SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』では、大坂城に囚われ同然の身だった虎永が、城から抜け出し江戸へ向けて帰投する様子が描かれます。
ポルトガル人そしてキリシタン大名から命を狙われる按針が、陸で、海で襲われながらも逃げ延びる逃亡劇が見どころです。
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』 あらすじネタバレ
藪重は遺書をしたためた後、大阪城で虎永に面会します。
虎永は昨夜の襲撃は石堂が藪重に命じて、忍び『阿弥陀党』に襲わせたのかと暗に聞きますが、藪重は、石堂が「虎永のかわりに大老に」という褒美をちらつかせたが、自分の望みは駿河の国のみであると否定します。
虎永は藪重に、駿河の国を与える故、按針と桐の方を網代に連れ帰って欲しいと命じます。
藪重に二心があることを知りつつ、利用できると踏んでいるんだな!
マルティン・アルヴィト司祭は、ポルトガル人たちに、虎長が中国との交易で利益が出ていることを知り出航許可を出さないことを伝えますが、黒船の船長は強引に出航します。
鞠子は医者を呼び、按針の傷の手当てをしますが、夫・広勝が按針とともに大阪を立ち網代に行く、と告げに来ます。
広松は藤に、自刃した夫と子の骨壺を与え、網代行きに加わるように告げます。
また、家伝の刀とともに武士の覚悟を藤に伝えます。
藪重が一行をまとめて出発する寸前、石堂が現れ、駕籠を改めます。
鞠子と按針は、桐の方と虎永がこっそり入れ替わるのを目撃し、虎永の乗った駕籠が覗かれることを、体を張って防ぎます。
虎永が見つかるのはマズイ、と気づいた按針は、自ら騒ぎを起こして一行を進ませることに成功するんだ!
港へ向かう一行を襲うキリシタン大名・木山の部下。虎永が居ることを一行は知りますが、鞠子自ら薙刀を手に戦い、木山の賊を退けます。
戸田広勝が追手を一人で食い止め、虎永たちは港へ。
いいとこのないDV夫の広勝は、主君のためには命を投げ出すことも厭わない忠臣だった!かっこよかったぜ!
按針は、虎永の船を狙う賊の船を発見。
虎永は無許可で出航した黒船のキャプテンに、①マカオの交易に出資し、儲けの半分を与える②アルヴィト司祭に江戸での教会建設を許すかわり、木山・大野を虎永方へ引き入れてほしい と交渉します。
黒船のキャプテンは、アルヴィト司祭に虎永に按針の日誌を渡させ、商人ではなく海賊であることを知らせて、『按針は大阪に置いていく』という条件を飲ませます。
按針は虎永の船に残されますが、石堂の制止も、黒船が浅瀬に乗り上げさせようと仕掛けた策も見事に振り切り、虎永と合流します。
石堂は、木山・大野に対し大阪での乱暴狼藉を咎め、木山・大野は按針を逃がしたことで石堂を責めます。
おお!早くも按針効果が発動している?
そこへやってきたのが戸田広松。虎永の五大老辞任の書状を持参しています。
[大砲隊]
・虎永は息子の長門に、網代に残り、藪重の大砲隊の鍛錬を手伝うように言います。
・虎永は按針に日誌を返し、代わりに一つの隊を鍛え、按針の武器を使って異人の戦法を仕込んで欲しいと告げます。さらに按針を旗本に取り立てるのでした。
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』 キャスト一覧
登場順にてご紹介します。
役名 | モデル | キャスト | 備考 |
樫木藪重 | 本多正信 | 浅野忠信 | 伊豆領主 |
吉井虎永 | 徳川家康 | 真田広之 | 五大老の5 |
吉井長門(ながかど) | 松平忠吉 | 倉悠貴 | 虎永の息子 |
マルティン・アルヴィト司祭 | ジョアン・ロドリゲス | トミー・バストウ | ポルトガル人司祭 |
ジョン・ブラックソーン /按針 | ウィリアム・アダムス/三浦按針 | コスモ・ジャーヴィス | イギリス人航海士 |
戸田鞠子 | 細川ガラシャ | アンナ・サワイ | 明智光秀の三女。キリシタン |
戸田広勝/文太郎 | 細川忠興 | 阿部進之介 | 虎永の忠臣。鞠子の夫 |
戸田広松 | 細川藤孝 | 西岡徳馬 | 虎永の忠臣。藤の祖父 |
宇佐見藤 | 穂志もえか | 広松の孫。夫と子を亡くした。 | |
根原丞善 | ノブヤ・シマモト | 石堂の部下。網代行きの一行を監視する。 |
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』史実との関連・ポルトガル人宣教師について
15世紀半ばから始まった大航海時代、スペインとポルトガルは競って世界中に船出し、各地を征服していきました。
スペイン・ポルトガルは1494年のトリディシリャス条約により、領土の範囲を決め、日本はポルトガル領と(勝手に)決められました。
キリスト教が初めて日本に入ってきたのは1549年。
カトリック教会の修道会であるイエズス会のフランシスコ・ザビエルによる布教でした。
ザビエル自身はスペイン人ですが、イエズス会はポルトガル王の依頼により、世界宣教を行っていたのです。
宣教師たちは織田信長の庇護のもと、順調に信者を増やします。
信長は鉄砲を国内生産して戦を有利に進めたよ。
鉄砲をもたらしたポルトガル人を優遇したんだな
1587年、豊臣秀吉はバテレン追放令を発し、宣教と南蛮貿易を禁止しました。
秀吉は、軍艦欲しさに信長の方針を継承したけど、
キリシタンが日本人を奴隷として売買しているという噂、神道・仏教徒からの訴えもあって、追放令を出したよ。でも南蛮貿易は継続していたんだ。
1596年7月、フィリピンのマニラを出航したスペインのガレオン船サン=フェリペ号が日本に漂着しました。この時秀吉は、宣教師たちの目的は、布教ののちに征服することであることを知り、キリスト教への弾圧を始めます。
『SHOGUN将軍』では、南蛮貿易による利益や、征服への意図が語られていきます。
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』見どころ!
ポルトガル人、そしてキリシタン大名によって命を狙われ続ける按針の逃避行。
陸で、海で、繰り広げられる戦いが見ものです。
また、自分のことだけでなく、虎永の意図に気づき身を挺して守る按針の姿も印象的でした。
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』名セリフ!
長門「藪重は敵です」
虎永「それがどうした。おまえはいつになったらわかるのじゃ。
敵も味方も 駆け引き次第。
この世で恃むべきは おのれのみぞ」『SHOGUN将軍』第三話
これは家康の言葉として伝わっているものではなく、原作者の創作と思われますが、人質として育った自らの過去、そして天下を束ねる将軍となる大きな器を感じさせる名言です。
俺に主はいない。自分の意志だ。
魅かれるのはこの光景。
海の深遠さよりも水平線
水平線よりも自由
そして追い風
沖に広がる見渡す限りの海
昨日もなければ明日もない。按針『SHOGUN将軍』第三話
第三話のタイトルにつながる名言です。
ただ今日一日を命がけで生き延びる。
按針の境遇と、これを生き抜くレジリエンスをこの言葉は言い切っています。
明日は明日じゃ
今日のうちにものにして見せる虎永『SHOGUN将軍』第三話
按針に何度も飛び込みをさせ、よく見てその技を身に着けようとする虎永。
「続きは明日にしては」という鞠子に、力強く答える虎永です。
SHOGUN将軍 第三話『明日は明日』まとめ
石堂の策によって風前の灯火であった虎永の命ですが、按針という切り札を得て大坂城を抜け出し、江戸にもどり、五大老の職を辞します。
按針は命からがら網代へ戻り、虎永の子長門と、藪重とともに大砲隊を作っていくことになります。
また、この回で鞠子と夫との微妙な関係や、徐々に按針を信頼していく女心が匂わされていることも面白いです。
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