SHOGUN将軍第九話『紅天』あらすじネタバレとキャスト|枯れ枝の発句の意味は?

SHOGUN将軍

窮地に陥った虎永を救うため、大坂に入った鞠子。

切り札になる落葉の君に対して何をしようというのか?

藪重とも按針ともかかわらず、女一人で何をしようとしているのか?

鞠子一人の『紅天』が始まります。

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SHOGUN将軍第九話『紅天』あらすじネタバレ

本能寺の変は1582年。物語は1600年ですから、18年ほど前の回想から始めります。
謀反人の明智仁斎の娘、最後の一人の生き残りとなった鞠子

秋田の戸田屋敷から彷徨い出て、雪の中で死のうとするのはもう3度目です。

マルティン・アルヴィト司祭が訪ねて来て、神の救いとロザリオを与えます。

1600年。
海路、大坂に到着しました。

藪重按針、鞠子石堂に面会するため登城します。
藪重は按針を『貢物』にするつもりです。

出迎えたのはキリシタン大名の木山
按針をイエズス会の教会につき出すつもりですが、藪重はこれを阻みます。
藪重は石堂に、大老衆への降伏と、按針を『貢物』として差し出すことを述べますが、喜ばれていません。

八重千代と落葉は興味ありげだったけどな!

次に鞠子石堂と落葉の前に進み出ます。

鞠子は石堂に虎永は喪に服していることを話し、落葉との再会を懐かしみます。
落葉は、大蓉院を偲ぶ歌会の発句の選択を鞠子に頼みます。

鞠子は『枯れ枝』の発句を詠みますが、歌会には出席しない、明日の朝 桐の方・静の方と江戸へ帰ると言い切ります!

石堂は、ここに囚われのものなどいないが、大老衆の詮議にかけるといら立ちを見せますが、鞠子はきっぱりと自分は出ていくと言うのです。

藪重は鞠子の振る舞いに驚き呆れ、取り乱します。
「春に枯れ枝の歌とは」と、鞠子が歌にこめた思いにも気づかないようです。

鞠子は按針に理由を聞かれ、自分が止められたら石堂に武力で囚われている証拠になる、と考えの一端を覗かせます。
すべての武将や奥方と同様、と付け加えることで、自分の行動に共感する者が出るだろうことを示唆しています。

鞠子は自分を気遣ってくれる按針の優しさを感じながら、関わらないでくれるようにと頼みます。
息子の龍司も鞠子の前に現れ、やめて欲しいと言います。
龍司は、木山が孫娘と龍司の縁談を進めていると言うのですが、これには鞠子が怒り、結婚相手は主君の虎永が決めることだと。龍司はもう母でも子でもないと言い捨て去っています。

藪重や按針、木山や大野の見守る中、鞠子の出立が試みられます。

邪魔立てする石堂の部下を斬り、射かけられた矢をものともせず、ついには薙刀を手に自ら戦う鞠子。

木山は城壁の上から「鞠子殿を傷つけてはならぬ」と叫びますが、大人数にかかってこられた鞠子は押通ることができません。

鞠子は主君への務めを果たせぬ不名誉のため「私は日没に自害いたしまする」と宣言します。

大老衆は鞠子の行動について話しあいますが、鞠子を知る落葉は、これは鞠子の仇うちだと述べるのです。

八重千代が按針を呼んだことで、落葉は鞠子と話そうとします。
落葉は人払いをすると「駆け引きを止めにせよ」と命じます。
鞠子が虎永の望みはこの争いを終わらせることのみだ、と答えると、落葉は按針にせよ、と二人の子供時代を語り始めます。

優秀で、要領が良く、落葉の心の支えになっていた鞠子。
今となれば、胸に怒りを溜めていたことやすべてを滅ぼそうとしているのがわかると。

鞠子はこの争いを止めることができるのは落葉の方だけだ、と一番言いたかった一言を伝えることができました。

按針は死のうとする鞠子を「命を無駄にするな」と説得しようとします。

 

鞠子は「生も死も同じこと。どちらにも価値(value)と目的(purpose)がある」と説明しますが、按針には伝わりません。

按針が真摯に「自分のために生きていて欲しい」と言うと、鞠子は按針の手を握ります。

しかし虎永はすでに鞠子に釘を刺していたよね

按針か!わしか!と。おそるべき先読み能力。

アルヴィト司祭に告解をし、ともに祈る鞠子に、アルヴィトは讃美歌を歌って贈るのでした。

夕刻が近づき、鞠子の最期の時が来ます。
白い衣に身を包み、懐剣を手に取る鞠子。

しかし介錯を頼んだ木山は姿を見せません。
ロザリオを外しながら動揺を見せる鞠子に、按針が介錯を申し出ます。

あわや、と言うその瞬間、石堂が入ってきて許可証を置いていくのです。
その夜、鞠子の元を訪れたのは按針でした。。。

ところが。
藪重の手引きで忍びが大坂城に入り込み、城に居る人を次々と襲い始めます!
標的は鞠子でしょう。

藪重、按針、鞠子、静の方、桐の方は扉の頑丈な土蔵に逃げ込みます。
按針は扉の前にバリケードを築こうとしますが、藪重は協力してくれません。

その時扉の前に立ちはだかったのは鞠子でした。

私明智鞠子は
此度の石堂様の卑劣な襲撃に物申しまする。
そして自らの命を

鞠子『SHOGUN将軍第九話』

自刃から免れ、大坂から出られるというその矢先、まさかの出来事が起こります。

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SHOGUN将軍第九話『紅天』キャスト一覧

役名 モデル キャスト 備考
戸田鞠子 細川ガラシャ アンナ・サワイ 按針の通訳・戸田広勝の妻
マルティン・アルヴィト司祭 ジョアン・ロドリゲス トミー・バストウ イエズス会の司祭・ポルトガル人の通訳
ジョン・ブラックソーン/按針 ウィリアム・アダムス/三浦按針 コスモ・ジャーヴィス エラスムス号の航海士
樫木藪重 本多正信 浅野忠信 伊豆の領主・央海の伯父
桐の方 阿茶局  洞口依子 虎永の側室
静の方 マコ・フジモト 虎長の側室。子が産まれたばかり。
石堂和成 石田三成 平岳大 五大老
落葉の方〈瑠璃姫〉 淀殿 二階堂ふみ 父は黒田信久。八重千代の母
中村八重千代 豊臣秀頼 セン・マーズ  太閤の子。お世継ぎ。
戸田龍司 ユウア・ヤマナカ 広勝と鞠子の息子
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SHOGUN将軍第九話『紅天』『枯れ枝』の発句

鞠子の発句から連歌を詠んでいくので、鞠子は当座の状況を歌にします。

雪ながら 夕べに霞む 枯れ枝かな

これには有名な元ネタがあります。

雪ながら山もと霞む夕べかな[発句]       宗祇

これは ”遠山の裾に霞のたなびく夕景、さらに雪の白さまで加わって歌人の「艶」という趣が色濃く漂う”と解釈されています。

鞠子は『枯れ枝』に、意気消沈し、降伏の頭を垂れた虎永の姿を託したのではないでしょうか。
もう息を吹き返すこともない、枯れ枝でございます、と。

石堂はこの暗喩に気づくこともなく、あるいは気づかぬふりをしたのか、「見事じゃ」と言います。

石堂の横で落葉は、虎永の憔悴を感じ取ったようです。

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SHOGUN将軍第九話『紅天』名場面!

大坂城

大坂城の大広間!

広い座敷、障子絵や、主君の座る上座の設えなど、目が離せない立派さです。

そして大坂城の外構!

大手門や通路まで格調高い作りで再現され、鞠子の脱出と言うドラマに深みを持たせています。

鞠子の自害未遂

鞠子の自害寸前の場面は息詰まるもの。

白い布、白い衣、銀色の光を放つ懐剣・・・
見苦しくならないように両膝を紐で縛る様子もリアルで怖すぎます!

この緊張から解き放たれた直後の悲劇に、さらに衝撃を受けます。

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SHOGUN将軍第九話『紅天』名セリフ!

鞠子の誇り

わたくしは踏みつけにされる小作人ではござりませりぬ。
偉大なる武将 明智仁斎の娘にございまする。
千年続く侍の末裔として、私は、どこに閉じ込められることも
人質になることも囚われることもござりませぬ。
私は いつでも 出ていけまする。
他のどなた様とも同じように。

鞠子『SHOGUN将軍第九話』

鞠子どのは誇り高きおなごよのう!

男でもこんなセリフを吐ける奴はいないよ!!

 

鞠子を知る落葉

鞠子殿は言葉通りになさるはず。これは鞠子殿の仇討ちなのじゃ。
仇は宿命であり、われら全員じゃ。

鞠子殿は死をもって、自らに課された恥を漱ぎ自由になろうとしておる。
同時に自分を死なせた大坂方を辱めようと言うのじゃ。

もし鞠子殿を死なせれば、大坂におる家柄の高いものたちが黙っておりますまい。
かといって鞠子殿が出ていくことを許せば、他の人質も同じことを求めましょう。

落葉の方『SHOGUN将軍第九話』

さすが落葉の方の洞察力・・・

解説してくれているのかも(笑)

花は散るからこそ花

死を受け入れること すなわち諦めることではござりませぬ。
花は散るがゆえに 花なのでござりまする

鞠子『SHOGUN将軍第九話』

花が『紅天』を始めるのじゃ!

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SHOGUN将軍第九話『紅天』まとめ

第九話は鞠子の過去から始まりました。

突然謀反人の娘となり、親兄弟の後を追うことも許されず、同時に託されたものがある。

衝撃的な展開も何度もありましたが、その裏で複雑な鞠子の心を丁寧に紐解く回であったのではないでしょうか。

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