『ドリームガールズ』あらすじ&事実と違うところは?モデルもご紹介

映画

ブロードウェイの名作ミュージカル『ドリームガールズ』は2006年、ビル・コンドン監督・脚本で映画化されました。

ジェニファー・ハドソンはこの映画が歌手としても女優としてもデビュー作ですが、アカデミー助演女優賞を獲得し一躍有名になりました。

音楽業界の光と影を描いたこの作品の、モデルとなった人物や出来事をあらすじに沿ってご紹介していきます。

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『ドリームガールズ』あらすじ/ドリーメッツ

「ドリーメッツ」の3人、エフィ、ディーナ、ローレルはアマチュア・コンテストでプロデューサーのカーティス・テイラー・Jrに見いだされ、ジミー・アーリーのバックコーラスとして仕事を始めます。

自分の歌に自信があったエフィはもともとバックコーラスに乗り気ではありませんでした。

『ドリーメッツ』のキャストとモデルになった人物一覧

役名 俳優 モデルになった人物
ディーナ・ジョーンズ ビヨンセ・ノウルズ ダイアナ・ロス
エフィ・ホワイト ジェニファー・ハドソン フローレンス・バラード
ローレル・ロビンソン アニカ・ノニ・ローズ メアリー・ウィルソン
ミシェル・モリス シャロン・リール シンディ・バードソング

1958年、フローレンス・バラードメアリー・ウィルソン歌のコンテストで知り合います。

1960年、地元デトロイトの人気男性グループ・プライムスの妹グループのプライメッツのメンバー募集に、フローレンスとメアリーは近所に引っ越してきたダイアナ・ロスを誘って応募します。
この時、メンバーは4人でしたが、間もなく脱退しています。

この年、プライメッツはモータウンのオーディションを初めて受けましたが、ベリー・ゴーディは「高校卒業後にまた来なさい」と彼女たちに伝えています。

フローレンス・バラードは1943年6月30日生まれ、メアリー・ウィルソン1944年3月6日生まれ、ダイアナ・ロスは1944年3月26日生まれ。まだ16,7歳だったんですね。

『ドリーメッツ』~『ザ・ドリームズ』のモデル『ザ・スプリームス』とは?

1959年『ザ・プライメッツ』として結成、1961年に『ザ・スプリームス』に改名し、1977年に解散するまで10名ほどの脱退・加入を繰り返しています。

日本では長年『ザ・シュープリームス』と呼ばれてきましたが、実際の発音に近い『スプリームス』の表記に変わってきています。

衣装、かつら、メイクなど当時を忠実に再現していることがうかがわれますね。

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『ドリームガールズ』あらすじ/ドリーメッツをめぐる人々

C.C.ホワイトが書き、ジミー・アーリーが歌って、ドリーメッツがバックコーラスをした新曲『キャディラック』は売れ始めたと思ったら白人にパクられてしまいました。悔しがるC.C.とカーティス。

結局、カーティスは自分がカーディーラーとして扱っていたキャディラックの在庫をすべて換金し、そのお金でメジャーのラジオ局に自分たちの曲をかけさせます。

そしてついに、自分のレーベル「レインボー・レコード」を立ち上げるのです。

『ドリーメッツ』の周りのキャストとモデルになった人物一覧

役名 俳優 モデルになった人物
カーティス・テイラーJr ジェイミー・フォックス ベリー・ゴーディ・ジュニア
ジミー・”サンダー”・アーリー エディ・マーフィー リトル・リチャード、ジェームス・ブラウン、サム・クック、ジャッキー・ウィルソン、ウィルソン・ピケット、マーヴィン・ゲイ等
C.C.ホワイト キース・ロビンソン スモーキー・ロビンソン、ホーランド=ドジャー=ホーランド
マーティ・マディン ダニー・グローヴァー
エセル叔母 エスター・スコット

ゴーディダイアナ・ロスは実際に長年恋愛関係にでした。

ダイアナが他のメンバーとゴーディを奪い合ったかどうかは記録にありませんが、感情的にしこりの元になっても仕方ないですネ。

ジミー・アーリーは架空の人物ですが、麻薬に手を出していくのも、当時の世相を反映している設定です。

他にもジャクソン5そっくりの子ども5人組なども登場して楽しかったですね!
ダイアナ・ロスは実際、芸能界ではマイケル・ジャクソンを弟のように面倒を見ていたそうです。

『サーフィンUSA』はチャック・ベリーのパクリ!

『キャディラック』がパクられるシーンで、ハワイ風な演出がされていますね。

これは、白人のビーチ・ボーイズが『サーフィン・USA』で、黒人チャック・ベリーの『Sweet Little Sixteen』を盗作したということを示しています。

今だったら許されないレベルですね…

『レインボウ・レコード』のモデル『モータウン・レコード』とは?

1959年ベリー・ゴーディ・ジュニアがデトロイトでタムラ・レコードとして設立。
1960年モータウン・レコード・コーポレーションとなりました。

ですので、ザ・スプリームスのデビュー時には、すでにレコード会社があったわけです。

アフリカ系アメリカ人が所有する独立系レコードレーベルとして、ソウルミュージックやR&Bを中心に据えてソウル・チャートだけでなく、ポップ・チャートでも大成功をおさめ、ポピュラー音楽における人種統合で重要な役割を担いました。

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『ドリームガールズ』あらすじ/ザ・ドリームズとして独立

エフィは、頼もしいカーティスに恋するようになりますが、カーティスはどんどん美しくなっていくディナに心を奪われていきます。

そして、ジミー・アーリーもまた、10歳から世話になったマネージャーのマーティ・マディンから、カーティスのマネージメントに乗り換えるのです。

ドリーメッツはやがて、ジミー・アーリーのバックコーラスを卒業し、彼とは別の道を「ザ・ドリームズ」として歩き始めるのです。

しかし、カーティスは、エフィのソウルフルな歌声を抑え、美人で軽いノリのディーナをリードに起用します。
白人にも受ける洗練されたポップソングに路線変更し、一気にチャートのトップに駆け上がります!!

ザ・スプリームスをスターにした曲

明るく、軽いポップソングは白人の間にも抵抗なく受け入れられます。

映画の中でも、ジミーのソウル溢れる歌に拒絶反応を示されるシーンが描かれていましたね。

女優たちの役作り

ジェニファー・ハドソンはエフィ・ホワイト役を演じるにあたり20ポンド (9.1 kg) 太る必要がありました

逆にビヨンセは、ディーナに洗練された外観を演出するため急速に20ポンド (9.1 kg) を失い、映画製作が終了するとそれを取り戻しました。 水、レモン、メープルシロップ、カイエンペッパー(「マスタークレンズ」として広く知られている)の食事で実現したそうですが、真似しない方がよさそうですね!

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『ドリームガールズ』あらすじ/エフィの脱退

エフィは、自分が一番歌がうまいのにサイドに押しやられ、さらに愛する男性・カーティスディーナに奪われたと被害妄想に陥り、勝手にステージから去ってしまいます。

気を取り直して戻ろうとしても、もう「わがままが過ぎる」と受け入れてもらえません。

エフィがソロで自分の心をさらけ出すように歌う歌は、歌の上手さが迫力を何倍にも増幅します!

実話との違いは?

1967年、不公平な扱いへの不満からアルコール中毒に陥ったフローレンスが解雇され、シンディ・バードソングが加入しました。

フローレンスとゴーディの間の男女関係や、子どもがいたかという点は不明です。

またグループ名も、ダイアナ・ロス&ザ・スプリームスとなりました。

かなり実話に近い設定と言えそうです。

エフィが同じステージに立つことはなかった

映画では、エフィはザ・ドリームスの最後のステージに出演していますが、実際には、フローレンス・バラードは1976年、33歳の若さで亡くなっています

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『ドリームガールズ』あらすじ/ディーナとカーティスの結婚

ディーナカーティスと結婚します。
この時カーティスは「君こそ僕が夢に見ていた女性なんだ」というラブソングを捧げます。

C.C.ホワイトは新入シンガーのミシェル・モリスと、ジミー・アーリーは(妻はいますが)ローレル・ロビンソンと付き合っています。

しかし、カーティスの独占欲、支配欲は家族同然だった仲間たちを徐々に遠ざけていきます。

一方、シングルマザーになっているエフィ・ホワイトに手を貸してくれたのは、ジミーの元マネージャー、マーティです。
エフィはライブハウスで歌の仕事を手に入れます。

実話との違いは?

ダイアナ・ロスゴーディの子供を出産し、その後ほかの男性と結婚しています。

映画と違いますが、理由はゴーディの性格だったかも?と考えれば、忠実な描写なのかもしれませんね。

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『ドリームガールズ』あらすじ/ディーナの映画進出

ディーナにベタぼれのカーティスは、彼女にクレオパトラを演じさせようと夢中になります。

ディーナは「あれは少女の役」と全く乗り気ではありません。

別口から映画出演のオファーが来ると、カ-ティスに相談なしで出演を承諾してしまい、後に激怒されます。

実話:ビリー・ホリデイ物語(1972年)

ダイアナ・ロスが伝説のジャズシンガー、ビリー・ホリデイを演じました。これでダイアナ・ロスもアカデミー賞にノミネートされているんです!

実話:ザ・ウィズ(1978年)

「黒人が演じるオズの魔法使い」としてブロードウェイミュージカルを映画化。これがさんざんの酷評で、ダイアナ・ロスもゴーディも懲りたでしょう。と思いきや。

なんと、この映画でカカシを演じているのがマイケル・ジャクソンだったのです!
後年になってから、思わぬ話題作となりました。

ゴーディさん、持ってますねえ。

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『ドリームガールズ』あらすじ/それぞれの道へ

小さなライブハウスで歌うエフィのために、兄C.C.ホワイトが曲「ワン・ナイト・オンリー」を書きます。

エフィのために描いた曲の良さと、思いを込めて歌うエフィの素晴らしい歌声で、徐々に黒人チャートを上がってくるこの曲。

これを知ったゴーディは、ラジオ局に圧力をかけて放送をやめさせ、また、この曲を取り上げてポップなアレンジを加えザ・ドリームズに歌わせます

派手な演出とダンス、ポップな曲はたちまちヒットします。

しかし、このことを知ったディーナ、ローレル、C.C.、マーティらはゴーディに背を向け去っていきます。

ザ・ドリームズも解散を決め、最後のステージに現れたのはエフィです。

4人で歌う『ドリームガールズ』で、それぞれが自分の人生を歩きだすことが示されます

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『ドリームガールズ』あらすじと事実と違うところは?モデルもご紹介まとめ

ミュージカル映画『ドリームガールズ』のあらすじから、キャスト、モデルになった人物や会社などをご紹介しました。

事実と近い部分も、脚色した場面もありました。

しかし、素晴らしい音楽に感動してしまい、事実でもフィクションでもいいかなと思ってしまった事だけ白状しておきます。

主演のジェニファー・ハドソンは2021年にも映画『リスペクト』でアレサ・フランクリンを演じ、その素晴らしい歌声を余すところなく聴かせてくれています。

映画『ドリームガールズ』

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