『キングダム』に登場する秦王・嬴政の弟、成蟜(せいきょう)の最期は名場面として有名です。
『キングダム』冒頭とは別人のようないい奴になって惜しまれながら幕を引く…
この記事では成蟜の最期、その妻・瑠衣との夫婦愛、史実についてご紹介していきます。
『キングダム』成蟜（せいきょう）は兄・嬴政を討とうとしていた小憎らしいキャラだった
成蟜は、秦王・嬴政の異母弟です。
王族の血を引く彼は、純血にこだわっており、舞妓の母を持つ嬴政が王位を継ぐことを酷く嫉んでいます。
性格は非道で、家臣達を道具のように扱ったり、有能な部下でも平民の出であれば殺してしまう人です。
Twitterより
成蟜は、嬴政から王位を奪い取るために、竭氏（けつし）と組んでクーデターを起こします。
最初は、嬴政を追いつめ国から追い出すことに成功し、さらに逃げた嬴政の首を取ろうと追手を向かわせるなどします。
しかし、山の民を説得し勢力を集めた嬴政に負け、クーデターは失敗に終わり最後はボコボコにされてしまいます。
成蟜は実在の人物。父は荘襄王、兄は嬴政（始皇帝）。
氏名は嬴成蟜（えい・せいきょう）です。
『キングダム』成蟜（せいきょう）が変わったとき
クーデターを起こした成蟜は、殺されず軟禁されていました。
成蟜が変わったのは、兄・嬴政が自ら剣を取り、蕞(さい)を守りに出征した後ろ姿を見た時でしょう。
王の道を説き、中華統一を語る政に、成蟜はこの時から協力し、呂不韋陣営と戦う力強い味方になって行きます。
成蟜『キングダム』34巻p.147
秦国の実権を全て手中に納めようと画策する呂不韋もまた、成蟜から見れば『商人ふぜい』の『不届き者』でしたね！
成蟜『キングダム』31巻p.16
この時は痛快だったな！成蟜を好きになった瞬間だよ！
『キングダム』成蟜（せいきょう）は屯留へ！呂不韋の罠！
呂不韋は相国就任後、権勢を拡大していきます。
大王陣営でこれに対抗するためもっとも気を吐いていたのは成蟜でした。
紀元前239年、趙が秦・屯留に攻め込み、呂不韋はこれを討つため大王自らの出陣を提案します。
呂不韋の罠だ！
これを聞いた成蟜は、自ら屯留へ出陣します。
屯留は妻・瑠偉の実家があり、今まさに瑠衣は十年ぶりに帰郷している最中だったからでもあります。
『キングダム』34巻p.137
成蟜軍が屯留に到着すると早々に趙軍は退却。
屯留の城主代行の蒲鶮が呂不韋と繋がっていて、成蟜は反乱軍の首謀者に仕立てあげられるという罠にはめられてしまうのです。
そして、捕まったのは成蟜だけでなく成蟜の妻・瑠衣も捕らわれていました。
とても美人で聡明な女性で、夫である成蟜をこよなく愛しています。
10年ぶりに帰郷する際も、成蟜の心配ばかりするほど夫LOVEです。
瑠衣・成蟜『キングダム』34巻p.158
それに対して成蟜もゆっくりしてこいと優しい一言をかける…相思相愛の夫婦でした。
『キングダム』成蟜（せいきょう）意外に強い！しかし負傷
成蟜は、妻の瑠衣を助けるために脱獄しようとします。
まずは見張りの兵士たちを「自分につけば大金が手に入る」と説得し、味方につけることに成功します。
そして脱獄した成蟜は、瑠衣の元へ急ぎますが、蒲高の兵と出くわしてしまい、戦うことになります。
戦いの最中に、成嬌の幼少期からの教育係であった寿白が成嬌を庇って戦い、敵に刺されてしまいます。
寿白が刺されたことを見てしまった成蟜は、隙が生まれてしまい負傷してしまいます。
敵が成蟜にとどめを刺そうとしましたが、寿白が最後の力で阻止し、敵を倒します。
【見出し4】『キングダム』成蟜（せいきょう）瑠衣を救出！
成蟜・瑠衣『キングダム』35巻p.80
負傷してしまった成蟜ですが、なんとか瑠衣の所まで辿りつき救出することに成功します。
しかし後方から追って来る蒲鶮…
成嬌は、負傷しているため留衣の肩を借り、脱出を図ります。
もう一度、二人が出会えて嬉しくなりました。
ですが、成嬌が負傷した姿で現れたことに瑠衣はショックを受けたのではないかと思います。
二人は、無事に脱出できるのでしょうか。
『キングダム』成蟜（せいきょう）蒲鶮を討ち陰謀を防ぐ
成蟜は、瑠衣に助けを呼んでくるように言い、先に行かせました。
自分は、後方から迫まる蒲鶮を迎え撃つために、その場に残ることにします。
最後の力を振り絞り戦うことを決意したのです。
一方蒲鶮は、この戦いの後、呂不韋から屯留をもらう約束をしていました。
そして、成蟜から瑠衣を奪い、自分の妻にし子を産ませようとしていました。
成蟜にとっては、瑠衣を奪われるわけにはいかないため、阻止しなければなりません。
成蟜と蒲鶮が戦っている最中に、瑠衣は飛信隊と会い、助けを求めます。
そして、信達は急いで成蟜の元へ向かいます。
信達が到着すると、そこには成蟜と蒲鶮が横たわっていました。
成蟜は、意識がありましたが蒲鶮は死んでいました。
成蟜が蒲鶮を倒し、蒲鶮の陰謀を防いだのです。
壁を走る成蟜『キングダム』35巻p.101
すごいぜ成蟜！もう動けなくなってたのに、『るろうに剣心』みたいだ！！
『キングダム』成蟜（せいきょう）の残した言葉
意識のあった成蟜ですが、かなり出血しており体も冷たくなっていました。
そして、瑠衣の腕の中で伝えたい言葉を残します。
｢瑠衣。この後、俺の一派はお前がまとめ上げろ。
俺がいなくなって半分は…去るだろうが、残った半分をお前がまとめろ。そして、その後政の下に一本化しろ。
お前は頭がいいし心も強い。
女だが十分にやれるはずだ」成蟜『キングダム』35巻p.109
と、瑠衣にこの後のことを託します。
瑠衣は成蟜の言葉をこの後忠実に守っていくんだ
そして、最後にこう言って息を引き取ります。
「瑠衣、許せ。また苦労をかける。
俺はお前と初めて会った時…あの時からずっとお前にほれている」成蟜『キングダム』35巻p.115
この言葉を聞いて、二人がどれほど愛しあっていたのかが分かりますね。
そして信に対しては、6年前の反乱のときからずっと覚えていて、どうしているかを調べていたことを語ります。
自分には政の夢、中華統一をともに成し遂げることはできなくなってしまっため、それを支えて欲しいと頼みます。
飛信隊信、貴様が奴の剣にして盾であることを忘れるな。
貴様の存在自体が奴の支えとなる。成蟜『キングダム』35巻p.113
成蟜が「そこで貴様が倒れるなら嬴政は、」って言いかけたとき
「大丈夫だ。俺は絶対倒れねぇ」と言いきるのが信らしいね！
成蟜もこれで安心だね…
最後の最後にイイ奴になっちゃって…もっと活躍して欲しかったな！
始皇帝8年（紀元前239年）、長安君成蟜が軍を率いて趙を攻撃したとき、屯留・蒲鶮の兵卒を従えて謀反した。
秦がこれを攻撃すると、成蟜は屯留で死に、軍吏はみな斬り死にし、その民は臨洮に遷された。
wikipediaより
成蟜は趙と戦い、屯留で謀反を企てて失敗したのが史実なんだね。
『キングダム』では紀元前245年に王座を奪おうとして失敗、
紀元前239年の屯留は呂不韋の罠にはまった話になっているのか。
最後は成蟜大好きになっちゃういい話になったと言えるね。
『キングダム』成蟜（せいきょう）の死は何巻何話？
成蟜の死が描かれているのは、漫画35巻377話 「剣と盾」に描かれています。
成蟜の死亡シーンが描かれている中で、成蟜と瑠衣との夫婦愛を感じさせられます。
なんといっても、成蟜が瑠衣を救いだし、守るために先へ行かせ後方から迫まる追っ手に向かう姿がかっこいいです。
この話を読むことで、成蟜のことを好きになるのではないでしょうか。
是非、読んでみてください。
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