『キングダム』68巻でついに対面した桓騎と李牧。
69巻では李牧と桓騎の問答の中、ついに『桓騎の怒りの根っこ』の正体が見えてきます。
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- まとめ
『キングダム』69巻第747話『お頭の伝言』ネタバレあらすじと感想
趙軍・虎白公も李牧の守りに入り、上和龍は桓騎に「そろそろ幕だ」と告げますが、桓騎はまだあきらめず李牧に向かっていきます。
摩論は桓騎の采配で、桓騎からは離れたところで戦っていましたが「最後はお頭のところに」と決意します。
そこへやってきたのがオギコ。
信のところへオギコと一緒についてきて、と言うのです!
一方、李牧を守るために体を張る雁門兵が次々と倒れ、桓騎には「心」がない、となじります。
『キングダム』69巻第748話『オギコの勘』ネタバレあらすじと感想
李牧の周りには趙兵の厚い壁が築かれ、桓騎軍は徐々に分断されていきます。
李牧を討とうとしていた黒桜は、桓騎の側に戻ろうとしますが、その時、槍が黒桜の胴を貫きます。
厘玉の呼びかけに、馬から落ちそうになりながら「お頭の…側に…」と涙を流す黒桜。
大好きなお頭の側に行きたいよな(涙)
傷だらけになりながらも戦い続けるゼノウに向かうのは上和龍。
上和龍はゼノウを「剛の怪物」と認めたのち、強烈な斬撃で肩口から腹まで斬り付けます!
傅抵は厘玉に「手合わせした誼で、今ならひと突きで楽に死なせてやる」と持ち掛けますが、厘玉は
最後はやっぱお頭の横がいい
厘玉『キングダム』748話
そう言って傅抵に背を見せて去っていきます。
「あっそ。じゃーな、厘玉」という傅抵のセリフ…
傅抵は厘玉に友情みたいな感情を抱いたのかな?
桓騎軍が趙軍の波に吞まれるのを見た軍師の河了貂は、信に楽華とともに退却、脱出すべきだと言います。
信は大将の桓騎を助けに行きたいと考えますが、そこへ桓騎軍の摩論とオギコが到着します。
桓騎がこの作戦の前から伝令のオギコに託していた伝言とは、摩論、オギコ、砂鬼一家を連れて脱出しろという命令でした。
このクソ野郎
下僕、信。
オギコにはオレが失敗すると感じたら伝言を伝えに行けと言ってある。
オギコの勘はお前らバカより鋭い。
つまりこれを聞いているってことは失敗したってことだ。
今回の奇襲はさすがの俺もどっちに転ぶかわからなかった。
だから乱戦の外に置くことにした。摩論やオギコ、そして砂鬼一家を。
召がくだらねェこと話したみてェだがそれは全部嘘だ。
いいか飛信隊信。そいつらを連れて脱出しろ。これは命令だ。桓騎『キングダム』748話
そしてオギコは「王様に返しとけって」と、六将の証・金の翼のネックレスを信に手渡すのでした。
さらに、摩論は信に「ここで生き残ったあなたがいつか李牧を討てばお相子じゃないか」と言い、懇願します。
お頭を完敗で終わらせないでください。
摩論『キングダム』748話
ついに信は脱出の命令を下します。
桓騎軍って最初の印象は残酷で薄情なのかと思ったけど、ひたむきにお頭を思う部下たちの熱い心が泣かせるね。
桓騎…この後どうなるんだろう?
『キングダム』69巻第749話『家族』ネタバレあらすじと感想
信は脱出の殿は自分が、と言いますが、楚水と羌瘣は信が先頭、自分たちが殿を務めると申し出ます。
昴は羌礼に絶対死ぬな、と声をかけ、飛信隊脱出劇が始まるかと思いきや、なんとここで那貴が桓騎の元に戻ると言い出します。
この期に及んでやっぱり俺は 桓騎一家だったみたいだ
だから戻るわあのクソヤロー桓騎は結局のところ俺達にとって
しびれるくらい最高にかっこいい男なんだよ那貴『キングダム』749話
那貴…おまえこそしびれるくらい最高にかっこいいぜ!
那貴は信に、お前も俺を惚れさせた男なのだから、最高の天下の大将軍になることを信じている、と告げるのです。
「信とともに行け」と那貴に言われた那貴一家ですが、「俺たちは那貴さんに惚れてるんで」と那貴と共に桓騎の元へ向かう方を選びます。
那貴一家…さすが那貴の手下だ!
信たちは南西へ向かって脱出。楽華隊は西へ進み、趙軍を分散させる狙いです。
桓騎の元には、厘玉に支えられて黒桜がたどり着いたようです。
いつものキツイ表情はなく、涙にくれています。
黒桜は、桓騎に最後の質問をします。
「お頭は何で私を抱いてくれなかったんスか…」
私はお頭の女になりたかった、と最後に告げる黒桜に桓騎は答えます。
お前は俺の家族だ
桓騎『キングダム』749話
ここで完全に趙軍に囲まれる桓騎軍。
上和龍は桓騎一人を残して残りを串刺しにしろと命令しますが、これに李牧が待ったをかけます。
李牧は「最後に桓騎と少しだけ話します」と言うのです。
『キングダム』750話考察桓騎は死ぬ?逃げる?李牧は何を話すのか?
『キングダム』69巻第750話『首切り桓騎』ネタバレあらすじと感想
李牧と桓騎の対話
李牧は桓騎に投降を勧めます。そうすれば配下の命は助けると。
すると桓騎はせせら笑いながら「クク。お前ら行っていいぞ」と言い、「お頭はどうするんスか」と聞かれると「そんなダセェことするわけねェだろ、バーカ」と言い放ちます。
これが桓騎だ!カッコイイ!!
いや、かっこよすぎて死亡フラグ立っちゃったよ
それを聞いた厘玉は「雷土があの世で見ている」と言い、それを聞いた部下たちも一人でも多く道連れに、と奮い立ちます。
李牧は桓騎に仲間内では”思い”があるのに、なぜ大量虐●などを行うのか、理解に苦しむと言います。
桓騎は李牧に「虐げられたものの気持ちがわかるのか」と問いかけ、睨みつけます。
桓騎の過去を語る砂鬼一家
そのころ砂鬼一家の召(しょう)は、信に桓騎と偲央(しお)の話を聞かせています。
砂鬼の長であった偲央は、桓騎が留守の間に紀巴(きは)城主に拉致され、勢力を拡大し続ける桓騎への見せしめとして●されてしまったのです。
乱暴され四肢を切られた偲央の遺体を目の当たりにして、桓騎は復讐を試みますが、紀巴の守りは固く、侵入すらできませんでした。
その後、桓騎は砂鬼一家を去り、南方で桓騎一家を作り上げ、大きくしていきました。
一家が軍隊ほどの規模に膨れ上がった時、桓騎は紀巴城に攻め入り、城主をはじめ、城内全員の首を自分の手で斬り落としたのです。
これが『首切り桓騎』の由来です。
召は、桓騎は本来虐げられる者の解放者になれたのに、偲央の死によって「自分を闇に突き落とした」と言います。怒りの中に身を置き続けていると。
李牧と桓騎の対話
李牧は「虐げられたものの気持ちは、あなたほどはわからない。」と言います。
しかし、桓騎はこの不完全な世界に絶望しきれていないからこそ、誰よりも怒り続けていると思いいたるのです。
桓騎の過去を語る砂鬼一家
砂鬼一家の長・衣央(いお)は、桓騎は闇の中に小さな光を持っていると言います。
その光が桓騎の周りに荒くれ者たちを引き付け、そしてその光こそ姉・偲央であると。
それでは自分たちは何であったかと言う摩論に、衣央は「家族だ」と答えます。
雷土の弔いのための十万の首切りは、偲央の時と同じ。
桓騎にとっての大切な人間のための、苛烈な復讐であると教えます。
摩論はそれを聞いて、桓騎の元を離れてしまったことを後悔しますが、衣央は、摩論は自分の任務を全うすれば良いと言います。
桓騎の元へは別の家族、那貴が向かっているのですから。
桓騎は最初から何一つブレることはなかったんだな。
虐げられる者のために怒り、大切な人間を傷つけられたらやり返す。
それだけだったんだ。いつも。
『キングダム』69巻第751話『一秒の差』ネタバレあらすじと感想
腹に重傷を負った黒桜は「私もう死んでんだっけ?」と涙を流します。
吊り上がっていた両目は今や穏やかな表情を浮かべています。
厘玉がまだだ、もうすぐみんなで一緒に逝くから安心しろ、と伝え、「お頭も一緒だぞ」というと、黒桜は「お頭と一緒なら怖くないや」と笑います。
雷土は一人で行ったからかわいそうだった、と。
李牧は桓騎に「完璧な世の中を望んで怒りをまき散らし続けたあなたは、やはり最悪の悪党だ」と告げます。
桓騎は「李牧、お前は最強のくせに人としての器は”凡人”っつーしょうもねェ奴だ」
お前みてェのがいるから秦王みてェのが出てくる
秦王みてェのがいるからお前みてェのが出てくる
お前らはそれぞれ勝手な理想や願いを求めて戦ってるんだろうが
たがいに剣を手にしている限り、下の奴らの血を流し続けるだけで
お前らは絶対にどこにもたどり着かねぇ
永久にやってろ ザコ共が
桓騎『キングダム』751話
「外に目を向けすぎなんだよ、お前らは」と桓騎は言い、そんな桓騎に黒桜はいつものあれをやってくれと頼みます。
桓騎は「心配すんなお前達。全部うまくいく」「だから最後までしっかりついて来いよ」と力強い言葉をかけます。
李牧がついに「討ちなさい」と命令すると、桓騎は「ゼノウ」と叫び、まだ生きていたゼノウは、上和龍の頭を素手で握りつぶします!
ゼノウも桓騎に「桓騎、お前と出会ってからずっと楽しかったぞ」と告げるのです。
桓騎一家って全員キャラが立ってるよな!
ゼノウすっげー!
フレッシュトマトか?
そこへやってきたのが那貴一家!
「那貴さんはお頭の元へ!」と部下たちは身を挺して桓騎への道を開きます。
桓騎は厘玉に「一秒でも先に死んだらそいつの負けだよな」と言い、きょとんとしている厘玉に
「李牧を先にぶっ倒して俺達が勝つぞ」と宣言します。
黒桜は「お頭やっぱりかっこいいなあ」と思いながら、馬から滑り落ち、ついに散っていきます。
黒桜の最後は切ないな。
かわいい女だったんだなー、黒桜も。
桓騎は「李牧の首をもってすぐに行くからな」と心の中で黒桜に語り掛けるのでした。
『キングダム』69巻第752話『聖地へ』ネタバレあらすじと感想
那貴の回想。
『キングダム』65巻赤麗城の夜の伏線回収だよ!
宜安攻めの前夜、李牧の罠を感じ取った那貴は桓騎に「まずいと思たら無理せず退却を」と進言に来ていたのです。
本当の目的はお頭に会いに来たんだね。今ならわかる!
桓騎一家対李牧軍
李牧軍に囲まれ乱戦の中、那貴が桓騎の元へと斬り進みます。
上和龍の副将、雲玄が桓騎一家の呂敏に斬りかかり、那貴は一刀のもと雲玄を討ち取りますが、自らも傷を負ってしまいます。
あの夜、本当は聞きたかったんだ
お頭は何のために戦ってんのかを
お頭は本当は
どこに向かおうとしてたのかを
お頭は
那貴『キングダム』752話
那貴は数で圧倒する李牧軍の兵に腹を槍で貫かれてしまいます。
那貴ー!オレ那貴大好きだったのに。
これって雷土と同じこと言ってるよなー
『キングダム』雷土(らいど)はバラバラに?箱詰めの最期に桓騎の怒り
桓騎の過去を語る砂鬼一家
信は衣央に「摩論が家族なら砂鬼一家は桓騎にとって何なんだ」と問います。
衣央は砂鬼一家は桓騎にとって『故郷』だと答えるのです。
根無し草の皆を連れて いつか帰る場所。
桓騎はただ帰ればいいというわけじゃない。
ちゃんと落とし前をつけてじゃないと。納得してからじゃないと。
僕たち虐げられたものたちの痛みの落とし前を。
そしてもちろん偲央の無残な死の落とし前を。
でも桓騎は納得いかないんだ。
もう僕らが仕方がないとあきらめても 受け入れても
桓騎だけはずっと怒り震えるほど納得がいかないんだ召『キングダム』752話
そして召は信に、桓騎はきっと君のことが好きだ、と言うのです。
そして砂鬼のマスクを脱いで、顔中を焼かれたやけどの跡を信に見せました。
初めて召の顔を見た時、桓騎が恐怖も哀れみも見せず、「ハハひっでーな」と笑ってくれたことを話します。
召は、桓騎はそういう奴なんだ、と信に言い、「聖地で待ってる」とそのままこと切れるのでした。
桓騎一家対李牧軍
虎白公が現れ、扈輒(こちょう)軍十万斬首の恨み、扈輒の恨み、と呼ばわりながら桓騎に近づきます。
厘玉が立ち向かいますが一撃をくらってしまいます。
しかし次の瞬間、桓騎の刀が虎白公の頭蓋にめり込み、上半分を斬り飛ばします!
桓騎も背中から李牧兵の槍をくらいながら、厘玉とともに李牧に向かっていきます。
李牧は桓騎に斬られた額の傷で顔面は血まみれ。
李牧へと向かう桓騎の部下もついに最後の厘玉まで力尽きます。
最後の一人になった桓騎に偲央が語りかけます。
「私のためにこんなに怒ってくれてありがとうね、桓騎」
雷土が「お頭!次はどこで暴れるよ!北か?南か?東か?西か?」
厘玉が、黒桜が、那貴が次々に現れます。
桓騎は家族に向かってこう言います。
「暴れる前にお前ら連れて行きたいところがあるぜ
いいよな偲央」
何本もの槍に話われ手も桓騎は李牧に向かっていきます。
そしてついに李牧の前にたどり着いたときーーー桓騎の剣の切っ先が折れ、その剣は李牧の顔の数センチ手前にとどまり、李牧に届くことはありませんでした。
名もなき兵たちの槍がさらに桓騎の身体に刺さり、ついに桓騎の目から光が消えていきます。
桓騎、逃げ延びてくれると思ってたからショック!
しかも最後の最後で、残忍→ピュアにキャラ変してるし!
セブルス・スネイプかよ?
…涙が止まんねーよ!
『キングダム』69巻第753話『最後尾』ネタバレあらすじと感想
横たわるゼノウ、黒桜、厘玉の遺体。
そして李牧のすぐ横にまで迫っていた那貴の遺体。
李牧は、半年前から策を練り、罠にはめた相手にここまで肉薄されるとは。
秦六将の中で最強の男といきなり戦ってしまったのかも、と感慨深げにつぶやきます。
にっくき桓騎と側近の身体を八つ裂きにして、王都や扈輒(こちょう)三公たちの屋敷に送ろう、と申し出る虎白兵を李牧は押しとどめます。
「死体を弄んでいる場合ではない。飛信隊と楽華隊を討つ」と言いますが、その胸中はどんなものだったのでしょう。
桓騎や側近に対して、敵としての敬意をもっていたんだろうな
桓騎に対する恨みがあるとはいえ、李牧は自分の部下の残虐性を見たくなかったのかも
そして李牧はここで気を失ってしまいます。
一方秦への国境に向けてひた走る楽華隊と飛信隊。
楽華隊は舜水樹と骨珉伯軍に挟み打ちの形になってしまい、苦戦しています。
夏英、そして愛閃までもが蒙恬を逃がすために戦闘に加わります。
蒙恬の苦しさは想像を絶するものでしょう。
飛信隊は怪我人が多く、桓騎の死を聞いて退却の準備をする砂鬼一家に河了貂が頼み込んで手当をしてもらいました。
そして後方の歩兵たちは、自分たちを逃がすために羌瘣や楚水、羌礼は敵兵の中に飲み込まれてしまったと報告するのです。
信は「俺が待つ」と言い、歩兵を先に出発させます。
一人最後尾を待つ信は、桓騎との出会い、「大人の戦いを覚えていけ」「危地にあるものこそ手に入れる価値がある」と言った桓騎の言葉を思い出しています。
桓騎に対して本能的な嫌悪を感じて来た信だけど、ここに及んで改めて物に動じない桓騎の器の大きさを考え直しんだろうな
そして羌瘣も、という可能性に気づき愕然とするのです。
自分の命を投げ出してまで信を生き返らせてくれたかけがえのない人間だからな!
ほぼ無意識に『可愛い』とか言ってたから、一人の女性として羌瘣を見ていなかったことに気づいたのかも。
自分の中の感情に信が気づいた瞬間、羌瘣、羌礼、楚水の率いる最後尾の軍が合流してきたのです。
『キングダム』69巻第754話『享楽の刻』ネタバレあらすじと感想
趙からの脱出
疲れ果てて合流してきた羌瘣、羌礼、楚水とその軍。
信は羌瘣を引き寄せ、胸に抱きしめます。
尾平、昴、羌礼たちは驚いた顔で見ています。
「俺達は生きてる。国境はまだ先だが、みんなで秦(くに)に帰ろう。」
力強く宣言する信の横で、河了貂は切なげに目を伏せていました。
貂の表情が複雑で、仲間が戻ったことに喜びを感じてはいるんだけど、やっぱり信は羌瘣を選んだ、というあきらめを自分に言い聞かせているようなんだ。
大人になったな。。。
咸陽への知らせ
咸陽には桓騎が李牧によって討ち取られた、との報が届きます。
大王嬴政(えいせい)、昌平君、昌文君、介億、肆氏らがそれを聞き、壁、蒙恬、信の情報を求めますが、趙の残党狩りの激しさしか伝わってきません。
昌平君は責任の重さを感じて、苦痛の表情です。
喜びに沸く趙・邯鄲
李牧による桓騎討ち取りの報は、首都邯鄲を沸き上がらせています。
桓騎の10万斬首以来、趙の最大の敵であった秦、そしてその張本人桓騎を討った李牧は英雄扱い。
それを面白く思わないのが郭開です。
郭開が幽繆王(ゆうぼくおう)に報告に行くと、暗愚な王は奇行の最中でした。
郭開は、李牧が「桓騎の屍を誅することを禁じている」と慣習に従わないことを幽繆王にチクりますが、王は一向に意に介さず、「李牧にはこの享楽の刻を守ってもらわねば」と李牧の強さを頼みしている発言をします。
趙‣秦国境
趙軍の執拗な残党狩りをかいくぐり、秦への脱出を目指す飛信隊。
国境付近で趙軍が争っているのを発見しますが、その相手は王翦軍の倉央将軍でした!
倉央将軍の軍も飛信隊に気づきます。
飛信隊はこれによって秦に無事帰国できるのでしょうか?
『キングダム』69巻第755話『運命の日』ネタバレあらすじと感想
王翦軍の倉央将軍と合流を果たし、無事秦へ帰国できた飛信隊。
しかし信は怒りの拳を倉央に放ちます!なぜ見殺しにした、と。
王翦軍が動いても大局は変わらなかった、と説明されても信の心は納得せず、軍議でも黙ったままです。
その後楽華隊、桓騎の残党も帰還を果たします。
半月ほど閼与(あつよ)で休養した後、ついに帰宅が許された彼ら。
桓騎軍の軍師、摩論が信に追いついて話しかけます。
「これからどうするんだ?しょーもねえ野党団に戻るのか?」と信に聞かれた摩論は
「お頭がそれを許しません」と答えます。
桓騎は、残党は摩論がまとめ上げろ、後は任せたぞとオギコに伝言を残していたのです。
摩論は傭兵団を作り、資金を稼ぎながら戦の腕を役立てるという計画を話します。
氾善もやってきて、七代目紅春を作るには金がかかる、と大真面目な顔で訴えるのです。
そこへ通りかかった蒙恬に、氾善が話しかけます。
蒙恬の祖父、蒙驁(もうごう)に出会った時から、桓騎は野党から軍人へと変わっていったというのです。
その場に居合わせた氾善がその時の模様を話します。
そういえば!桓騎は蒙驁の副将だったよ!
連戦連敗だった蒙驁将軍は、罰として野盗狩りの仕事を申し渡されました。
そこで野盗・桓騎一家を捕えに行った蒙驁は、逆に桓騎に捕らえられ、縛り上げられ、●される寸前でした。
ほうお主が噂の”首切り桓騎”か。ぎらついているが澄んでいて、穏やかそうだが悲しみと怒りに震えている。そんな珍しい目をしているのォ。そして戦の頭脳はそこらの軍師のはるか上を行く。やるではないか桓騎。なんという日か。 今日は”運命の日”じゃぞ桓騎
…今日で野盗をやめて、儂の元へ来い桓騎。いきなり副将にしてやろう。
儂は人を見る目があるが、お前もあるのであろう。
蒙驁『キングダム』755話
摩論は砂鬼一家に一緒に傭兵になるかと聞きますが、衣央は聖地に戻る、と言います。
桓騎との旅は終わった、と。
そして摩論は、信に対して、「あとはあなたです」と語りかけます。
「気づいてないんですか?なぜかあなたが誰よりも桓騎の死を悔しがっているんですよ」
『キングダム』69巻第756話『次の戦略』ネタバレあらすじと感想
咸陽の宮殿で『次の戦略』を練るのは昌平君です。
桓騎が討たれ、各国が喜びに沸くなか、自らの戦略の責任を重く受け止めている表情です。
まあ、最初から厳しい作戦とは分かっていたけど、六将の一人を失ったのは大きかったよね。
一方、王都咸陽では信と嬴政が久々に面会します。
信を気遣う嬴政に対し、信も嬴政を気遣う姿勢を見せます。
二人の関係は成長し、お互いに大人になっていることが感じられます。
嬴政が信と同時に呼び寄せていたのは騰と録鳴未!
昌平君が騰を指名し、騰と嬴政が信を推挙し、彼らは秦国の次なる標的である韓国に向けて下見に出発します。
一行は『法家の天才』として名高い韓非子を秦に招く使節団の護衛という役割で韓に入ります。
要は、趙北部侵攻の失敗に対する帳尻合わせとして、韓への出兵を探るというのが昌平君の作戦のようです。
『キングダム』69巻第757話『三晋の都』ネタバレあらすじと感想
謄大将軍と録鳴未と共に旅立った信は、韓の都新鄭(しんてい)へ到着ししました!
これに先立ち、嬴政は韓非子の書いた書物を読み、大いに敬服していました。
「ここまで法による世の治め方を詳細に書いたものがあったとは」
嬴政は、韓非子が李斯の同門でまだ老人ではないこと、韓非子は韓の公族であることを昌平君から聞きました。
その上で、使節団を送り、礼を尽くして秦国へ迎えたいと考えたのです。
信は、戦時と違って一般民間人が見物に来ていることも気になりました。
六将の騰を狙われたら?
しかし騰は、韓は賢いから、自国に侵略の名目を与えるような行動はしないと理解しています。
信たちは新鄭(しんてい)の大きさ、立派さに目を見張ります。
春秋時代中華の真ん中に晋という超大国があり、その中心が新鄭(しんてい)でした。
晋が魏・趙・韓の三国に分かれたことから、その三国は『三晋』とも呼ばれました。
新鄭の立派さはこのような理由によります。
しかし使節団の前に突然現れた謎の美女。
「お帰り下さい」
「韓非先生は秦へは参りません」と、女だてらに槍を持ち、一歩も引かぬ決意です。
美女・寧(ねい)を「そこまで」と止めたのは、韓の将軍洛亜完と、副官のヨコヨコです。
寧は韓の公主(姫)であり、韓非子に指示していることが洛亜完から明かされます。
信が副官のヨコヨコを「キモイな」と見ていると、吃音の兵士が盛んに話しかけてきました。
信のことを知っているようで、略奪をしないこと、桓騎と戦場で共に戦ったことも知っていました。
兵士は突然、信に質問をしてきました。
「人は生まれながらにして善か悪か」
この吃音から、騰はこの男が韓非子だと気づくのでした。
まとめ
『キングダム』69巻は表紙が桓騎一家!
桓騎の表情もいつものギラついた感じが失せ、心なしか穏やかになっています。
お頭を慕って散っていった雷土、黒桜、ゼノウ、那貴、厘玉。
生き残った摩論、オギコ、氾善、砂鬼一家。
左上には、なぜか趙軍の傅抵(ふてい)が?
強烈なキャラだった桓騎軍に別れを告げ、信たちは騰とともに未来への一歩を踏み出します!
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