エルヴィス・プレスリーはなぜ42歳で死んだのか?映画『エルヴィス』から

elvis PRADA 映画

『悪徳マネジャー』トム・パーカー大佐の視点からエルヴィス・プレスリーを描いた音楽映画『エルヴィス』は、2023年のアカデミー賞に8分野でノミネートされている名作です。

エルヴィス・プレスリーの歌とステージを吹替なしで演じきったオースティン・バトラーの演技も素晴らしく、この映画から改めてエルヴィス・プレスリーに注目が集まりそう。

この記事では映画の内容から、エルヴィス・プレスリーが42歳の若さで命を落とす、その栄光と苦悩を考察していきます。

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映画『エルヴィス』に見るエルヴィス・プレスリーの栄光

1935年1月8日生まれのエルヴィス・プレスリーは、貧しい幼少時代を過ごしました。
メンフィスでは黒人の労働者階級と隣り合った地域で生活していたため、黒人の音楽と文化を吸収して成長します。

プロモーターの自称 ”トム・パーカー大佐” は黒人のように歌うエルヴィスの歌声とパフォーマンスに目を止め、トラック運転手として家計を支えていたエルヴィスをツアーに参加させ、売り出します。

たちまち女性ファンの心をわしづかみにしたエルヴィスですが、公民権法が施行される前の1950年代のアメリカでは、「黒人のような歌い方をする」「腰を振るダンスが上品でない」と非難を浴び、兵役でドイツへ行くことに。この時、将校の娘プリシラと出会い結婚、愛娘プリシラをもうけます。

音楽仲間と知り合い、ワールドツアーを夢見るエルヴィスでしたが、マネジャーの大佐はギャンブルによる借金を、ラスベガスのホテルでのエルヴィスのショーで帳消しにさせようと、安全を理由にアメリカ国内から出そうとしません。

しかしエルヴィスはその才能を開花させ、全世界のレコード・カセット・CD等の総売り上げは5億枚以上、史上最も売れた音楽家の一人となり「キング・オブ・ロックンロール」と称されることになっていきます。

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映画『エルヴィス』に見るエルヴィス・プレスリーの苦悩

映画『エルヴィス』では歌手として大成功を収めたはずのエルヴィスの苦悩について掘り下げていきます。

いったい何が、世界のアイドル、ロックンロールの王であるエルヴィス・プレスリーを42歳の若さで死に至らしめたのでしょうか?

映画『エルヴィス』|ファンからの”愛情中毒”

映画の中では、エルヴィスは最愛の妻プリシラからの愛よりも、ファンからの愛を求めていたとされています。

ステージの上でファンから受ける黄色い嬌声、熱い視線、ハグ、キス、賛辞を求めて、エルヴィスは過酷な日程のツアーを敢行します。

映画『エルヴィス』|マネジャー『トム・パーカー大佐』がエルヴィスを休ませなかった

もちろんギチギチにツアーを組むのは、マネージャーのトム・パーカー大佐の強欲によるのが大きかったでしょう。

口のうまい大佐はエルヴィスが自分の元を離れていかないよう巧みにコントロールします。

ステージが終わると、エルヴィスを一目散に車に乗せ、医師の注射で眠らせて休ませ翌日もまたステージに。その繰り返しです。

次第にエルヴィスは薬物に依存するようになって行き、妻のプリシラは休養を勧めますがエルヴィスは休もうとしません。

ガンダムくん
ガンダムくん

毎日ステージに立ちたい!が本人の希望だったのか、そう思わされていたのか。

離婚を決意するシーンは悲しくなったな。

エアリアル
エアリアル

君が40、僕が50歳になったらまた一緒になろうって…

エルヴィスは家庭よりステージを選んだんだよね。

映画『エルヴィス』|やり残した夢

後世に残るような映画に出演したかったエルヴィスですが、飽きっぽい彼の性格を見切ったトム・パーカー大佐は、短期間で撮れるチープな駄作にしか出演させませんでした。

映画『エルヴィス』では『スター誕生』でバーブラ・ストライザンドと共演したかったが、トム・パーカー大佐とバーブラ・ストライザンドの折り合いが悪かったとされています。

実際には、バーブラ・ストライザンドがラスベガス公演中のエルヴィスの楽屋を訪れ直々にオファーしたのを、大佐が出演料を理由に断ったようです。
結局カントリー歌手のクリス・クリストファーソンがこの役を射止めています。

エルヴィス自身は出演したかったでしょうね。

映画『エルヴィス』|愛する妻子から離れた生活

エルヴィスはツアーに出ると、愛する妻子とは離れた生活を送ることになります。

妻のプリシラはリサ・マリーのためにも家族の時間を持ちたかったことと、薬物依存を理由にエルヴィスの元を去っていきます。

プリシラがついていれば、ここまで無理を重ねることもなかったのでは?と思わずにはいられません。

elvis PRADA

映画『エルヴィス』ミュウミュウ、プラダとのコラボによる衣装

プリシラのファッションがいつも素敵で、どこの?と思ったらミウッチャ・プラダとのコラボでした。

映画『エルヴィス』|薬物中毒

最も直接的な健康を害する要因の一つは薬物でしょう。

映画ではどのようなものが使用されたかは語られませんが、検視後、死因は処方薬の極端な誤用による不整脈と公式に発表されました。

主治医から処方された薬剤を「誤った使い方」で摂取していたことは、周囲の人物も周知のことだったようです。

映画『エルヴィス』|肥満~心臓発作による死

晩年、プレスリーはストレスからくる「過食症」によって、急激に肥満していたことも有名です。

ピーナツバターを塗りベーコンやバナナを挟んだサンドイッチ、アイスクリームやチョコチップクッキーが大好物だったと言われていますが、このような偏った食生活も健康を蝕んでいったでしょう。

コンサートの直前には絶食したり、コンサートの後は過食という生活。

晩年には寝たきりの生活になっていたと言われています。

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エルヴィス・プレスリーはなぜ42歳の若さでで死んだのか?まとめ

エルヴィスの死因は処方薬の服用を誤ったことによる心不全のようですが、それ以前にも肥満からくる体調不良に苦しんでいました。

薬物も過食も、元をたどればストレスが原因のよう。

エルヴィスの健康を気遣う人が周りにいたら、まだまだ歌を歌ったり映画に出演したりできたのではないかと考えてしまいますね。

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