『キングダム』前半のクライマックス『合従軍』。
秦国は消滅の危機の一歩手前まで追い詰められ、奇跡の勝利をつかむ感動のエピソード、漫画で読み直してみたくなることもありますね。
この記事では『合従軍』のエピソードが漫画の何巻から何巻までにあたるかをご紹介します。
内容はネタバレを含みますのでご注意くださいね。
『キングダム』合従軍は何巻から何巻まで?
『合従軍』のエピソードは『キングダム』24巻から34巻までです。
このあと、主な動きと登場人物を巻数を合わせてご紹介していきます。
『キングダム』24巻・合従軍を画策する動き
『キングダム』17巻で秦の丞相・呂不韋(りょふい)と趙の宰相・李牧(りぼく)の間で結ばれた秦趙同盟。
この同盟をもとに秦は魏を攻め、趙は燕を攻めますが、その裏で趙の李朴は楚の宰相・春信君(しゅんしんくん)と密会していました。
李牧は偶然その場に居合わせた信に一騎討ちを持ち掛けます。
そこへ現れたカイネと河了貂に止められ、ほんの一合で争いは中断されますが、信は李牧の武人としての強さを知ることになります。
このころ王騎の残党録鳴未(ろくおみ)と干央(かんおう)も趙と楚をめぐる怪しい動きに気づいていました。
そしてついに楚は秦に攻めてきます!
『キングダム』25巻・合従軍の戦い開戦!
楚軍は秦の国境にある南虎塁(なんこるい)を破り、秦に攻め入って来ます。第一陣は5万。
同時に魏も10万の兵で剛陵城を陥とし、さらに趙が馬陽を包囲したの知らせが入ります。
燕軍12万、韓5万も秦に侵攻し、斉もまた秦に向け進軍中。
趙・李牧が盟主に楚・春信君を担ぎ上げて造ったものです。
秦側は、斉に滞在していた外交官の蔡沢(さいたく)の働きで、斉の合従軍離脱に成功します。
蔡沢に指示するのも、斉王が軍の動きを止めるのも、「鳥を飛ばせ」と言うのが面白いね!
この時代、伝書鳩を飛ばしていたのかな?
秦は、首都咸陽を死守するため、巨大な国門・函谷関(かんこくかん)で敵5国を防衛する計画を立てます。
楚軍総大将・汗明が開戦の号令をかけ始めると、秦軍の麃公(ひょうこう)将軍が「突撃じゃあ」と割って入り、ここに戦いの火蓋が切られます!
『キングダム』26巻・合従軍の戦い開戦!
右翼/麃公(ひょうこう)対趙軍・慶舎
秦・麃公将軍の隊に趙・慶舎(けいしゃ)が襲い掛かります。
趙軍副将・慶舎は本能型の武将ですが知略にも優れ、麃公隊の後方を万極(まんごく)に襲わせます!
ツインテールの先が鬼滅の刃みたいな柄で、どうしても気になる!
秦・麃公軍の大ピンチに現れ、大炎を噴き上げたのが、飛信隊の旗を掲げた信です!
函谷関(かんこくかん)/桓騎(かんき)対魏・呉鳳明
蒙驁(もうごう)将軍とともに函谷関(かんこくかん)を守るのは、桓騎(かんき)と張唐(ちょうとう)。
魏の呉鳳明(ごほうめい)は井闌車(せいらんしゃ)というはしご車を用いて函谷関に登ろうとします。
野盗出身の桓騎将軍は、首都の備蓄庫から盗み出した大量の油をかけて、井闌車を焼き払ってしまいます!
中央/蒙武(もうぶ)・騰(とう)連合軍対楚・臨武君
楚軍第一軍は臨武君(りんぶくん)、第二軍は禍燐(かりん)、第三軍が総大将汗明(かんめい)がそれぞれ率います。
の下に配置された千人将蒙恬(もうてん)は楚軍第一軍の千人将・項翼(こうよく)、白麗(はくれい)に苦戦を強いられます。
楚・臨武君(りんぶくん)に向かっていくのは王騎の残党録鳴未(ろくおみ)と鱗坊(りんぼう)。
しかし、鱗坊(りんぼう)は敵の弓使い白麗に討たれてしまいます。
白麗って超美人なのかと思ったら、男子だった!
臨武君に死なれたら「俺の姉が未亡人になってしまう」と言ってたからね!
ちょっとびっくり!
白麗を狙った蒙恬(もうてん)を項翼(こうよく)が襲い、そのピンチを救いにきてくれたのが王賁(おうほん)です!
将軍・騰は楚第一軍臨武君(りんぶくん)を倒し、大歓声を浴びますが、その前にギャグをかますことも忘れませんでした。関西人かっ!
「あの世で同金・鱗坊・録鳴未と酒でも飲むとよい」って言うんだけど、録鳴未は生きてるんだよな!
槍を突き上げながら録鳴未が(今俺を入れたよな…)って言ってるのが笑える!
『キングダム』27巻・合従軍の戦い②
右翼/信対趙・万極
万極軍は趙・長平虐●の遺族で構成されています。
19年前六大将軍の一人白起が行った虐●の様子を信に語り、その怨念の力に押しつぶされそうになった信は力を出すことができません!
しかし信は、その戦争自体をなくすために立ち上がった秦王・政のことを思い出し、
あいつは国を一つにまとめるんだ。
そして俺はその金剛(こんごう)の剣(つるぎ)だ
そう言って万極を倒します。
俺は長平みてェなことは絶対にやらねェし!
絶対にやらせねェ!!
信の誓いの言葉を聞いて、万極もこれで楽になれたのではないでしょうか。
長い一日目は終わり夜になりました。
麃公(ひょうこう)将軍は信の元に強い酒を持って現れ、「今日の勲功章は貴様じゃァ」と言ってくれました。
背後から現れた麃公にどつかれ、近くにいた軍師・河了貂とキスをしてしまったのもこの時のことです。
中央/蒙武(もうぶ)・騰(とう)連合軍対楚・禍燐(かりん)
二日目は楚・第二軍の禍燐(かりん)が登場します。
大女の禍燐はふてぶてしい態度で汗明を怒らせますが、「凡戦を重ねて10日後に函谷関を落とす」と言う作戦を李牧に伝えさせます。
左翼/王翦(おうせん)対燕・オルド
巨大な砦を築いて敵を迎え撃つ王翦(おうせん)に対峙するのは燕・オルド将軍。
しかし、合従軍は「主力を温存して消耗戦を行い、その後一気に決戦」という作戦に入ります。
そして比較的静かな日々の後、七日目に動きがあります。
函谷関(かんこくかん)/韓・成恢の攻撃
韓の将軍成恢(せいかい)は七日目に突然函谷関に現れ、毒矢と毒煙を打ち込み去っていきます。
そして運命の十五日目。
すべての戦場が動き出します。
『キングダム』28巻・合従軍一斉攻撃
中央/蒙武(もうぶ)・騰(とう)連合軍対楚
蒙武将軍が放つ第1波は壁(へき)の隊です!
蒙武が楚に仕掛けた戦術は『斜陣掛け』。大軍同士がまともにぶつかり合います!
騰将軍が禍燐(かりん)を迎え撃つと、砂煙の中から現れたのは象の群れです!!
録鳴未(ろくおみ)と干央(かんおう)は象にひるまず、落ち着いて指揮官を倒します。
しかし、象の群れはめくらまし。
象と砂煙が去った後、騰軍は禍燐軍の大軍に囲まれていました!!
そこで騰は、王賁(おうほん)・蒙恬(もうてん)の二人を五千人将として抜擢し、彼らの騎馬隊の働きにより窮地を脱することに成功するのです。
函谷関(かんこくかん)/魏・韓軍の攻撃
8日前に韓の成恢(せいかい)によって打ち込まれた毒は、函谷関を守る将軍張唐の身体を蝕んでいます。
魏軍は床弩(しょうど)車隊によって函谷関の壁面に巨大な槍を撃ち込み、垂らした縄梯子から兵を登らせようとします。
さらに井闌車(せいらんしゃ)がかけられ、函谷関(かんこくかん)ももはやここまでか、と思われたましたが、桓騎(かんき)将軍の騎馬隊は井闌車を利用し、地上へと降り立っていたのです!
この時の桓騎かっこいいんだよな~!一気にファンになっちゃった!
魏軍の旗を掲げて敵地を悠々と移動した桓騎は、毒の回った張唐を連れて韓軍を襲います。
張唐は武将としての無念を晴らすかのように、総大将成恢を見事討ち取り、息を引き取ります。
『キングダム』29巻・合従軍一斉攻撃②
左翼/王翦(おうせん)対燕・オルド
山岳戦を得意とする燕・オルド将軍でしたが、王翦の策にはまり軍のほとんどを壊滅させられます。
中央/騰(とう)対楚・禍燐
楚・禍燐は、千人将項翼に5,000人の兵を与え騰の首を狙わせ、自身は騰軍の方陣に突入します!
禍燐はイロモノキャラかと思っていたら、頭も切れるしムッチャ強いし、肝が据わってるからほんと手ごわいよね~
そして、録鳴未、干央、王賁らの目を自分に集中させると、あっさり前線から移動していくのです。
中央/蒙武(もうぶ)対楚・汗明
蒙武が打った戦術は、軍師・昌平君が考えたものでした。
一見蒙武らしくない戦術のように見えましたが、すべては中央が薄くなるこの一瞬のためのもの!
蒙武は蒙武は汗明と相対し、息詰まる戦いが繰り広げられます。
しかし、禍燐が送り込んだ弟の禍隁(かえん)は卑怯にも蒙武を後ろから襲おうとします。
これを止めようと、蒙恬(もうてん)は禍隁を追い、汗明に斬られてしまうのです!
息子を殺されたと思った蒙武は汗明を一撃で倒すのでした。
この日、蒙武軍は汗明軍を再起不能なまでに叩きのめしました。
蒙武迫力ありすぎ!汗明も強かった!戦の興奮が伝わって来るよ!
『キングダム』30巻・合従軍一斉攻撃③
函谷関裏/楚・禍燐
楚・禍燐将軍は密かに兵5,000を函谷関裏手に回しており、秦の予想もしない個所からなだれ込んできたのです!
函谷関もこれまでか…と思ったところへ 王翦(おうせん)が現れ、函谷関の危機を救います。
王翦は燕のオルド将軍を出し抜き、山中に張り付かせたままにしていたのです!
結局、汗明の討ち死にが合従軍全体の士気を下げ、合従軍全軍が開戦前の位置まで退却しました。
イヤー凄いね!5つの国で同時に叩きに来たのに、全部押し返したんだ!!
首謀者の行方
開戦から16,17日目は函谷関の小競り合いに終始しましたが、首都咸陽には不穏な知らせが飛び込んできました。
李牧が自ら兵を率いて、咸陽を攻めようと途中の城を陥としながら近づいているのです!!
そのことに気づいたのは麃公(ひょうこう)と信。
全速力で李牧に追いついたところへ現れたのは、なんと趙三大天と恐れられた武神・龐煖(ほうけん)でした!!
麃公は自らを龐煖の相手と定め、信には盾を与え咸陽への前進を命じるのです。
麃公は龐煖の左腕を折りますが、戦いに敗れ散っていきます。
仇を討とうとする信を殴って止めてくれたのは、やはり壁でした。
壁は指揮を執り、信たちの軍を咸陽へ急がせます。
咸陽では国王・嬴政(えいせい)が蕞(さい)での最終決戦に自ら赴く決意を固めています。
『キングダム』31巻・蕞(さい)最後の攻防
大王・嬴政(えいせい)が蕞(さい)に行き、咸陽の玉座は空席となりました。
丞相・呂不韋は玉座に座ろうとしますが、タイミングよくそこへ現れたのが王弟・成蟜(せいきょう)です!!
「玉座は王族のものと決まっておろうが。この不届き者が」と言い捨てるのが痛快ですね!
出陣前の政に託されたのだそうです。
この瞬間、成蟜のファンになったよ!
え、前は大嫌いって言ってなかった?
疲れ果て、腹をすかせた信たち一行がようやく蕞にたどりつくと、そこには大王・政の光輝く武者姿がありました。
政は蕞の民衆に身分を明かして語り掛け、民兵を組織します。
しかし攻める李牧はずるがしこく、夜通し半数の兵に歓声をあげさせ、蕞の人々から眠りを奪います。
また、李牧の側近のカイネは河了貂と仲が良く、河了貂がカイネの危機に思わず命を救ってしまう場面もここで描かれます。
『キングダム』32巻・蕞(さい)最後の攻防②
大王・嬴政(えいせい)はその夜、全員の寝所を回り、声を掛け、激励して回ります。
そして民を奮い立たせるために戦場に立ち、負傷してしまいます!
民兵たちまですっかり意気消沈してしまった翌朝のこと、激しく攻めてくる李牧軍の前に、旗を掲げ武装した政が姿を見せるのです。
だったら俺達は十持ってるうちの三十を出す
ちなみに俺は百を見せてやる!
そこへやって来たのが楊端和率いる山の民の軍勢です!
こいつにだけは、来て欲しくなかった……
『キングダム』33巻・蕞(さい)最後の攻防③
龐煖と全力で戦う信。
その二人の前に現れた晋成常は李牧からの伝言で退却を命じます。
ついでに山の民を山猿と侮辱してしまった晋成常は、楊端和に
「黙って貴様らは敗者として史に名を刻め」と斬り捨てられます。
「史記趙世家」の一節にこのような文が書かれているそうです。
この後咸陽の都で論功行賞が行われ、第一功は蒙武。
特別大功が蒙驁、張唐、桓騎、王翦、騰、麃公。
特別準功が蕞の住民、楊端和、飛信隊・信に贈られ、信は晴れて三千人将に出世したのです。
このあと、34巻にかけて羌瘣(きょうかい)の仇討と戦後処理のエピソードが語られ、長かった合従軍のエピソードは終了します。
『キングダム』合従軍は何巻から何巻まで?各軍武将も画像で紹介!
『キングダム』前半の見せ場となる合従軍は、漫画24~34巻で描かれます。
中国大陸全土を巻き込むこの戦、国を守り切った秦も素晴らしいですし、このような壮大な計画を描いた李牧と言う人物も善悪は別にしてスゴイですね。
スケールの大きさも『キングダム』の魅力の一つ。
漫画で、アニメで、映画で、楽しみたいですね!
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