古代中国を舞台にしたアクション歴史ロマン『キングダム』。
映画『キングダム2』でも大活躍するであろう麃公(ひょうこう)の名シーンと名言、麃公の最期と最後の言葉、史実での麃公をご紹介していきます。
『キングダム』麃公(ひょうこう)はどんな将軍?
いわゆる”本能型”の代表的武将です。
外見も、話す言葉も、行動も、豪快な男です。
最強と呼べるほど強いのに六将の中にいなかったのは、麃公には名誉も夢も興味がなかったからでした。
麃公は戦場に生まれ落ち、戦場で育った男。
麃公はただ、戦場で戦い、勝利し、うまい酒を飲めれば満足だったのです。
信にとっては麃公もまた、童(わっぱ)と呼んで目をかけてくれた恩人の一人です。
『キングダム』麃公(ひょうこう)名シーン・蛇甘平原
秦軍総大将として登場した麃公将軍。
独特なヒゲ、鋭い眼光、敵の狙いを正確に見抜き素早く対応するところなど、大物感満載です。
魏軍の装甲戦車隊に苦しむ信たち歩兵ですが、羌瘣(きょうかい)と信とで戦車隊と渡り合っている場所に、”何か”を感じた麃公は騎馬隊を繰り出します。
一の働きが十を動かし千につながり万を崩す
小から始まる連鎖が大火を呼び込み、戦局は一気に終局に向かうそして今異彩を放つ場所があった
そういうところには”何か”がある麃公『キングダム』6巻p.121
蛇甘平原の戦場に現れた王騎将軍は、武将には二つの型があると信に語ります。
一つは魏・呉慶のような『知略型』。
もう一つは秦・麃公のように、野生の直感で戦うような『本能型』。
王騎は、このどちらが勝つのかは、武将の中の『永遠の題目』であると言います。
麃公の戦は燃え盛る一つの大炎。
自ら先頭を切って呉慶に向かって突撃する麃公!!
これが本能型の武将じゃァ!
この面も迫力満点ですが、カッコイイ盾も注目です!
魏将・呉慶も一歩も引かず麃公の前に現れ、一騎討が始まりますが、麃公の武が呉慶に勝っているのは明らかです。
麃公は「どんな下らぬ理由でこの儂に挑んで来たァ」と聞き、呉慶は「侵略者に対してここまで退くことができぬとは正直自分でも驚きだ」と答えます。
呉慶は滅ぼされた小国の王だったのです。
麃公は「下らん負け犬の感傷だな!!」と切り捨てますが、呉慶を倒した後、敵を称える言葉を贈るのでした。
「ここまで儂を苦戦させた知略と、最後に武に走ったその激情。
なかなか見事な大炎であったぞ呉慶!」麃公『キングダム』7巻p.168
呉慶の知略に苦しみ、多くの犠牲を出した秦軍でしたが、大将自ら敵将を討ち取り、勝鬨を上げることができました。
この時の麃公将軍、最高にかっこいいですね!
『キングダム』麃公(ひょうこう)名シーン・合従軍1日目
函谷関。
合従軍と秦との開戦宣言を楚の汗明が始めます。
さらに臨武君がヘンな髪型でコール&レスポンスを始めますが、最後の最後に大声で号令をかけたのは、秦の麃公将軍でした!
紀元前241年、合従軍対秦軍、函谷関攻防戦の開戦です。
攻めてきた敵にのんびり開戦宣言させることないですよね!痛快な麃公将軍の号令でした!!
麃公将軍の相手は趙軍副将、慶舎将軍。こちらは勝負はまだつきません。
1日目の夜には、万極を討ち取った信の野営地に、『麃公の酒』を持って現れます!
飲めい小童ァ 今日の勲功者は貴様じゃァ!
…ヒヨってはいたが、風を放つ勢いのある大炎であった。
麃公『キングダム』27巻p.100
命がけで戦ってようやく勝った信だもん、こんな風に麃公将軍に認めてもらえて、嬉しかっただろうね!
管理職の鑑だね!
そして、戦に重要なのは「”火つけ役”が”火の起こし場所”に出現できるかどうか」だと語ります。
信に、失った300人の兵の補充と、他に500人隊を2つ託してこう言います。
この大戦(おおいくさ)で化けて見せろ 童(わっぱ)信
麃公『キングダム』27巻p.106
麃公将軍のような上官がいたからこそ、信は一歩も立ち止まらず将軍という高みへ駆け上ることができたのでしょう。
一人の童(わっぱ)でしかなかった少年を見込んで育て上げる麃公将軍の人を見る目も確かです。
『キングダム』麃公(ひょうこう)名シーン・合従軍16日目
函谷関では合従軍の全軍が退却し、人々がホッとしているころ、麃公将軍は怪しい動きを察知します。
それは李牧が精鋭軍をあつめて咸陽を目指す動きだったのです!
麃公は飛信隊を連れて李牧軍に追いつきます。
”本能型”の能力を発揮して李牧の”流動”を見切った麃公でしたが、その麃公の前に立ちはだかったのが、武神・龐煖(ほうけん)でした。
麃公は龐煖のの圧倒的な一撃を食らってしまいますが矛を交えるうちに龐煖の本質を見切ります。
「己の中の大いなる矛盾に気付かず一人もだえておるただの ど阿呆じゃ」
この言葉を聞いた李牧は、麃公は龐煖の本質をついている、と納得しています。
『キングダム』麃公(ひょうこう)の最期
さて、その戦いの場に信がようやく駆けつけます。
しかし、麃公は
「童(わっぱ)信、前進じゃァ!
咸陽へ行け、童 信」と言います。
そして、自分の盾を信に投げてよこします。
麃公は龐煖に左腕を落とされ、龐煖を倒すことができないと悟ると龐煖の左腕を折ります。
麃公の最期の言葉はこちらです。
童(わっぱ)信 火を絶やすでないぞォ
麃公『キングダム』30巻p.170
『キングダム』麃公が信に託した盾の重さは
麃公が信に盾を投げたのは「ここへ来るでない!」というメッセージであったでしょう。
自分を助けに信が近くに来てしまったら、自分も信も龐煖にやられてしまうかもしれない。
自分は龐煖とできる限り戦うけれども、信には生きていて欲しい。
そして、信には咸陽を守って欲しい。
そう考えたでしょう。
麃公は常々戦を”炎”に例えていました。
童(わっぱ)信のことは、次世代を背負って立つものとして目をかけてきたのでしょう。
初陣で朱鬼麻鬼に向かっていく姿を見た時も、合従軍で万極を討ち取ったときも、あの六将の時代から続く炎を信の中に見ていたと思います。
「火を絶やすでないぞ」という言葉と共に、麃公はずっと信とともにいるでしょう。
漂のように。王騎のように。輪虎のように。
そして信はさらに成長していくのです!
『キングダム』麃公(ひょうこう)史実での足跡
麃公についての記述は司馬遷『史記』の中の下記の部分だけです。
紀元前246年、秦王政が即位すると、将軍に任じられる。
紀元前245年、魏の巻を攻め、首を斬ること3万であった。
wikipediaより
生年没年共に不詳、『キングダム』での活躍は創作ですが、紀元前246年と言えば信はまだ13歳。
将軍になるだけの活躍を、それ以前にしていたことになります。
『キングダム』麃公(ひょうこう)最後の名言と信に託した盾の重さはまとめ
麃公将軍の活躍、名言の数々を振り返ると、その豪快な人柄、戦における天性の才能に圧倒されます。
そんな麃公将軍が信に特別目をかけてくれたことで、死後に飛信隊に入隊してきた麃公兵もいます。
岳雷、我呂の隊です。
彼らを率いて戦い続ける信を、麃公将軍も見守ってくれているのでしょう。
ピンチの時には力を貸してくださいね!麃公将軍!!
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