『漁港の肉子ちゃん』アニメ映画を観て来ました!
さて、原作と違うところはどこだったでしょう?
アニメならではの良さを感じた感想とともにお届けします。
『漁港の肉子ちゃん』原作との違い
映画には時間の制限がありますので、ここがなかった、という部分は記載しません。
プラスアルファの面白さをご紹介します。
二人が住んでいるのはグラスボート
港に停泊するグラスボートを住居に改造して、肉子ちゃんとキクりんはそこで暮らしています。
床に寝転ぶと、海の中の魚が泳ぐのが見える、素敵なおウチです。
水道やガスや電気はどうなっているんだろう?
それになぜか固定電話まで引いてあるという(笑)
カラフルなインテリアは肉子ちゃんのセンス全開です。
トトロの世界がチラリ
大いびきをかいて眠るお母さんの平和な寝姿に「トトロか…」とつぶやいたり、「夢だけど、夢じゃなかった!」と思ったり。
水族館に行くバスを待つシーンも、「これってトトロ?」と思います。
主人公が、ちょっと切ない現実の隣に想像の世界を広げていくのは、まさにトトロの世界。
カモメやトカゲのつぶやきも、トトロと重ねて楽しめます。
肉子ちゃんの鼻歌が聞ける
いつも全力で楽しく生きている肉子ちゃん、鼻歌は「愛の讃歌」です。
小説を読んでいても、鼻歌でも歌っていそうな感じはしますが、映画ではリアルに聞けますからね!しかも選曲がいいですね!
フレンチトーストを作りたくなる
肉子ちゃんと喜久子の朝ごはんはフレンチトースト!
卵を割って、牛乳を入れて、食パンを入れて。
バターで焼いたフレンチトーストにシロップをかけて、肉子ちゃんはフォークとナイフで器用にくるっと巻いて、一口で食べてしまうのです!
一方キクりんはお行儀よくカットして食べるんですけどね。
それは肉子ちゃんに「みう」が作ってくれた思い出のメニューだった、というのがじーんとします。
小説の中で出てくる「ミートスパッ」ももちろん登場します。
子どもでも簡単にできるこれらのメニュー、再現してみたくなりますよ。
二宮が連れて行ってくれる秘密の場所
二宮が模型を作りに行くことぶきセンター、原作ではキクりんと二宮はバスで行きますが、映画では歩いていきます。
途中、二宮が連れて行ってくれる「オレだけのとっておき」の場所。
それは小さな港町が一望できる、小高い場所なのです。
「オレが一番大切なものを作ったんだ」という二宮の模型は、彼らが暮らす港町。
このシーン、好きです。
二宮がなかなかイケてる
アニメ化するときのキャラクターデザインが良い、というだけでなく、騎馬戦のシーンなど、カッコいいキャラになっています。
キクりんの入院している病院にお見舞いに来るシーンも、窓の外を見つめて
「見須子、…雪だ」なんて。
リッパなイケメンキャラです!!
声優の花江夏樹さんの声も、イケメンっぷりに拍車をかけています。
Cocomiさんの声がイメージに合っている
Cocomiさんの声がキクりんのイメージに合っていて、これからは本を開くとCocomiさんの声を想像してしまいそうです。
大阪弁もさんまさんのご指導なのか、関東人の私にはすんなり「こういうものか」と思えました。
大竹しのぶさんの声がいい
ラストシーンで肉子ちゃんがキクりんに言う「おめでとう」。
この時の声は、肉子ちゃんの声ではなく、大竹しのぶさんの心を込めた声。
肉子として全力でキクりんを愛してきた大竹しのぶさんが、最後の一言だけは、自分の想いを込めた声で届けたいとさんまさんに提案したのではないでしょうか。
明石家さんまさん登場
本編がおわってもそそくさと席を立たないで!
最後にさんまさんが「お笑い芸人」としてアニメで登場してくれます。
語るのはもちろん、家族の愛です。
これは見逃さないで!最後まで楽しんでください。
『漁港の肉子ちゃん』原作と違うところはどこ?アニメ映画感想
「生きてるだけで丸儲け」というのは有名な明石家さんまさんの言葉です。
この映画はまさに、「生きてるだけで丸儲け」な肉子ちゃんの物語。
全力で笑って、全力で泣いて、全力で生きる肉子ちゃんの力を、全力で受け止めましょう。
どんなことがあったって、前を向いて、生きてるだけでいいことある。
家族を全力で守る。
それがさんまさんからのメッセージなのだと思いました。
そして、この機会にぜひ、原作の西加奈子さんの小説『漁港の肉子ちゃん』を手にとってみて欲しいです。
映画で語り尽くせなかった部分まで全部受け止めて、大切な人と共有してみて欲しいと思います。