SHOGUN将軍第二話は『二人の主君に仕えて』。
藪重が虎永と石堂の二人に近づいていくことを表しているのか?
鞠子が神と虎永の二人に仕えつつ、夫細川忠興との関係に苦しむことを表しているのか?
太閤が存命であったころは、主君は唯一絶対的存在であったのに。変化の時は残酷なものでもあります。
SHOGUN将軍第二話『二人の主君に仕えて』あらすじネタバレ
1599年。太閤・秀俊は死の床にあり、人払いをすると虎永を呼び寄せました。
「八重千代を守ってやってくれ。そして教えてやってくれ。一番肝心なことを。国の頂に立つ者は誰より孤独なのだと」
ポルトガルの司祭たちの手にジョン(=按針)の日誌が渡り、按針がカトリックの拠点を襲撃、略奪していたことがばれ、激ヤバ?と思われる展開に。
しかし日誌には、マカオでのポルトガルの悪事が詳細に書かれているらしく、日誌がそのまま流出することはとりあえずなさそうです。
マルティン司祭の通訳で、虎永と按針はカトリック(スペイン・ポルトガル)とプロテスタント(オランダ・イギリス)の争い、自衛のための武装について話しています。
まさにその場に入ってきたのが石堂。
石堂は、虎永が大阪城に異人・按針を招き入れたことが気に入りません。
虎永は按針を牢に入れようと言わざるを得ず、按針はまたもや拘束されてしまいます。
鞠子が夕餉の席で息子に按針の話をしていると、夫・戸田広勝が入ってきます。
広勝は、鞠子が虎永と按針の通訳をすることも面白くありません。
そこへ父・戸田広松が入ってくると、鞠子に虎永が呼んでいると告げました。
【虎永に対する断罪の流れ】
1話で石堂は①虎永が関東で縁談をまとめ領土を拡大している②虎永は世継ぎの母・落葉の方を江戸で人質にしていると責め、五大老の四人で処罰を決めるので虎永は大阪城にとどまるように言いつけていました。
落葉の方(モデルは秀吉の側室・淀)の妹は、虎永の息子の妻。
落葉の方は妹の出産に付き添うために江戸に来ていたが、妹が無事出産を終えたので、大阪へ戻ることに。
しかし次にはキリシタン大名の木山・大野がプロテスタントの按針を大阪に置くことに抗議してくると予想されます。
鞠子は、虎永と広松を前に、虎永が危険なのは四人の大老が結束している時であり、虎永は按針を利用して石堂とキリシタン大名二人を含む三人の大老の関係にひびを入れようとしていると分析して見せます。
按針が入れられた牢は、ポルトガル人ら、異人ばかりの牢でした。
「自分は虎永に呼ばれて来たゲストだ」と主張しますが、ここで出会った男は「虎永は四人の大老に陥れられ孤立している」と言うのでした。
さて四人の大老が顔を合わせると、やはり木山と大野は按針の処刑を求めます。
ポルトガル人司祭たちは、大名に訴えたんだろうね・・・
ここで、石堂はポルトガル人の賄賂に目がない二人を馬鹿にしていることがわかり、キリシタン木山と大野は石堂が虎永を一刻も早く亡き者にしようとしているのに乗せられまいとしていることがわかります。
牢に入れられた按針は、虎永の『美濃原の血』の話、そしてポルトガル人が日本と中国の交易を仲介して莫大な利益を得ていること、またマカオの秘密基地から銃を密輸して反乱を扇動していることを聞きます。按針はマカオに日本人の傭兵が大勢いたと聞いており、彼らがカトリック教徒だということが自分の切り札になると感じます。
石堂は藪重と会い、按針のことを聞き出します。
藪重は按針の武器と、ポルトガルへの敵愾心を語り、後にキリシタン大名2人と渡り合うために按針を手に入れるよう進言し、ついには処刑の決まった按針を忍びを使って救出するのです。
按針は虎永の前で、鞠子の通訳で、ポルトガルの狙いは為政者を追い出し日本を支配することだと言い、それを聞いた虎永は、今夜は按針を西の丸(虎永自身の寝所)に泊めるよう申し付けます。
その夜、西の丸に忍びが入り、按針・虎長とも無事でしたが、按針が狙われたことは明らかです。
また、虎永はマルティン・アルヴィト司祭が必要としている出航許可に印を押すのを止めました。
按針からの情報のおかげです。
SHOGUN将軍第二話『二人の主君に仕えて』キャスト一覧
SHOGUN将軍第二話登場順にご紹介します。
役名 | モデルとなった人物 | 俳優 | 備考 |
太閤 中村 秀俊 | 豊臣 秀吉 | 螢 雪次朗 | |
落葉の方 | 淀君 | 二階堂 ふみ | 秀俊の側室。世継の母 |
中村 八重千代 | 豊臣秀頼 | セン・マーズ | 世継ぎの君 |
吉井 虎永 | 徳川家康 | 真田 広之 | 五大老 |
戸田 鞠子 | 細川ガラシャ | アンナ・サワイ | 明智光秀の三女。キリシタン |
マルティン・アルヴィト司祭 | ジョアン・ロドリゲス | トミー・バストウ | |
戸田 広勝 | 細川忠興 | 阿部 進之介 | 吉井虎永の忠臣。鞠子の夫 |
戸田 広松 | 細川藤孝 | 西岡 徳馬 | 吉井虎永の忠臣。藤の祖父 |
桐の方 | 阿茶局 | 洞口依子 | |
静の方 | マコ・フジモト | 虎長の妻・身重。 | |
樫木 藪重 | 本多 正信 | 浅野 忠信 | 伊豆の領主 |
SHOGUN将軍第二話『二人の主君に仕えて』史実との関連
1年前、太閤秀俊のセリフです。
「人の世は妙なものよのう
夢の中で見る 夢のようなもの」中村秀俊『SHOGUN将軍』第二話
これは、豊臣秀吉の有名な辞世の句のオマージュです。
『露と落ち露と消えにし我が身かな 浪速のことは夢のまた夢』
豊臣秀吉辞世の句
足軽の子とも農民の子とも伝えられる秀吉ですが、出世街道を駆け上がり、ついに天下をその手に収めました。これまで誰もなしえなかった偉業です。
もう子を持つことはないだろうと甥の秀次を取り立て、関白に、そして豊臣家の継承まで済ませた後、なんと秀吉は子宝に恵まれてしまうのです。
やはり豊臣家を継がせるのはわが子に、と秀次に「謀反の疑いあり」として自害に追い込み、一族郎党根絶やしにするという凄惨な事件を起こしてしまうのです。
1598年秀吉が亡くなると、1600年には関ケ原の戦いで家康が天下人となります。
人生とは霧と消える露のようにはかないもの、栄華を極めた浪花での出来事も夢の中で見る夢のようなものであった・・・
哀しいようですが、これが人生の真実なのかもしれません。
SHOGUN将軍第二話『二人の主君に仕えて』美濃原の血とは?
一話でも、虎永の「みのわらの血」を四大老が恐れるというくだりがありましたが、二話で解説が入ります。
按針が入れられた牢で、老人が話してくれるのです。
虎永は美濃原の末裔
この国でその名は影響力がある
数百年にわたり虎永の先祖はこの国の支配者だった
神聖なる統治権を持つ男
長年崇められてきた称号
人が到達しうる最高の地位<将軍>『SHOGUN将軍』二話より
真田広之のノーブルなルックスが説得力を増す瞬間だな!
このくだりはもちろんフィクションなんだけど・・・
家康は清和源氏の流れをくむ血筋だったようだけど、藤原氏であるという文書を出して従五位下三河守に叙せられたんだ。
そのあとまた「源氏」に復姓しているらしいけどね。
いずれにしても血統というものは強力だね。
SHOGUN将軍第二話『二人の主君に仕えて』まとめ
主要な登場人物がこの回で顔を合わせ、たくさんの伏線が張られていく回でした。
航海士ジョン・ブラックソーン/按針の数奇な運命は、何度も襲い来る危機を回避し、想像もできない展開へとなだれ込んでいきます。
キリシタン・戸田鞠子は悲しい過去を抱えつつ、その聡明さを主君のために発揮し始めます。
吉井虎永は美濃原(みのわら)の血を享けついでいることが語られます。
虎永がどのような情報を手に入れ、どのような行動をとっていくのか。
人に見せる顔と、心に秘めた真の目的の違いは?
この後の展開から目が離せません!
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