えさしをウサギの耳にぶつけたから…
アシリパはそんなアイヌの民話を杉元に話してくれます。
『イセポ』=ウサギはイーッと鳴く小さいものという意味。
このイセポは皮をはぎ、耳の軟骨も、臓物も、肉と一緒にチタタプにします。
それを鍋にすると、やっぱり美味しいのでしょう!
杉元の食レポが冴えわたります!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|オソマ|うん●
杉元はイセポの鍋に味噌を入れたら、さらにおいしくなると考えます。
手持ちの味噌の容器を開けると、アシリパは『オソマ』じゃないか!と言います(笑)
『オソマ』はうん●のこと。
この漫才のような掛け合いも杉元・アシリパコンビの楽しさだよね
でも杉元は必ず『アシリパさん』って呼ぶんだぜ。
年下でもきちんとさん付けするところが好感が持てるよ。
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|コタン|村
第七師団から追われ、ヒグマの巣に飛び込んだ杉元は、結局子熊を拾うことに。
アシリパは子熊を大切に育てるために自分のコタン(村)へ連れて行きます。
アシリパのチセ(家)では、フチ(祖母)が杉元と子熊を歓迎してくれます。
アシリパのエカシ(祖父)は村で一番偉い人だったから、フチは口の周りに大きな刺青をしているんだって!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|ホロケウカムイ|狼の神様
レタラは誇り高いホロケウカムイ!
アシリパが幼い頃。
父と狩りに行ったとき、ヒグマに襲われたエゾオオカミの子犬を助けました。
白いエゾオオカミの仔を『レタラ(白いという意味)』と名付け、アシリパとㇾタラは一緒に育ちます。
成長したㇾタラは本能に導かれて山へ帰りますが、アシリパのピンチにはどこからともなく現れて助けてくれるのです。
『ホロケウカムイ』とは狼の神様という意味。
神聖な狼の神様も、大好きなアシリパの前ではこのざまです(笑)
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|イオマンテ|飼い熊の霊送り儀礼
アイヌの世界では、キムンカムイ=熊の神は位が高いのです。
子熊を拾うと、それを名誉なこととして1~2年村で大切に育てます。
熊の神は、毛皮を着て、肉を沢山持って、重要な薬『胆』も持って人間界へ遊びに来てくれると考えられているので、飼っていた熊を神々の国へ送る時には盛大な儀礼をおこないます。
これが『イオマンテ』と呼ばれる儀礼です。
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|アシリパ|未来
杉元はアシリパのコタンでアイヌのしきたりや暮らしに触れ、アシリパに「(アシリパは)ちょっと変わってるんじゃないの?」と言っています。
アシリパは自分の名前の意味をこう説明しています。
『新年』という意味だが『未来』とも解釈できる。
わたしは新しい時代のアイヌの女なんだ!」
他の女子のように村で機織りをするのではなく、山で狩りをしたり、生きていく知恵を身に付けていくアシリパは賢くて、強くて、カッコイイんだ!
『ゴールデンカムイ』アイヌ語一覧|カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム
『カント オロワ ヤク サク ノ アランケプ シネプ カ イサム』
この言葉はコミックスのカバーに印刷してあるもの。
『天から役目なしに降ろされた物は一つもない』
宗教とも一味違う、アイヌの深い洞察力が感じられる言葉です。
この記事では引き続き『ゴールデンカムイ』からアイヌ語と名場面を紹介していきます。
お楽しみに!
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