『ゴールデンカムイ』の作中で『孤高の山猫スナイパー』と呼ばれる尾形百之助と山猫の関連について考察してみました。
『ゴールデンカムイ』尾形百之助と山猫｜映画『山猫は眠らない』
映画『山猫は眠らない』シリーズに登場する主人公の狙撃手トーマス・ベケット。
ちなみにこの映画、原題はSNIPER（狙撃手）で、山猫は日本でつけられた邦題なんだけどねっ
トーマス・ベケット（演：トム・べレンジャー）のモデルとなったのがカルロス・ハスコック。
カルロス・ハスコック（1942年5月20日 -1999年2月23日）はベトナム戦争で活躍したアメリカ海兵隊の狙撃兵です。
11巻の壁紙どんなだろねえ〜
温泉回で尾形大活躍だし、リパさんの餌付けも成功してるので今回は全面的に尾形プッシュな壁紙だったらうれしい！
カルロスハンコックなやつ！ pic.twitter.com/Uo0VrYDfGZ— ちゃに (@gkkw55) June 29, 2017
尾形のモデルは、独特な撃ち方からカルロス・ハスコックで間違いないでしょう。
ここから尾形＝山猫のイメージが植え付けられていきます。
『ゴールデンカムイ』尾形百之助と山猫｜メコオヤシ
樺太アイヌの村にメコオヤシ（山猫）が出たらしいと聞いて、鯉登は月島に「尾形百之助じゃないのか？」と話しています。（『ゴールデンカムイ』17巻169話）
山猫の子供は山猫
鯉登音之進『ゴールデンカムイ』17巻169話
山猫とは「芸者」を意味する言葉で、どちらかといえば芸の達者でない芸者を揶揄する隠語です。
妾の子である尾形を差別する発言です。
また、尾形の性格を嫌っている人間も少なくないようで、それも陰口の理由になっています。
それに「山猫」にはいんちきとか人を化かす意味の隠語もあるだろう？
月島基『ゴールデンカムイ』17巻169話
尾形は他人に心を許さず孤独に生きてきたので、周囲に理解されることもなかったようです。
『ゴールデンカムイ』尾形百之助と山猫｜ヴァシリの残した絵
尾形の好敵手、ロシア人狙撃手のヴァシリは、尾形を追って日本までついてきました。
ヴァシリは尾形に撃たれて顔の下半分に重傷を負い、話すことはできません。
しかし絵が上手で、杉元とは絵を描いて意思疎通をしていましたね。
話せたとしてもロシア語だからな…
そんなヴァシリと尾形の最終決戦は、五稜郭脱出作戦。
尾形はヴァシリが来ていることを予想して、ヴァシリが尾形を狙うスコープの反射光から計算し、ヴァシリの居る場所を超長距離狙撃します。
同時にヴァシリの撃った弾丸が尾形の左脛を撃ち抜きますが、ヴァシリがその後どうなったかは描かれません。
尾形はこの場から馬に乗って、函館行きの電車に乗ります。
山猫の死『ゴールデンカムイ』31巻314話
さてこの絵は「ロシアの著名な画家ヴァシリ・パヴリチェンコ」が亡くなるまで手放さなかった絵画『山猫の死』です。
ヴァシリ！生きてたんだ！良かった～
しかも画家として有名になったんだね？
尾形の最期は、列車の屋根の上ですから、おそらくヴァシリは負傷しながらも尾形を追い続けたのでしょう。
そしてヴァシリがようやく追いついたときには、列車から落ちた尾形の遺体を発見したのかもしれません。
これは尾形に捧げる一枚だったんだな…
『ゴールデンカムイ』尾形百之助と山猫｜ヴァシリからつながる尾形の名の由来
尾形亀之助（1900年12月12日 – 1942年12月2日）日本の詩人。宮城県出身。
1921年結婚して上京、義父に勧められて絵画を展覧会に出品、画家として活動しますが、1924年ごろには詩作に専念します。
おおっ尾形の名前はこの人からなのか！
画家というのがライバルのヴァシリに投影されているね。
尾形亀之助は生涯定職を持たず実家からの仕送りで暮らし、晩年は実家の没落により困窮します。
1942年には仙台の尾形家所有の空き家で衰弱死。
日頃から飢餓自●願望があったといいます。
『文豪ストレイドッグス』の太宰治が口先だけの自●願望をしゃべって回るのとは違いそうだね。
キャラがずいぶん違うけど、この人が名前のモデルでいいのかな？？
あくまで一つの案です！
『ゴールデンカムイ』尾形百之助と山猫｜その名の由来と隠された意味まとめ
尾形百之助のモデルは米軍海兵隊のカルロス・ハスコックと言われています。
特徴ある撃ち方を見ても、確実と言えます。
映画シリーズ「山猫は眠らない」の主人公トーマス・ベケットのモデルもまた、カルロス・ハスコック。
ここで尾形 ＝ カルロス・ハスコック ＝ 山猫 とつながります。
さらに、出生の事情も、尾形に『山猫の子』というイメージを植え付けていきます。
尾形の死後、好敵手だったヴァシリは絵描きになりました。
亡くなるまで手元に保管していた絵は『山猫の死』。これは尾形をオマージュした作品と考えられます。
尾形亀之助という絵の上手な詩人の名前が、もしかすると尾形百之助の名の由来かもしれません。
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