スタンダードジャズを聴いてみたいけど、何から聴いたらいいの?と迷いますよね。
実は、スタンダードジャズは自然に耳にしている音楽です。おそば屋さん、焼肉屋さん、カフェ、TVでも。
たとえば『Fly Me To The Moon』はこんなところで使われています。
Fly Me To The Moonはこんなところで使われた曲
この曲がTVで使われた中で一番有名なのは「新世紀エヴァンゲリオン」のエンディングテーマでしょう。
「あ、また変わってる!」と思いながら聴いていたのを思い出します。
episode5からレイ、アスカ、ミサトなどキャラクターの声でそのまま歌ってくれるのもいいですよね。
当初の予定では、最後の使徒と月で戦う構想で、庵野監督の好きなこの曲を延々エンディングで使ったと言われています。
Fly Me To The Moon 私を月まで連れてって
ZOZOファウンダーのあの方は本当に行かれるようですが、この曲が書かれた1954年には「月まで連れてって」というのは、もののたとえでした。
もともとのタイトルは「In Other Words 言い換えれば」だったのですから。
私を月まで連れてって。言い換えれば、手をつないで欲しい。
要するに、愛してるってこと。
という歌なのですね。
Fly Me To The Moonは本当に月に飛んでった?
1960年代、アメリカ合衆国はアポロ計画の真っ只中。そんな中、タイトルを「Fly Me To The Moon」に改め、さまざまなミュージシャンが演奏してきた曲を1964年にフランク・シナトラがカバーしたものが大ヒット!
シナトラ・バージョンの録音テープは、アポロ10号・11号にも積み込まれ、人類が月に持ち込んだ最初の曲になりました。(出典:wikipedia)
Fly Me To The Moonの聴きどころは「ヴァース」
ジャズのスタンダードナンバーの多くは「Verse(ヴァース)」と呼ばれる「前歌」を持っています。前歌に続いて歌われる主題に当たる部分は「Chorus(コーラス)」と呼ばれます。ヴァースはコーラスに入る前に歌の世界観を説明するという位置づけなのですね。
日本では森進一さんが「おふくろさん」に前歌を付けてしまったことが騒動になりましたね。
Fly Me To The Moonの聴きどころは、個人的にはヴァースにあると思っています。
何を言いたいか あなたはわかってくれるよね、
歌いながら説明するから…
こうして前置きをしてくれれば、「いきなり月ですか?」って話じゃないことがわかります。
宇多田ヒカルさんもヴァースを大切に歌われています。この3拍子の感じが原曲のイメージを残しています。コーラス部分はヒカル節、独自の歌で聴かせてくれます。
「Fly Me To The Moon」曲情報
作詞・作曲 Bart Howard
1954年
まとめ
この曲が書かれてから66年。こんなにも長く色褪せずに歌い継がれる曲は、歌詞にもメロディーにも、演奏するアーティストたちにも魅力があることの証明でしょう。
そんなスタンダードジャズが私は大好きです。
最後に、Fly Me To The Moon風に言いましょうか。
あれもこれもいいねと言ったけど、言い換えれば、この曲が好きってこと。
最後までご一緒に楽しんでいただき、ありがとうございました。