映画『呪術廻戦0』を見てきました。
原作の漫画に非常に忠実にアニメ化されていて、セリフもほぼ同じであったように思います。
先入観なしで鑑賞した感想は、「乙骨憂太の声は碇シンジ君で大正解!」です。
『呪術廻戦0』乙骨憂太=『エヴァンゲリオン』碇シンジの共通点
映画の冒頭、乙骨が里香に対して言う「来ちゃ駄目だ」という一声だけでわかりましたね!
(シンジくんだ!)
そうです。声優さんは『エヴァンゲリオン』で碇シンジの声を演じた緒方恵美さんなのです!
そのあとは呟き声で「ごめんなさい!ごめんなさい!」苦しい心を絞り出すようなしゃべり方は碇シンジそのものです(笑)
声優さんはいろいろなセリフ回しができると思うので、これは「あえて」のシンジ登場なのでしょう。
映画を見ていると、シンジ君の声は、乙骨憂太のキャラクターの説明を兼ねているようにも思えてきます。
こじらせた10代の少年、二人の共通点を挙げていきましょう。
本人の意に反して強大な力を授かってしまった
憂太は、特級過呪怨霊・祈本里香という呪力のカタマリと向き合う必要があり、呪術高専で五条悟やクラスメイトによって導かれ、強大な力を正しく使う方法を学びます。
シンジはエヴァンゲリオンのパイロットを命じられ、ネルフで父・碇ゲンドウ、葛城ミサト、また綾波レイたちパイロット仲間や友人たちに導かれ、強大な力を使いこなせるようになっていきます。
もともと孤独で内省的な性格、自己評価が低い
憂太は喘息もちで体が弱く、唯一の幼馴染の折本里香を交通事故で亡くして、精神的にもトラウマになったでしょうし、学校でイジメにあっていたことからも孤独で気が弱かったことがわかります。
学校で里香がイジメっ子に仕返しをし、重傷を負わせたことから、「もう誰も傷つけたくない」と自殺まで図ろうとしていました。
シンジは幼いうちに母と別れ、父も仕事一筋で、孤独に育っています。シンジもまた、自分の存在意義を求めて、苦しみ続けています。
女子に激しく罵られるキャラ
『呪術廻戦0』では禅院真希に「オマエ何しにきたんだ、呪術高専に。何がしたい!何が欲しい!!何を叶えたい」と怒鳴られ、それでも弱々しく「僕は…もう誰も傷つけたくなくて」とつぶやきます。
その後はシンジより少しだけ早く自覚し、「誰かに必要とされて、生きてていいって、自信が欲しいんだ!」と言い返します。
シンジがアスカに罵られ続けるのは有名な話ですね(笑)
いったん腹をくくると目がすわり、底力を見せる
#劇場版呪術廻戦0いよいよ明日公開
公開、待っていました! #乙骨憂太 #碇シンジ pic.twitter.com/xy7g5YuX9F— あさみめぐる (@asami_meguru) December 22, 2021
この点でも二人はそっくりです。
夏油対乙骨憂太&里香のバトルは迫力満点、最高のカッコ良さです!!
笑いを取ろうとしているの?そっくりなセリフ
乙骨憂太が里香ちゃんに呪いをかけていたことがわかる場面で、車にはねられた里香に、憂太は言います。
「死んじゃだめだ!死んじゃだめだ!死んじゃだめだ!死んじゃだめだ!」
もうおわかりですよね。
『エヴァンゲリオン』に乗るシンジのセリフです。
「逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!逃げちゃだめだ!」
乙骨憂太の声が碇シンジで大正解な理由
乙骨憂太という、呪術廻戦の世界の中でも指折りの力を持つ術師を演じるのに、ふさわしい実力を持った声優さんが選ばれるのは当然のことです。
しかし、それに加えてこの役ならではの理由があったと考えます。
乙骨憂太のキャラクターは碇シンジへのオマージュを含んでいます。
正直、憂太の方が設定年齢が上なので、緒方恵美さんはもう少し大人に近い声で演じるのかと予想していました。
しかし、あえて碇シンジの声なのは何故なのでしょう?
それは、エヴァンゲリオンの碇シンジを知っている観客には、乙骨憂太はシンジととても似ているキャラクターであると伝えるためではないでしょうか。
みんなが知っているシンジの自信のなさ。
それは自己の存在理由すら疑うレベルの根の深いものでした。
憂太もまた、里香を喪ったトラウマと、里香の暴走を止められないことから、自殺まで考える精神状態に追い込まれているのです。
しかし、シンジにはいったん心を決めるとやり遂げる強さを秘めているところ、正しいことを成し遂げようとするまっすぐな心があります。
シンジの声が憂太を演じることで、観客は憂太をも信じて見守ることができるのではないでしょうか。
私は、緒方恵美さんの起用は大成功であったと考えています。
←映画は原作に忠実に作られています。あの感動をもう一度、じっくり味わいましょう!
乙骨憂太の声が碇シンジで大正解な理由まとめ
『呪術廻戦0』の主人公・乙骨憂太のキャラクター・ヴォイスを『エヴァンゲリオン』の主人公・碇シンジの声を演じた緒方恵美さんが演じています。
しかも、両者の声をあえてそっくりなしゃべり方で演じています。
その理由として、この二人のキャラクターがそっくりである点を4点挙げました。
本人の意に反して強大な力を授かってしまったところ。
もともと孤独で内省的な性格、自己評価が低いところ。
女子に激しく罵られるキャラであるところ。
いったん腹をくくると目がすわり、底力を見せるところです。
さらに、あえてそっくりに演じている個所も発見しました。
すると、同じ声で演じることで、観客に主人公のキャラクターを伝えているという狙いがあぶりだされてきました。
さて、あなたは憂太の声を聞いてどんな気持ちになったでしょうか?
よろしかったらコメントでお知らせください。
楽しみにお待ちしています。
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