映画『燃えよ剣』観て来ました!
コロナによる公開延期に次ぐ延期、ようやく観られた!という思いです。
原田眞人監督の描く新選組は、土の匂いのする骨太な男たちが燃え尽きるまでを描ききった大作でした!
原作と比較した部分、キャストの演技に注目した部分、原田眞人監督の遊び心に笑わされてしまった部分など、思いつくままに書いていきます!
- 石田村のバラガキ・土方歳三と仲間たち
- 試衛館の仲間たち
- 六車宗伯、七里研之助と佐絵のくだりは原作と違う
- 将軍徳川慶喜はマジヤバイ奴
- 土方歳三の兼定はハリー・ポッターの杖?
- 山田涼介さん演じる沖田総司の魅力に目を奪われっぱなし!
- 井上源三郎の河童の話は聞いてみたかった
- 芹沢鴨はかっこよすぎかも
- 近藤勇のダンスシーンはインド映画を彷彿とさせる気分がアガる名シーン
- 監察・山崎烝は村本大輔によって全く新しいキャラになった!!
- 森本慎太郎さん演じる市村鉄之助には可憐さすら感じる
- お雪は絵師として、デザイナーとして、看護師としても大活躍!
- エンディングは『シェルブールの雨傘』のオマージュ
- 映画『燃えよ剣』感想【ネタバレあり】まとめ
石田村のバラガキ・土方歳三と仲間たち
多摩の農村の悪ガキ・土方歳三が、近藤勇、沖田総司、源さんとと共に草深い田舎で水場争いをするシーンから始まります。
マムシの出る草むらで、隣村の若者たちと木刀でのチャンバラです。
岡田准一が予想以上にワイルドで力強いです!
勢いとパワーで相手を蹴散らす歳!
新選組の「喧嘩剣法・天然理心流」の強さの源です。
つぎはぎだらけの野良着を着た青年たちが、有り余る精力で「剣一本でのし上がる」という野望を持ったんですね。
「俺たちは将軍様の百姓だ」という単純な思いが、土方歳三を突き動かした。
その思いの強さこそが彼のカリスマの大元にあったことに気づきました。
殺陣のシーンも、剣の華麗さに加えて、力、力、力!
気組みで倒す、という新選組の力強さが伝わってきました。
試衛館の仲間たち
近藤勇の気骨に惚れて集まった仲間たち、みんな個性的です!
安井順平さん演じる理屈っぽい山南さんのメガネ姿は愛嬌もあって、隊士たちの人望を集めるのもわかるー!
殿さまの御落胤という藤堂平助は、色の白い金田哲のたたずまいが、まさにドンピシャです!
谷田歩の永倉新八もイメージ通り。
エンドロールで名前が出るとき、ローマ字表記で役名が出るんだけど、谷田歩さんの役名 ”Pachi” だった。
映画館の暗闇で笑っちゃったぜ!
吉田健悟さんの原田左之助もワイルド!
オレは、土方歳三の思想を教育する寺子屋の先生が出てくるところが良かった。
こういう人がいて、歳三の思想ができていくっていう説得力があったよ!
六車宗伯、七里研之助と佐絵のくだりは原作と違う
映画には時間制限があるので、やはり佐絵のくだりはカット。
因縁の相手、七里研之助は何と最後には頼りになるやつになるんです!
七里研之助、無理やり出すことなかったんじゃね?
マムシのように狙ってくる奴を斬り捨てる!っていう原作が小気味いいからな。
でも、お雪と出会う理由に、アイツ必要だろ?
将軍徳川慶喜はマジヤバイ奴
小説でも、史実でも、よくわからない性格の慶喜公ですが、映画『燃えよ剣』では、マジヤバイ奴です。
山田裕貴君が大きな目をきょろきょろと動かして、不審者ぶりを怪演してくれました!
大政奉還のシーンはもはやギャグです。
会津公、松平容保はイヤイヤ京都守護職を引き受け、帝からの書状に落涙するなど、尾上右近さんが小説以上に人間らしい人物像を感じました。
ついでに言えば、公卿やミカドもかなりヤバイ奴らでした。
土方歳三の兼定はハリー・ポッターの杖?
土方歳三が「和泉守兼定」を求めて刀屋丸十に行くと、目に刀傷のある店主が、梯子段で二階に上がって一本の刀を出してきてくれます。
「抜いてみてください」と言われ、歳三が鞘から抜くと、錆だらけの刀が、錆の鉄粉をまき散らしながら現れます。
「この刀は山奥のお蔵で300年間あなた様を待っていた。だからスラリと鞘から抜けた。」
研げば100両の和泉守兼定を、5両で歳三に売ってくれました。
これ、ハリー・ポッターがオリバンダーの店で杖を選ぶとこみたいだな!
そうそう、丸十も、ダイアゴン横丁にありそうな感じだったぜ(笑)
だって、刀屋が二階建てってとこからして無理やりだろ?
山田涼介さん演じる沖田総司の魅力に目を奪われっぱなし!
武家育ちのどこか品のいい青年・総司は無邪気なしゃべり方、可愛らしい佇まい、かと思えば剣を握ると冷酷なほどの巧みさ、と画面に現れるだけで視線は釘付けです!
鬼の副長、と敬遠されている土方歳三によくなついていて、下手な句帳を盗み見てじゃれるところなど、くぅー可愛い!とキュン死します。
山田涼介さん演じる沖田総司は、結核のために物語が進むにつれてやせ衰えていくのです。
だんだんと線が細くなっていく沖田総司は、あかるい無邪気な言葉はそのままで、仲間に対する温かい心を見せてくれます。もう涙腺崩壊。
最後に黒猫に向かって菊一文字を抜いて倒れるシーンは、咲き終わった花が枝から落ちたような…哀しくて美しいシーンで、心に残りました。
🎤 岡田准一×山田涼介 インタビュー❗#岡田准一「ジャニーズは山田くんを大事にしたほうがいい(笑)」#山田涼介 の“資質”を絶賛 ✨《千年に一人の逸材》と評するその理由とは❓https://t.co/sdIeVNw0HQ#V6 #HeySayJUMP #映画燃えよ剣 #燃えよ剣 @moeyoken_movie pic.twitter.com/IbfchvgzlU
— ORICON NEWS(オリコンニュース) (@oricon) October 14, 2021
anan永久保存版決定! pic.twitter.com/pDA2Eb8n3I
— bluesette (@bluesette10) October 15, 2021
『燃えよ剣』山田涼介さんの総司に見惚れる!見どころチェックはここ
井上源三郎の河童の話は聞いてみたかった
江戸・試衛館からずっと行動を共にしている「源さん」は、ちょっと年上の人のいいオジサンです。
一緒にいるとホッとするような源さんは、昔から、なにかというと「河童の話、聞いてくれる?」と持ち掛けて来るのですが、みんないつでも聞けるという気安さから「聞きたくないです」と笑いながら流していました。
鳥羽伏見の戦いで、みんなが「危ない」というのにウロウロして、流れ弾に当たって死んでしまう源さん。
「オレ今まで一人も斬ってねえんだよ」なんて笑いながら言っていましたが、こうなってみると、源さんがどんなにムードメーカーだったのかがわかります。
河童の話、聞けなかったことは、観客の一人としても残念でした。
たかお鷹さんが、源さんの体温を感じる素晴らしい演技を見せてくれました。
芹沢鴨はかっこよすぎかも
水戸出身の芹沢鴨、酒乱と京都での勝手な押し借り、実は新選組の統率のために斬られる芹沢鴨。
清川暗殺未遂のシーン、芸妓を侍らせた酒席のシーンなど、伊藤英明さんが凄みあふれるカッコイイ芹沢鴨を見せてくれました!
ちょっとカッコよすぎたかな?
こいつウザイ!とムカムカするような狂気を見せて欲しかったです。
だって、「しゃらくさいよ君は~」の場面で、うっかりカッコイイ!と思っちゃいましたからね…
近藤勇のダンスシーンはインド映画を彷彿とさせる気分がアガる名シーン
芹沢鴨暗殺のシーンの裏で近藤勇が隊士たちと宴席で踊るシーンが繰り広げられます。
これが絶品!
鈴木亮平さんはガタイがいいし、楽しそうに踊るので、和服で畳で踊るシーンがまるでインド映画のようなエモいシーンになっています!
このシーン、切り出してYouTubeで見られるようにして欲しい~!
監察・山崎烝は村本大輔によって全く新しいキャラになった!!
ウーマンラッシュアワーの村本さんと言えばマシンガントーク。
これがそのまま時代劇の中に入ってきたこの面白さと言ったら!!
もう最高ですよ!
このセリフ、台本があるのかアドリブなのか、ぜひ知りたいデス!
本人のネタにして永遠にしゃべってほしいし、山崎烝を主役にしてスピンオフ作品をシリーズ化して欲しい!
お願いします。続きを見せてください。
森本慎太郎さん演じる市村鉄之助には可憐さすら感じる
土方歳三付きの小姓・市村鉄之助を演じたのは森本慎太郎さん。
蝦夷地について、土方に江戸に戻るように命令されるシーンでの演技が印象的でした。
最後までお供したかった…というセリフに、歳三に心酔した青年の、生命を賭しても、という感情がこもっていて、純粋なまなざしがまぶしかったです!
もっと出番があるかと期待したのですが、さすがに『燃えよ剣』は大作でしたね。
エンドロールの後、日野を訪ねた市村鉄之助が出て来るんじゃないかな、と期待していたのですが、そうはならず…残念です。
原作もお雪の姿で終わるので、映画もこの終わり方でベストだったのかな、と考えてあきらめました。
お雪は絵師として、デザイナーとして、看護師としても大活躍!
映画ではお雪の絵がたくさん出てきます。
襖絵、部屋の中に張り渡したヒモにつるして乾かしている絵。
新選組の黒隊服はお雪が一人一人に合わせてデザインしたもの、になっています。
歳三とのラブシーンはかなり省略、その代わりに負傷者の手当てのために戦場各地を巡って献身的に看護するお雪を柴咲コウさんが演じます。
意志の強さを感じさせるお雪は、小説よりも現代的。多くの女性の共感を得られそうです!
エンディングは『シェルブールの雨傘』のオマージュ
ラストは、戸板に載せられ運ばれる土方歳三の遺体に、お雪が歩み寄るシーン。
石畳のブルーグレーに、今までにないお雪の赤い羽織が映え、まるで血のようです。
オープニングの石畳は、ここのことであったか、と気づくと、土方歳三が完全燃焼した時間の短さに、胸を衝かれる想いがしました。
ちなみにこの石畳の映像、『シェルブールの雨傘』のオマージュなんです。
よかったら、確認してみてくださいね。
映画『燃えよ剣』感想【ネタバレあり】まとめ
映画『燃えよ剣』を初日の朝一で観て来ました。
2時間超の大作ですが、原作のストーリーが長いので、あっという間にラストにたどり着いてしまった、という印象でした。
登場人物の一人一人に感情移入して、幕末の空気の中にダイブ!
現実に帰ってくるのが惜しいほどの濃密な時間です。
ぜひ映画館で、楽しんでください。
【関連記事】『燃えよ剣』キャスト一覧と実物画像比較!新選組メンバー表決定版!
コメント