『閃光のハサウェイ』の中でハンドリー・ヨクサンに「シャアの反乱の時には軍のモビルスーツを操縦して戦った」と称賛されたハサウェイ・ノアですが、「あれは盗んで乗り回したというのが本当のところです」と語っています。
この事件とは何でしょう?アニメ映画『逆襲のシャア』、および小説『機動戦士ガンダム逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の両方からご紹介します。
その中で、ハサウェイが「クズ」と呼ばれる理由が見つかるはずです。
映画『逆襲のシャア』13歳のハサウェイがとった驚くべき行動
UC0093。シャア・アズナブル率いるネオ・ジオンは、地球上にのさばる特権階級の粛正を企てています。
「地球がもたん時が来ている」とシャア。この真っ赤な機体サザビーがカッコ良!!
#細かすぎて伝わらない映画の好きなシーン
逆シャア序盤の
「サザビー出ます!サザビー発進!」
とともにバチんッってなるケーブル pic.twitter.com/rSve3ZkRxM— りょう軍曹 (@evol_ryo) February 27, 2020
さて我らがハサウェイ・ノアは、母ミライ・ヤシマと妹チェーミン・ノアとともに父ブライト・ノアのいるスペースコロニー・ロンデニオンに向かおうと香港の空港にいました。
そのスペース・シャトルに割り込んできたのが連邦政府の高官、アデナウアー・パラヤとその娘、クェス・パラヤでした。彼らのせいでミライとチェーミンは地球に残り、ハサウェイ一人が宇宙に上がることに。
ロンデニオンに向かうシャトルの中で、クェス・パラヤはニュータイプ独特の予知能力、認識能力を見せ始めます。
クェスは家出してインドでニュータイプの勉強をしていたからね
ハサウェイはといえば、地球連邦軍ロンドベル隊の旗艦ラー・カイラム艦長のブライト大佐の息子。
まあ、おぼっちゃまだよね。いい子だけど
じゃじゃ馬クェスはモビルスーツの練習機に乗せてもらったり、有名人アムロ・レイに会えたりと、ハサウェイの特権を利用します。
ハサウェイはクェスのことが気になり始めます。。。
しかしクェスはクソおやじアデナウアーを軽蔑しつつも、まだまだ子ども。
ハサウェイやギュネイといった「子どもは嫌い」、アムロにはチェーンという彼女がいるのでスルーし、大人の男シャア・アズナブルに甘えることを求めてしまうのです。
クェスはシャアのもとで非凡なパイロットとしての腕を見出され、強化人間ギュネイ・ガスと同型のヤクト・ドーガで戦場に出ます。
クェスのクソおやじアデナウアーは、ネオジオンと和平交渉をしたつもりになっているけど、ネオジオンに小惑星アクシズとルナツーの核兵器を渡してしまう結果になっただけなんだ
戦場に出たクェスは、そうとは知らぬ間に、父の乗っている戦艦を撃沈し、父を死なせてしまう結果になります。
『水星の魔女』のグエルみたいだろ?
ジオン軍の戦艦に戻ったクェスですが、勝手な行動でシャアの彼女ナナイを怒らせ、新型の巨大モビルスーツ、α(アルパ)アジールに乗って戦場に出るよう誘導されてしまいます。
αアジールはクェスというパイロットを得て凄まじい攻撃力を発揮します。
クェスに会いたくて父の船ラー・カイラムに密航したハサウェイ。
女性パイロットケーラに「ノーマルスーツも着ないで、窒息死したいのか?」って叱られてさあ…みんな忙しく働いてるんだぜ?
アムロに見つかったハサウェイは父ブライトの前に連れていかれ、叱られた上に「遺言を書いて見学」と言いつけられます。
しかしハサウェイはニュータイプの能力で遠く離れたクェスの思考を感じ取り、交戦状態のごたごたに紛れて、ジェガンを無断拝借、クェスに会いに行ってしまうのです。
え…100mくらいのアルパ・アジールに19mの量産機ジェガンで説得に行くの?
それって邪魔なだけなんだけど
クェスを取り戻すんです!ってアムロ先輩の前で言い切ったぜ?ハ!
笑わせてくれるな!
クエスの乗るαアジールにたどり着いたハサウェイは「クェスだろ?」と聞きますが、クェスはこれに対して「なれなれしくないか、こいつ」と突き放します。
ハサウェイのことなんかまったく眼中にないという態度だよ
しかも「こいつ」なんて呼ばれて、ナメられてるよな
さて今は戦闘の真っただ中。アムロの彼女のメカニック、チェーンは「サイコフレームの数が多い方がアムロに有利だから」と自らリ・ダズィに乗りこみます。
ハサウェイの行方を気にかけているチェーンは、敵の巨大MSアルパ・アジールのすぐ隣にいるハサウェイを発見し、どんなに驚いたことでしょう!
チェーンは「ハサウェイ、どきなさい!」と再三警告するのに、ハサウェイは説得をやめません。
「そんなんだから敵だけを作るんだ」ハサウェイが批判めいた言葉を口にすると、クェスはキレます。
「あんたもそんなことを言う!だからあんたみたいのを産んだ地球を壊さなくっちゃ!救われないんだよ!!」
シャアの影響を受けたクェスには、ハサウェイのこの言葉は「地球で保身と搾取に明け暮れる腐敗した人間」の言葉に聞こえたのかもしれませんね。
ここまで言われても、ハサウェイはコックピットからノコノコと出て行き、「顔を見ればそんなイライラすぐに忘れるよ~」と語りかけます。
ハサウェイ…よけいイライラするだろ?
「子どもは嫌いだ!図々しいから!」とキレまくるクェス。
チェーンはハサウェイを助けようと、アルパ・アジールに銃を放ちます。
その瞬間直撃をさとったクェスは「どきなさいハサウェイ!」と叫ぶと、なんとハサウェイを突き飛ばし、かばう形で撃墜されてしまうのです。
アルパ・アジールは巨大な爆発を起こし、クェスは帰らぬ人となってしまいました。
ハサウェイは「チェーンか、やったのは?」というと銃を乱射し始めます。
「やっちゃいけなかったんだよ。
そんなことわからないから、大人って、地球だって平気で消せるんだ」
そういいますが、ハサウェイの撃った弾はチェーンのリ・ガズィに命中し、チェーンもまた無駄に命を散らして行きます。
ハサウェイは
「心と心が完全に分かり合える対話の途中だったのに邪魔をした!
敵だからと命を奪った!」
と非難したかったんだろうよ…
いや、ハサウェイとクェスは対話になってなかったよ。
しかも、味方の命を無駄に奪ったお前の方がやっちゃいけなかったと思うなあ
チェーンの持っていたサイコフレームはチェーンの死とともに光を放ち、大きな輝きとなっていつまでも宇宙空間を照らしていました。
今日は逆シャア見てた!
ニューガンダムは伊達じゃないですね~ pic.twitter.com/iSyv2bE6tn— toyo (@toyo_444) October 25, 2021
このあとアムロとシャアの一騎打ち、チェーンのサイコフレームの働きも加わり地球を救うのですが、何度見てもハサウェイのクズぶりにはため息しか出ません。
小説『逆襲のシャア』でのハサウェイも救いようがない
小説『逆襲のシャア』では、アムロとシャアが戦っているところにクェスが乱入します。
アルパ・アジールの巨体でν(ニュー)ガンダムに体当たりし、シャアを逃がそうとするのです。
「大佐は、大佐は、あたしんだよ!」
政府高官のご令嬢とも思えぬ言葉づかいで、感情をほとばしらせます。
アムロは、胸をつかれた。『しかし』と思った。その時、
ドゥッ!クェスのアルパ・アジールのコックピットに直撃のビームが走り、
「キャーン!」その獣の声に似たクェスの声は、急速に消えていった。
「え……?」アムロが首をめぐらせると、その射線上に、ハサウェイのジェガンがビーム・ライフルを構えて佇立していた。
「あ、当たっちゃった」
これは…ないな
救いようがないぜ
精神を病んだハサウェイの行き着く先が
結局このあとハサウェイは精神を病み、療養する中でマフティーの創設者クワック・サルヴァーと巡り合い、テロリストに堕ちてゆくのです。
オレはさあ!
チェーンをあやめてしまったことを、深く深く反省して欲しいんだがな!(怒り)
ハサウェイのことだからクェスを救えなかった…とかなんとかそこだけだと思うぜ。ボウヤだからな。
あのブライト・ノアとミライ・ヤシマの息子がなぜ?という思いを拭いきれません。
香港の空港での良い子ぶり、ラー・カイラムで父と再会した時の無邪気ぶりを見ると、「まだまだ子ども」なのだとわかります。
まったく無防備な子どもがクェスというイカレた娘と出会ってしまい、アムロ、シャアという人たちと出会ってしまい、地球生まれなのにニュータイプの素養があったばかりにこんな不幸を引きおこしてしまいました。
何より戦争という状態が、こんな悲劇を生んだのでしょう。
今後のハサウェイの運命もまた悲劇的ですが、父ブライト、息子ハサウェイともに自らの罪を贖ったという考え方もできるでしょう。
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