『キングダム』合従軍相関図で解説!李牧の8つの誤算徹底検証!

『キングダム』合従軍相関図 キングダム

『キングダム』合従軍編は、山陽を攻略し勢いに乗る秦国一国に対して、他六国で同時に攻め入るという作戦の経緯を描いたものです。

天才軍師・李牧が描いた戦略だったのに、秦はこれをみごとにはね返して見せました。

李牧の描いた設計図をその始まりからたどるとともに、李牧の誤算がどこにあったかを探ります。

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『キングダム』合従軍相関図

『キングダム』の合従軍編の始まりは24巻から。

第一段階:楚と密約

紀元前242年。

李牧はまず楚の宰相・春申君トップに据えるために手に入れます。

李牧・春申君『キングダム』24巻p.158

李牧・春申君『キングダム』24巻p.158

李牧「秦、最近調子こいてない?合従軍で6国でかかれば圧勝なんだからさぁ、やっちゃおうよ。
もちろん総大将は春申君にお願いしたいなあ。で、秦は6国で分ければいいよね」

春申君「オレなんかでいいの?まあ他にいないか(笑)」

みたいな会話が交わされたと想像します。

第二段階:魏と密約

その20日後。
こわーい顔の李牧と魏の大王が密談をしています。

キングダム李牧・魏王訪問『キングダム』24巻p.188

キングダム李牧・魏王訪問『キングダム』24巻p.188

李牧「山陽の件聞きましたよ…秦をぎゃふんと言わせてやりません?そう考えてるの、ウチだけじゃないっすよ。楚なんか、もう春申君がオレがやるってきかないもんだから、なだめるのがホント大変で。あ、あと韓も怒ってましたよ。馬陽の前にいきなり攻めてきて城をいきなり10数個も取られて。燕と斉だってもうね、景湣王(けいびんおう)次第みたいなもんですよ!どうします?王…?」

なんて言いそうな顔してますよ!

第三段階:韓・燕・斉

ここまでの三国で合従軍の合意が成ったと仮定しましょう。

『キングダム』合従軍相関図

『キングダム』合従軍相関図

これってもう仕上がっちゃってますよね!
最初に楚、次に魏を押さえた李牧、恐るべし!

「六国で攻めるから負けっこない」と声を掛けられて、勢いのある秦を倒すのをためらう国はないでしょう。

第四段階:斉を取りこぼす

昌平君が「蔡沢(さいたく)の外交力で斉を合従軍から離反させる」ことを思いつきます。

蔡沢は李牧が王建王に約束した金品の『2倍を支払う』と持ち掛けると、王建王は「李牧より蔡沢の方がつき合いは長いから」とあっさり取引に応じてくれました。

『キングダム』25巻p.69

王建王は蔡沢(さいたく)をえらく気に入っているらしく、このあとも秦に対して友好的な姿を見せてくれます。

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『キングダム』合従軍いざ開戦!李牧の誤算①

李牧は同時に多国が攻め入ることで、秦が『思考停止』状態になることを狙っていましたが、秦には昌平君、昌文君、そして大王・嬴政(えいせい)がいます。

李牧の期待通りの思考停止状態にはなりませんでした。

政自ら檄を飛ばし、秦は函谷関で全軍を迎え撃つことになります。

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『キングダム』合従軍函谷関の戦い!李牧の誤算②

趙・慶舎VS麃公の組み合わせは、慶舎の張り巡らせた蜘蛛の巣に麃公はからめとられるはずでした

そこへ割って入ったのが飛信隊!攻められていた麃公軍に檄を飛ばし反撃に転じます。

慶舎は序盤で勝ちを拾うことに失敗しました。

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『キングダム』合従軍函谷関の戦い!李牧の誤算③

魏・呉鳳明の井闌車が函谷関に爪を立てると思いきや…桓騎は1台には油をかけて炎上させ、もう1台は煙玉を利用して逆に桓騎軍が敵陣の中に降り立つために利用してしまいます

これがもとで韓軍の総大将・成恢(せいかい)を失ったことは大きな誤算でした。

井闌車で函谷関を攻略どころか逆に利用される始末。
見張りも出来ないなら、合従軍本部の仕事は何なのでしょうか?

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『キングダム』合従軍函谷関の戦い!李牧の誤算④

楚・臨武君に敗れたこと。
万極飛信隊・信に敗れたこと。

オルド軍が王翦に敗れたこと。
汗明蒙武に敗れたこと。

普段秦軍の味方に立って作品を読んでいるので、視点を変えると天才と呼ばれる李牧にも勝負の行方はわからないということがよくわかります。

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『キングダム』合従軍函谷関の戦い!李牧の誤算⑤

そしてここまでで最大の誤算は、媧燐(かりん)が抜きに行った函谷関を王翦(おうせん)が防いだことでしょう!

王翦につけておいたはずのオルドは頭脳戦で王翦に敗れ、山中でさまよっていたのです。

オルドが犯した痛恨のミスといえるでしょうが、それを把握していない合従軍の本部はあまりにもお粗末です。

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『キングダム』合従軍蕞(さい)の戦い!李牧の誤算⑥

函谷関に勝機を見出せなくなった李牧は、咸陽の直接攻撃を狙います。
さすが天才軍師。諦めたりはしません。

麃公対武神龐煖(ほうけん)の戦いを経て、舞台は最終決戦の地、蕞(さい)へ。
ところが民兵中心で弱いはずの蕞が落ちません。

大王・嬴政(えいせい)自らが蕞で参戦していたのです。
これまで政は存在感を消すように努めていましたが、そのために李牧に察知されずに持ちこたえることができたのです。

しょせん民兵の集団にここまで精鋭軍が手こずるとは、李牧の誤算であったでしょう。

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『キングダム』合従軍蕞(さい)の戦い!李牧の誤算⑦

蕞の民も、兵も、もう限界かと思ったところへ現れたのが楊端和率いる山の民!

楊端和と秦が友好関係になることも知り得なかった李牧の完敗です。

自らも情報封鎖のプロであった李牧にはどこか傲りがあったのかもしれません。

『キングダム』合従軍総大将の存在価値は?李牧の誤算⑧

ここまで誤算を重ねてきながら、戦場全体の情報を集め的確な指示を飛ばす司令塔が機能した様子がありません

しょせん寄せ集めの5国が、自分が提供した持ち駒が敗れたらゲームオーバー…そんな戦いに終わってしまった感があります。

では総大将に祭り上げられた春申君の存在価値はどこにあったのでしょう?

作品中でも、怒りをぶちまける描写くらいしか見当たらなかったですね。

すべてを李牧のせいにされていますが、お飾りで終わってしまった春申君にも罪があるのではないでしょうか。

『キングダム』合従軍相関図で解説!李牧が描いた設計図はこれだ!まとめ

結局六国総掛かりでも秦一国を破ることは出来ませんでした
考えてみると、秦軍の勝利はスゴイことですね!奇跡としか思えません。

言い出しっぺの李牧は宰相の肩書を剥奪され、前線地の現場監督として土木仕事の手伝い迄買って出る生活になりました。
春申君も楚の宰相の座を追われたようです。

各国はこのあと内乱期を迎え…さらなる戦いが容赦なく続いていきます。

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