映画『マトリックス・レザレクションズ』の主題歌はジェファーソン・エアプレーンの『ホワイト・ラビット』です。
この曲が選ばれた背景について考察していきましょう!
『マトリックス・レザレクションズ』の主題歌はジェファーソン・エアプレーンの『ホワイト・ラビット』
『ホワイト・ラビット(White Rabit)』は 1967年、ジェファーソン・エアプレーン(Jefferson Airplane) の大ヒットアルバム『シュールリアリスティック・ピロー(Surrealistic Pillow)』に収録されています。
作詞・作曲そしてヴォーカルはグレイス・スリック(Grace Slick)。
ルイス・キャロルの不思議の国のアリス・鏡の国のアリスを題材に描かれています。
「ひとつのピルはあなたを大きくし、ひとつのピルはあなたを小さくする」
「あなたは不思議なキノコを手に入れ、心が揺れ動く」
これらは確かに不思議の国のアリスのモチーフなのですが、サイケなサウンドは何やら別の種類の体験を歌っているようにも感じられますね。
ジェファーソン・エアプレーンの活動拠点は『マトリックス』
60年代、サンフランシスコはサイケデリック・ブームの中心地でした。
1965年、ジェファーソン・エアプレインは誕生し、メンバーのマーティ・バリンがオープンさせたライヴハウス「マトリックス」を拠点に活動を開始したのです。
この事実はもちろんラナ・ウォシャウスキー監督も知るところだったでしょう。
前作よりさらに「アリス」に寄せた展開に?
第1作目の『マトリックス』で、モーフィアスは「白ウサギのあとを追え」とネオにメッセージを送ります。
そして白ウサギのタトゥーを入れた女性のあとを追ってモーフィアス、トリニティたちの仲間のところへきたネオは、現実だと思っている世界から全く違うもうひとつの異世界へ入り込むのです。
これはウサギの穴から「不思議の国」へと落ちてきたアリスになぞらえた展開です。
モーフィアスは「今の君は”不思議の国のアリス”の気分だろう、ウサギの穴に転がり落ちた?」とネオに聞いています。
シリーズ第4作『マトリックス・レザレクションズ』の予告動画では、「不思議の国のアリス」の本と、ウサギのタトゥーの女性が出てきます。
前作以上にマトリックスの見せる仮想現実の世界と、人間たちがそのままの姿で生きる「ザイオン」の二つの世界の関係が重要になりそうです。
記憶を失っているらしいネオが「夢とは思えない夢を見た」と話していること、これに対してセラピストが「ここではよくある」と返事をしていることも、隣り合う二つの世界の干渉を示しているようです。
『マトリックス・レザレクションズ』主題歌は『ホワイト・ラビット』まとめ
『マトリックス・レザレクションズ』の主題歌はジェファーソン・エアプレーンの『ホワイト・ラビット』です。
60年代のサイケデリック・ロックはなぜかマトリックスのサイバー・パンクな世界観にベストマッチですね!
前作の三部作以上に、マトリックスの仮想現実の世界と、プラグを外した人間たちの世界の関連性がクローズアップされていきそうです。