アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の原作、西加奈子さん作『漁港の肉子ちゃん』。この小説の主人公、喜久子は読書が好きなんですね。
『漁港の肉子ちゃん』に出てくる小説をすべて紹介します。
最大の謎、『チョウチンアンコウについて』も含みます!
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
最初にご紹介するのはもちろん原作。
笑って、引き込まれて、笑って、泣けて、感動します。
あのさんまさんが惚れこんでアニメ映画にするくらいですから。
ぜひ読んでみてください。
『フラニーとゾーイー』サリンジャー
原作では喜久子がこの本を読むシーンがあります。
ゾーイーなりにフラニーを愛していて、フラニーも「やめて」と泣いているけれど、ゾーイーに愛されているのを、分かっている。
フラニーには、ゾーイーがいていいな。
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
読んだことある人も、もう一度読みたくなりますね。
『老人と海』ヘミングウェイ
喜久子が海に連れて行ってもらう前に読む本。
「蟹工船」はやめて「老人と海」にしたんですね。
2度目だったけれど、前と同じように、大きなカジキマグロと一人で戦っているような気になって、ずいぶん疲れた。
『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
英語で読むならこちらもおすすめ
「ルビーブックス」は英文がベースで、要所要所に日本語のルビがついています。
原書を読みたいけど、辞書を引きながらは面倒だな、という方へ。
ヘミングウェイの文章を、そのまま味わってみませんか?
『チョウチンアンコウについて』梅崎春生
本を読んで、久しぶりに泣いた。
「チョウチンアンコウという魚がいる。」という文章から始まる物語だ。物語と言っても、ページにしたら、3ページもない。『漁港の肉子ちゃん』西加奈子
実在の小説なのかな?と思って調べてみました。
「悪酒の時代/猫のことなど」という本に収録されています。
チョウチンアンコウの特殊な生態について読みながら大泣きしてしまう。
喜久子は自分の存在価値や生きる理由を探しているのでしょうか。
『峠』 司馬 遼太郎
運動会の借り物競争で、応援のおじいちゃんに肉子ちゃんが借りる本です。
その後、「似合うからあげる」と言ってくれたのだそうです(笑)
喜久子が入院した時、肉子ちゃんが持ってきてくれました。
戊辰戦争の頃、河井継之助の物語です。司馬遼太郎の本にハズレなし。
『月と六ペンス』モーム
画家ゴーギャンをイメージして書かれたという名作。
昔読んだはずだけど思い出せない…という方(私です)、もう一度ぜひ。
『きりぎりす』太宰治
これも、入院中の喜久子に肉子が持ってきてくれた本。
妻による、画家として成功をおさめた夫への語りかけという形式の作品です。
kindle本、無料で読めます。
『孤独の発明』オースター
レビューでは賛否両論の一冊。
でも読んでみたくなりますね。
父親の遺品を整理しながら、「亡き父が発明した孤独」に迫る息子の物語。
その他
私はロブスターを食べたことがない。「グレービーソースをかけたTボーンステーキ」も、「バニラ・ファッジ」も、「ピーカンナッツ」も、「ルーバーブのパイ」も食べたことがない。
外国の本に登場する、見たこともない食べ物達が、私は好きだった。
…その瞬間は、自分を囲んでいるださい達磨や、ださい恐竜の足や、ださい貯金箱を、忘れることが出来た。
50代以上の方なら、みんな大きく頷くのではないでしょうか?
出典は、「あしながおじさん」?「赤毛のアン」?「大草原の小さな家」?「若草物語」?
子どもの頃に読みふけった児童小説が一気に蘇ってきました!
また、年齢の割に大人びた語り口や、肉子ちゃんの元カレ、自称小説家の本が自分のものになるためならば、本当にいなくなることを望むあたりは、アゴタ・クリストフの「悪童日記」のようでもあります。
一冊の本が連れて行ってくれる別世界の魅力を、主人公喜久子が思い出させてくれます。
まとめ
アニメ映画『漁港の肉子ちゃん』の原作に登場する本、『フラニーとゾーイー』『老人と海』『悪酒の時代/猫のことなど』『峠』『月と六ペンス』『きりぎりす』『孤独の発明』をご紹介しました。
そしてもちろん、原作の『漁港の肉子ちゃん』も。
11歳の喜久子ちゃん、読書家ですね!
不朽の名作がズラリと並びます。
私もいい本を読みたくなりました。